nintedanib、FDAの特発性肺線維症(IPF)治療適応を取得

提供元:ケアネット

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公開日:2014/10/24

 

 ドイツ ベーリンガーインゲルハイムは10月16日、nintedanibが特発性肺線維症(以下IPF)の治療を適応として、米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表した。

 IPFは重度かつ致死的肺疾患で、診断後の生存期間の中央値は2~3 年。これまでFDAで承認されたIPFに対する治療薬はなかった。

 nintedanibは、肺線維症の発現機序への関与が示唆されている増殖因子受容体である血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)を標的とするチロシンキナーゼ阻害剤。臨床試験において早期疾患患者、蜂巣肺が認められない患者、肺気腫合併患者など、さまざまなIPF患者において呼吸機能の年間減少率を50%抑制し、病勢進行を遅らせることが明らかになっている。また、急性増悪発現のリスクを68%抑制した。FDA から「Breakthrough Therapy」の指定を受けている。

 IPFは慢性かつ進行性の経過をたどり、最終的には死に至る肺線維化疾患だが、現時点で利用できる治療選択肢は限られている。有病率は、世界で14~43人/10万人と推定されている。IPFは時間経過と共に肺組織の瘢痕化によって呼吸機能が損なわれ、日常の身体活動にも支障をきたす。

ベーリンガーインゲルハイムのプレスリリースはこちら

(ケアネット 細田 雅之)