最近、いくつかのゲノムワイド研究において、不眠症と貧血に共通の遺伝的要素が関連している可能性が示唆されている。米国・ペンシルベニア州立大学のSamantha N. Neumann氏らは、貧血を有する成人は、そうでない人と比較し、不眠症の有病率が高いかどうかを調査するため、横断的研究およびメタ解析を実施した。Chinese Medical Journal誌2020年12月21日号の報告。
対象は、進行中のコホート研究であるKailuan研究に参加した中国人成人1万2,614人。貧血の定義は、女性でヘモグロビンレベル12.0g/dL未満、男性で13.0g/dL未満とした。不眠症の評価には、アテネ不眠尺度(AIS)中国語版を用いた。不眠症の定義は、AIS総スコア6以上とした。貧血と不眠症との関連は、年齢、性別、慢性疾患の状態、血漿C反応タンパク質濃度などの潜在的な交絡因子で調整した後、ロジスティック回帰モデルを用いて評価した。成人集団における貧血と不眠症の関連を評価するため、本横断研究と以前実施した3つの横断研究の結果をプールし、固定効果モデルを用いて、メタ解析を実施した。