精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:101

日本人アルツハイマー病に対する抗認知症薬の継続性

 アルツハイマー病(AD)の症状に対する治療には、ドネペジルが用いられることが多いが、早期の治療中断も少なくない。ドネペジル治療開始後の抗認知症薬使用の継続率を明らかにすることは、今後の治療戦略の開発および改善に役立つ可能性があるものの、これらに関する日本からのエビデンスはほとんどなかった。九州大学の福田 治久氏らは、日本人AD患者におけるドネペジル開始後の抗認知症薬の継続率を明らかにするため、保険請求データベースを用いて検討を行った。

コロナで日本の未成年者の自殺率とその理由が変化

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に、日本の若年者(10~19歳)の自殺率はパンデミック前と比較して増加し、家族問題や人間関係の問題に起因する自殺が増加していたことを、東京大学医学部附属病院の後藤 隆之介氏らが明らかにした。パンデミックにより学校閉鎖などの前例のない感染防止対策が講じられ、若年者に多くのメンタルヘルスの課題をもたらしたが、これまでパンデミック中の若年者の自殺の傾向やその理由を調査した研究はほとんどなかった。The Lancet regional health. Western Pacific誌2022年8月10日掲載の報告。

急性期治療における抗精神病薬の使用状況~スコーピングレビュー

 せん妄などの原発性精神疾患以外の症状に対して、急性期治療で抗精神病薬が使用されることは少なくない。このようなケースで使用された抗精神病薬は、退院時およびフォローアップ時においても継続使用されていることが多いといわれている。カナダ・カルガリー大学のNatalia Jaworska氏らは、抗精神病薬処方の慣行の特徴、抗精神病薬処方と中止に対する専門家の認識、急性期治療における抗精神病薬処方中止戦略などを明らかにするため、スコーピングレビューを実施した。その結果、急性期治療で専門家が認識していた抗精神病薬処方と実際に測定された処方の慣行は異なっており、また院内での処方中止戦略についての報告はほとんどないことが明らかとなった。結果を踏まえ著者らは、抗精神病薬の有効性およびリスクを評価するためには、処方中止戦略を継続的に評価する必要があるとしている。BMC Health Services Research誌2022年10月21日号の報告。

精神病性うつ病の死亡率~18年フォローアップ調査

 精神病性うつ病に関連する死亡率や併発する精神症状の影響に関するエビデンスは、非常に限られている。英国・オックスフォード大学のTapio Paljarvi氏らは、併発する精神症状を制御した精神病性うつ病の原因別死亡率を推定するため、本研究を実施した。その結果、精神医学的併存疾患を制御した後、重度のうつ病に関連する死亡リスクに対し、精神症状の著しい影響が認められた。著者らは、自殺やその他の外的原因による死亡を減少させるためにも、すべての重度うつ病患者に対し、迅速な治療および精神症状のモニタリング強化が求められると報告している。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2022年10月17日号の報告。

抗うつ薬と骨量減少との関連~メタ解析

 うつ病や抗うつ薬の使用は、骨粗鬆症のリスク因子の1つであるといわれている。しかし、抗うつ薬の骨への影響やうつ病患者の年齢と骨の健康状態の自然な低下に関する研究では、一貫した結果が得られていない。イタリア・Magna Graecia UniversityのMichele Mercurio氏らは、抗うつ薬と骨密度(BMD)の関連を調査した。その結果、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の使用がBMD減少と関連している可能性が示唆された。著者らは結果を踏まえ、抗うつ薬の使用と骨の脆弱性との潜在的な関連性に対する医師の意識を高め、骨の健康状態のモニタリング強化を目指すと述べている。Orthopedic Reviews誌2022年10月13日号の報告。

認知症における抗精神病薬処方を合理化するための介入

 認知症介護施設の入居者に対する不適切な抗精神病薬投与は問題となっている。この問題に対処するため、施設スタッフの教育やトレーニング、アカデミック・ディテーリング、新たな入居者評価ツールで構成された「認知症に対する抗精神病薬処方の合理化(RAPID:Rationalising Antipsychotic Prescribing in Dementia)」による複合介入が開発された。アイルランド・ユニバーシティ・カレッジ・コークのKieran A. Walsh氏らは、認知症介護施設の環境下におけるRAPID複合介入の利用可能性および受容性を評価するため、本研究を実施した。また、向精神薬の処方、転倒、行動症状に関連する傾向についても併せて評価した。その結果、RAPID複合介入は広く利用可能であり、関係者の受容性も良好である可能性が示唆された。著者らは、今後の大規模研究で評価する前に、実装改善のためのプロトコール変更やさらなる調査が必要であるとしている。Exploratory Research in Clinical and Social Pharmacy誌2022年10月10日号の報告。

日本人統合失調症患者における認知機能と社会機能との関係

 統合失調症患者の活動性低下、就労困難、予後不良には、社会機能障害が関連していると考えられる。統合失調症患者の社会機能には、注意力や処理速度などの認知機能が関連しているが、認知機能と社会機能との関連はあまりよくわかっていない。そのため、社会機能に影響を及ぼす因子を明らかにすることは、統合失調症の治療戦略を考えるうえで重要である。金沢医科大学の嶋田 貴充氏らは、統合失調症患者の社会機能に影響を及ぼす因子をレトロスペクティブに分析し、統合失調症患者の認知機能と社会機能との間に有意な相関が認められたことを報告した。Journal of Clinical Medicine Research誌2022年9月号の報告。

治療抵抗性うつ病、psilocybin単回投与の有効性は/NEJM

 治療抵抗性うつ病治療への使用が検討されているpsilocybinについて、25mg単回投与は同1mg単回投与と比較して、3週時までのうつ病スコアが有意に低下したが、有害事象と関連していた。英国・COMPASS PathfinderのGuy M. Goodwin氏らが、欧州および北米の10ヵ国22施設で実施されたpsilocybinの第II相無作為化二重盲検用量設定試験の結果を報告した。NEJM誌2022年11月3日号掲載の報告。  研究グループは、2019年3月1日~2021年9月27日の期間に、臨床評価に基づき精神病性の特徴を伴わない大うつ病性障害のDSM-5診断基準を満たし、現在のうつ病エピソードに対してMGH-ATRQに基づく用量と治療期間(8週以上)による2~4回の適切な治療を行うも効果が不十分であった18歳以上の治療抵抗性うつ病患者を対象に、心理学的サポートに加えてpsilocybinの合成製剤であるCOMP360を25mg、10mgまたは1mg(対照)の単回投与を受ける群に、1対1対1の割合で無作為に割り付けた。

統合失調症に対するアリピプラゾールの適切な投与量~メタ解析

 薬理学の基本は、薬物の血中濃度と効果との関係であると考えられるが、多くの臨床医において、血中濃度測定の価値は疑問視されているのが現状である。そのため、治療基準用量の検討が、十分に行われていないことも少なくない。ドイツ・ハイデルベルク大学のXenia M. Hart氏らは、統合失調症および関連障害患者における脳内の受容体をターゲットとする抗精神病薬アリピプラゾールの血中濃度と臨床効果および副作用との関連を評価するため、プロトタイプメタ解析を実施した。その結果、ほとんどの患者において、アリピプラゾール10mgでの開始により血中および脳内の有効濃度に達することが示唆された。Psychopharmacology誌2022年11月号の報告。

近年の米国うつ病有病率―2015~20年調査

 うつ病は一般的に認められる精神疾患だが、致死的な状態を引き起こす可能性がある。COVID-19パンデミックによるうつ病問題の深刻化が、いくつかのデータで示されている。米国・ニューヨーク市立大学のRenee D. Goodwin氏らは、米国におけるCOVID-19パンデミックがメンタルヘルスへ及ぼす影響に対し包括的に対処するため、パンデミック前のうつ病有病率の定量化を試みた。その結果、2015~19年にかけて、うつ病治療件数が相応に増加していないにもかかわらず、うつ病患者の増加が認められており、2020年には過去1年間のうつ病患者数が米国人の10人に1人、青年および若年成人では5人に1人にまで増加していることが明らかとなった。結果を踏まえ著者らは、このメンタルヘルスに関する危機的状況に対処するため、エビデンスに基づく予防や介入、多面的な公衆衛生キャンペーンなどの対策が早急に必要であろうと述べている。American Journal of Preventive Medicine誌2022年11月号の報告。