精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:388

抗精神病薬治療は予後にどのような影響を及ぼすのか

 抗精神病薬治療中の患者では、いくつかの心血管リスク因子(糖尿病、肥満、喫煙、脂質異常症)を有する割合が高く、脳卒中の有病率が有意に高いことなどが明らかにされた。これには、服用する抗精神病薬が定型あるいは非定型かによる違いはみられなかったという。スペイン・Institut Catala de la SalutのX Mundet-Tuduri氏らがバルセロナで行った断面調査の結果、報告した。Revista de Neurologia誌2013年12月号の掲載報告。

日本人統合失調症患者、遅発例と早期発症例の特徴は:自治医大

 遅発性統合失調症は、DSM-Ⅳには記載がないものの、その臨床的特徴について多くの研究で報告されている。しかし、とくにアジア諸国において、遅発性統合失調症に関する研究は限られている。自治医科大学の安田 学氏らは、疫学調査により遅発性統合失調症と早期発症統合失調症を比較し、その臨床的特徴について検討した。Psychogeriatrics誌2013年12月号の報告。

これからのうつ病治療はWebベース介入で変わるのか

 大うつ病性障害(MDD)は一般的、かつ重篤な障害である。MDDに対し効果的な治療が存在するものの、医療システムのキャパシティー不足などにより、多くの患者が未治療の状態にある。待機期間中は、慢性化のリスクとともに、苦しみや障害が長引く。うつ病において、Webベース介入の有効性に関するエビデンスが多くの研究で示されており、問題の軽減に役立つ可能性がある。BMC Psychiatry誌2013年11月26日号の掲載報告。

精神病性うつ病に、抗うつ薬+抗精神病薬は有効か

 精神病性うつ病に対しては、抗うつ薬と抗精神病薬の併用、抗うつ薬単独療法または抗精神病薬単独療法などが考慮されるが、最適な薬物治療のエビデンスは限られていた。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのJaap Wijkstra氏らは、精神病性うつ病に対する薬物療法のエビデンスをレビューした。その結果、抗うつ薬と抗精神病薬の併用療法が、抗うつ薬単独療法または抗精神病薬単独療法に比べ、うつ症状の軽減に有効であることを報告した。今回の知見についても、著者は「精神病性うつ病に関する検討は多いが、結論の信頼性は十分なものではなかった。抗うつ薬と抗精神病薬の併用がそれぞれの単独またはプラセボに比べて有効であることを示すエビデンスがいくつかあるが、抗うつ薬または抗精神病薬単独療法のエビデンスは限られている」と報告している。Cochrane Database of Systematic Reviews2013年11月26日号の掲載報告。

双極性障害の認知障害にインターロイキン-1が関与

 双極性障害(BD)の特徴である認知障害は炎症性サイトカインによって悪化する可能性が示唆されていた。このたび、米国・ピッツバーグ大学のFrancis E. Lotrich氏らの検討により、認知障害の悪化にインターロイキン(IL)-1系が関与している可能性を支持する所見が示された。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2013年11月25日号の掲載報告。

ドーパミン活性レベルの維持に関与する遺伝子多型を特定:弘前大

 弘前大学大学院医学研究科の土嶺 章子氏らは、認知機能測定の指標として、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)遺伝子Val158MET多型が有用であることを明らかにした。COMTはドーパミンやアドレナリン、ノルアドレナリンなどの代謝酵素で、ドーパミン代謝経路の主成分である。今回の検討で、同遺伝子多型がドーパミン活性の最適レベルを維持しているという仮説を支持する知見も得られたという。PLoS One誌2013年11月号の掲載報告。

難治性てんかん患者に対するレベチラセタムの有用性はどの程度か

 新規抗てんかん薬は、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない場合の併用療法に使用することが定められているが、どの程度の有効性が期待できるのだろうか。中国・復旦大学のYouxin Fang氏らは、てんかん患者に対しレベチラセタム(LEV)を併用した際の有効性と忍容性を明らかにするためメタ解析を実施した。その結果、LEVの追加はプラセボに比べ、発作を有意に減少させ、忍容性も良好であることを報告した。Journal of Clinical Neuroscience誌オンライン版2013年11月11日号の掲載報告。

統合失調症の陰性症状に、抗酸化物質N-アセチルシステインは有効か

 近年、統合失調症の病因として酸化ストレス経路の異常が示されており、統合失調症の陰性症状に対する抗酸化物質の有用性への関心が高まっている。神経保護作用を持つ抗酸化物質であるN-アセチルシステイン(NAC)が、統合失調症の陰性症状の治療において有用であるかを、イラン・テヘラン医科大学のMehdi Farokhnia氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間試験により評価した。統合失調症の陰性症状は患者QOLに悪影響を及ぼしているが、現状では、その症状に完全に効果的な治療法はまだ開発されていない。Clinical Neuropharmacology誌2013年11・12月号の掲載報告。