呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:230

進展型小細胞肺がんに対するペムブロリズマブ+化学療法の成績(KEYNOTE-604)/Merck

 Merck社は、2020年1月6日、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)1次治療におけるペムブロリズマブと化学療法併用の第III相KEYNOTE-604試験において、主要評価項目の1つである無増悪生存期間(PFS)を達成したと発表。  同研究では、ペムブロリズマブと化学療法(エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン)併用は、化学療法単独(エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン)と比較して統計的に有意なPFSの改善がもたらした(HR:0.75、95%CI:0.61~0.91)。

電子タバコ関連の肺障害、酢酸ビタミンEが関与か/NEJM

 米国では現在、電子タバコまたはベイピング製品の使用に関連する肺障害(electronic-cigarette, or vaping, product use-associated lung injury:EVALI)が、全国規模で流行している。同国疾病予防管理センター(CDC)のBenjamin C. Blount氏らLung Injury Response Laboratory Working Groupは、EVALIの原因物質について調査し、酢酸ビタミンEが関連している可能性が高いと報告した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年12月20日号に掲載された。2019年12月12日現在、米国の50州とワシントンD.C.、バージン諸島、プエルトリコで、2,400人以上のEVALI罹患者が確認されている。すでに25州とワシントンD.C.で52人が死亡し、罹患者の78%が35歳未満だという。症状は、呼吸器(95%)、全身(85%)、消化器(77%)が多く、数日から数週間をかけて緩徐に進行すると報告されているが、その原因物質は同定されていない。

院外気管挿管時、ロクロニウムvs.スキサメトニウム/JAMA

 院外救急医療の気管挿管時において、ロクロニウムの使用はsuccinylcholine(本邦ではスキサメトニウム)に対し、初回成功率に関して非劣性を示さなかった。フランス・CHU de la Reunion病院のBertrand Guihard氏らが1,248例を対象に行った無作為化試験で明らかにした。ロクロニウムおよびsuccinylcholineは迅速導入気管挿管時にしばしば使用されるが、これら薬剤の救急医療での気管挿管成功に関する有効性の比較について臨床試験による評価はされておらず、またsuccinylcholine使用では、ロクロニウム使用では報告されていない有害事象との関連が示されていた。JAMA誌2019年12月17日号掲載の報告。

中国で原因不明の肺炎59例、厚労省が注意呼び掛け

 中国・湖北省武漢市で、先月中旬から下旬にかけて、原因となる病原体が特定されていない肺炎の発生が複数報告されている。厚生労働省によると、現在までにヒト-ヒト感染は明らかになっておらず、爆発的な広がりが懸念される段階ではないが、引き続き情報収集を進めている。  国立感染症研究所などが今月5日時点でまとめた内容によると、症例数は59例で、臨床徴候と症状は主に発熱。いずれも2019年12月12日~29日に発症したとみられ、このうち7例が重症となっている。感染経路は不明であるが、ヒト-ヒト感染については明らかな証拠がなく、医療従事者における感染例も確認されていない。発生場所の疫学的な特徴としては、海鮮市場と関連した症例が多いとのこと。当該の海鮮市場(華南海鮮城)は、野生動物を販売する区画もあるが、現在は閉鎖中という。

インフルエンザ様疾患にも抗インフル薬が有益か/Lancet

 インフルエンザ様疾患でプライマリケア医を受診し、通常治療に加えオセルタミビルの投与を受けた患者は、通常治療のみの患者に比べ、平均で1日早く回復し、高齢で症状が重く、併存疾患があり症状持続期間が長い患者では回復までの期間が2~3日短縮することが、英国・オックスフォード大学のChristopher C. Butler氏らの調査で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年12月12日号に掲載された。欧州のプライマリケアでは、インフルエンザ様疾患への抗ウイルス薬の処方はまれだという。その主な理由は、プライマリケアの実臨床では抗ウイルス薬の効果はないとの認識があること、また、独立の臨床試験で、とくに利益を得ると予測される患者が特定されていないこととされる。

コントロール不良な気管支喘息へのトリプル合剤吸入療法について(解説:小林英夫氏)-1163

気管支喘息治療の基本が吸入ステロイド薬であることは、標準医療として認知されている。日本では1978年に吸入ステロイド薬としてアルデシンとベコタイドが導入された。その後、吸入ステロイドだけでは良好なコントロールが得られずβ2刺激薬の追加吸入を要する症例に対し、吸入ステロイド+吸入β2刺激薬の2剤合剤であるアドエアが1998年にスウェーデン、2007年に日本で、シムビコートが2000年にスウェーデンで、日本では2010年に発売となった。またシムビコートは2012年にSMART療法(シムビコートを定期吸入と悪化時頓用とする用法、CLEAR!ジャーナル四天王-845「持続型気管支喘息におけるSMART療法について」)の適応も取得した。

FoundationOne CDx、エヌトレクチニブのROS1肺がんコンパニオン診断として承認/中外

 中外製薬は、2019年12月26日、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」に関し、現在承認申請中であるエヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)のROS1融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺癌に対するコンパニオン診断としての使用目的の追加について、厚生労働省より承認を取得したと発表。本プログラムは、ROS1融合遺伝子を検出することにより、ロズリートレクの非小細胞肺がんにおける適応判定を補助する。

ニボルマブ・イピリムマブ併用、非小細胞肺がんに対する国内承認申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2019年12月25日、PD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とCTLA-4モノクローナル抗体イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する両剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。

LOXO-292のRET肺がんに対する有効性(LIBRETTO-001)/日本肺癌学会2019

 RET融合遺伝子陽性がんは全身のさまざまな臓器で見られる。非小細胞肺がん(NSCLC)においても2%を占めるといわれる。RET融合遺伝子陽性がんでは、半数に脳転移があるとの報告もある。従来のマルチキナーゼ阻害薬によるRET融合遺伝子陽性がん治療では、有効性に限度がみられた。selpercatinib(LOXO-292)は、選択性の高いRET阻害薬であり、幅広いがん種への有効性を示すとともに、CNSへの移行性も良好な薬剤である。  LOXO-292の国際第I/II相試験LIBRETTO-001の結果は本年の世界肺癌学会(WCLC2019)で発表された。第60回日本肺癌学会学術集会では、国立がん研究センター東病院の後藤 功一氏がそのアンコール発表を行った。