外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:112

胆道がん1次治療、GEM・CDDP・S-1トリプレットの可能性/ESMO2018

 ゲムシタビン+シスプラチン(GC)は、長年にわたり凌駕されることのない、進行胆道がん1次治療の標準治療である。しかし、ASCO-GI2018で発表された、わが国の第II相試験では、ゲムシタビン+S-1のGCに対する非劣性が示された。ミュンヘンでの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)では、GC+S-1(GCS)とGCを比較した第III相KHBO-1082-MITSUBA試験の結果が大阪大学の坂井大介氏により発表された。  KHBO-1401-MITSUBA試験は、GCSのGCに対する優越性を検証する多施設オープンラベル比較試験。  

切除不能TN乳がん1次治療でのアテゾリズマブ+nab-パクリタキセル/NEJM

 未治療の転移を有する/切除不能な局所進行トリプルネガティブ乳がん患者に対し、アテゾリズマブ+アルブミン懸濁型パクリタキセル(nab-パクリタキセル)併用療法は、intention-to-treat(ITT)集団およびPD-L1陽性サブグループのいずれにおいても無増悪生存期間(PFS)を延長することが認められた。有害事象は、各薬剤の既知の安全性プロファイルと一致していた。英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のPeter Schmid氏らが、第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験「IMpassion130試験」の結果を報告した。エストロゲン受容体陰性、プロゲステロン受容体陰性およびHER2陰性のトリプルネガティブ乳がん(TNBC)は予後不良の悪性疾患だが、nab-パクリタキセルはアテゾリズマブの抗腫瘍活性を高める可能性が示されていた。NEJM誌オンライン版2018年10月20日号掲載の報告。

心房細動発症後のがん発症率高い、肺がんは8倍にも

 デンマークの約5万5千人のコホート研究で、心房細動(AF)発症がその後の高いがん発症率に関連し、とくにAF診断後90日以内のがん発症率が高かったことを、デンマーク・Silkeborg Regional HospitalのNicklas Vinter氏らが報告した。Journal of the American Heart Association誌2018年9月4日号に掲載。  本研究は、Danish Diet, Cancer and Health studyにおいてベースライン時にAFおよびがんに罹患していなかった、男性2万6,222人および女性2万8,879人における集団ベースのコホート研究。参加者のAFの発症(Danish National Patient Registry)およびその後のがんの発症(Danish Cancer Registry)を2013年まで追跡した。新規発症したAFを時間依存性曝露としてCox比例ハザードモデルを使用した。

オピオイド治療がん患者の便秘、2週間で5割超(OIC-J)/ESMO2018

 オピオイド誘発性便秘 (OIC)はオピオイド鎮痛治療で頻繁にみられる副作用であるが、その発症頻度を前向きに評価した研究はない。そのような中、オピオイド鎮痛薬治療を行ったがん疼痛患者を対象に、わが国のOICの発症頻度を調査したOIC-J研究が行われ、その結果を群馬県立がんセンターの今井久雄氏らが、ドイツ・ミュンヘンにおける欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で発表した。  OIC-J研究は、多施設共同前向き観察研究。対象は、強オピオイド鎮痛薬治療を受けた20歳以上のがん疼痛患者(登録前の7日間に3回以上の排便あり)である。オピオイド鎮痛薬治療開始時から14日間の登録患者の排便習慣を記録し、OIC発症割合を調査した。主要評価項目はROME IV診断基準によるOIC発症割合。副次評価項目は、Bowel Function Index (BFI、スコア>28.8)、自発的排便回数([spontaneous bowel movement、以下SBM]、<3/週)、および医師診断によるOIC発症割合である。観察期間中の便秘治療は許容されている。

進行乳がんへのパルボシクリブ+フルベストラント、OSの結果/NEJM

 ホルモン受容体陽性、HER2陰性の進行乳がんで、内分泌療法に感受性の認められた患者に対し、CDK4/6阻害薬パルボシクリブ+フルベストラント投与は、フルベストラント投与のみに比べ、全生存期間(OS)を延長することが示された。ただし、群間の有意差は示されなかった。英国・Institute of Cancer ResearchのNicholas C. Turner氏らが、521例を対象に行った第III相無作為化比較試験の結果で、NEJM誌オンライン版2018年10月20日号で発表された。今回の報告は、同試験の事前規定の副次評価項目OSについての解析結果で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は延長したことがすでに報告されている(palbociclib、内分泌療法後に進行した乳がんのPFS延長/NEJM)。

非心臓手術後の心房細動患者の血栓塞栓症リスクは?【Dr.河田pick up】

 循環器内科医は非心臓手術後に生じた心房細動に関するコンサルトを受けることが多い。心房細動は術後のストレスで生じただけなのか、また、術後ということもあり、抗凝固薬を継続すべきなのかの判断が難しいことが多い。今回は、非心臓手術後に発症した心房細動患者における血栓塞栓症リスクについてデンマークのグループが評価した論文を紹介したい。  非心臓手術後に発症した心房細動に対する長期の血栓塞栓症リスクはよくわかっておらず、脳梗塞の予防に関しての十分なデータがない。コペンハーゲン大学病院のJawad H. Butt氏らは、非心臓手術後に新たに発症・診断された心房細動患者における血栓塞栓症リスクを、非外科手術、非弁膜性心房細動患者と比較した。Journal of American College of Cardiology誌オンライン版2018年10月23日号に掲載の報告。

デュルバルマブ、CCRT維持療法のサブグループ解析(PACIFIC)/ESMO2018

 PACIFIC試験はStageIII切除不能非小細胞肺がん(NSCLC)におけるCCRT治療においてOSとPFS双方を改善した。このPACIFIC試験の探索的解析が、ドイツ・ミュンヘンでの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)において、発表された。 ・対象:化学放射線同時併用療法(CCRT)後に進行していない切除不能StageIII NSCLC患者 ・試験薬:デュルバルマブ10mg/kg、2週ごと12ヵ月 ・対照薬:プラセボ、2週ごと12ヵ月 ・評価項目:[主要評価項目]盲検独立中央評価委員会判定によるPFS、OS [副次評価項目]死亡または遠隔転移までの時間、2回目の進行までの時間、安全性などCCRTの1~42日後に、被験者はデュルバルマブとプラセボに2対1に無作為に割り付けられた。

エルロチニブによるNSCLCネオアジュバントの有効性(CTONG-1103)/ESMO2018

 EGFR-TKIゲフィチニブによるEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法は、ADJVANT試験において、PFSの有意な延長が報告された。CTONG-1103試験は、のStageIII-N2 EGFR変異陽性NSCLCの術前補助療法において、エルロチニブ単剤とゲムシタビン+シスプラチン(GC)を比較したオープンラベル無作為化比較第II相試験である。ドイツ・ミュンヘンでの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)において、その結果が発表された。

手術室を滅菌空間から単体医療機器に「スマート治療室」/脳神経外科学会

 手術室では、手術に関わる人間が医療機器や設備からの膨大な情報を、限られた時間で判断しながら、治療を行っている。そうした治療現場においてIoTを活用して医療機器や設備を接続し、手術や患者の状況と共に時系列に統合し、それを手術室内外で共有することで、治療の効率と安全性を向上させる「スマート治療室」の開発が、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)主体で進められている。このスマート治療室は「SCOT(Smart cyber operating theater)」と名付けられ、東京女子医科大学を中心に、5大学11企業による産学連携のプロジェクトとして進められている。

PI3K阻害薬alpelisib、HR+/HER2-進行乳がんでPFS約2倍(SOLAR-1)/ESMO2018

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)進行乳がんにおいて、α特異的PI3K阻害薬alpelisibとフルベストラントの併用療法が、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善した。HR+/HER2-乳がん患者の約40%がPIK3CA遺伝子変異を有する。日本も参加している第III相SOLAR-1試験の結果に基づき、フランス・パリ第11大学のFabrice André氏がドイツ・ミュンヘンにおける欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で報告した。SOLAR-1試験では、閉経後女性および男性の、HR+/HER2-進行乳がん患者(ECOG PS≦1、1ライン以上のホルモン療法歴あり、進行後の化学療法歴はなし)を対象に、PIK3CA遺伝子変異陽性もしくは陰性コホートでそれぞれ、alpelisib併用群(alpelisib 300mg/日+28日を1サイクルとして、フルベストラント500mgを1サイクル目の1日目と15日目、以降1日目に投与)とプラセボ群(プラセボ+28日を1サイクルとして、フルベストラント500mgを1サイクル目の1日目と15日目、以降1日目に投与)に1:1の割合で無作為に割り付けた。