性差が精神疾患の病因および経過に重大な影響を及ぼすことは、脳解剖学、脳活動パターン研究、神経化学などのエビデンスで示されている。しかし、メンタルヘルス分野での性差に関する研究は十分ではない。スペイン・Universidad Cardenal Herrera-CEUのFrancisca Castellano-Garcia氏らは、物質使用障害(SUD)、有病率、薬物療法、メンタルヘルスの観点から、注意欠如多動症(ADHD)と診断された13~18歳の思春期患者における性差について検討を行った。その結果、思春期のADHDにおいて女性は男性よりも診断・治療が十分でない可能性があり、将来のさまざまな問題を予防するためにも、とくに思春期女性に対するADHDの早期診断は重要であることが示唆された。Brain Sciences誌2022年5月2日号の報告。