外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:159

上部早期胃がんに対する最適な術式を検討:日本での多施設後ろ向き研究

 上部早期胃がん治療における手術にはさまざまな術式がある。大阪大学消化器外科の益澤 徹氏(現大阪警察病院)らは、上部早期胃がん203例における記録から、胃全摘術後Roux-en-Y型食道空腸吻合術(TG-RY)、噴門側胃切除術後食道胃吻合術(PG-EG)、噴門側胃切除術後空腸間置術(PG-JI)の3つの術式を比較し、最適な術式を検討した。World Journal of Surgery誌オンライン版2013年12月6日号に掲載。

大豆は乳がんの発症・再発リスクを低下させるか

 大豆やアカツメクサ(red clover)のイソフラボンについて、そのエストロゲン活性と乳がんへの効果について議論されている。カナダ自然医療医学大学のHeidi Fritz氏らは、大豆とアカツメクサにおける、乳がん女性の更年期症状の改善効果と、乳がん発症または再発のリスクにおける影響に関する体系的レビューを行った。その結果、大豆摂取が乳がん発症率・再発率・死亡率の低下と関連する可能性や、ヒトにおいては大豆がエストロゲン作用を持たないことが示唆された。PLoS One誌2013年11月28日号に掲載。

消化管手術の創合併症発症率は真皮縫合とステープラーで同等である(コメンテーター:中澤 達 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(156)より-

 ステープラーによる皮膚縫合は消化器外科での開腹手術後に広く行われている反面、もう一つの手段である真皮縫合の潜在的な利点については評価されていない。本研究はオープンラベル多施設ランダム化比較試験として、24施設が参加して行われた。適応基準は、20歳以上、臓器機能異常なし、上部消化管または下部消化管の開腹外科手術を施行された患者。手術前に真皮縫合とステープラー群に1:1で割り付けられた。

深夜~早朝に執刀後、同日に腹腔鏡下胆摘術を施行したときの合併症リスク/JAMA

 日中の待機的腹腔鏡下胆嚢摘出術について、施術外科医が前の晩の深夜から早朝にかけて執刀を行っていた場合と、深夜以降に執刀していなかった場合とを比べた結果、開腹胆嚢摘除への転換や医原性損傷といった合併症リスクは増大しなかったことが報告された。カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のChristopher Vinden氏らが、待機的腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った2,000例超の患者と、そのマッチング群について行った住民ベースの後ろ向きコホート試験の結果、明らかにした。患者アウトカムへの執刀医の睡眠不足の影響については明確にはなっていないという。JAMA誌2013年11月6日号掲載の報告より。

StageIV大腸がんにおける原発巣切除は生存期間を延長-大規模コホート研究より

 StageIV大腸がん患者における原発巣切除のベネフィットに関して、現在報告されているエビデンスはきわめて質が低いものである。非ランダム化研究で原発巣切除のベネフィットが報告された場合、若年者で全身状態(PS)良好な患者を選択している可能性もある。カナダのShahid Ahmed氏らは、大規模な人口ベースのコホート研究において、進行大腸がんの原発巣切除による延命効果について、これまで報告されているバイアスを排除したうえで検討した。その結果、年齢、PS、合併症、化学療法などの予後変数に関係なく、原発巣切除がStageIV大腸がん患者の生存期間を延長することが示された。Cancer誌オンライン版2013年11月12日号に掲載。

マンモグラフィで健康女性の死亡リスクを予測できる!?

 乳腺が高密度な組織(dense)は乳がんの危険因子である。一方、乳がんリスクの評価以外での、マンモグラフィ画像の予後予測的な価値はほとんど知られていない。米国・国立加齢研究所のRachel A Murphy氏らは、乳がんではない女性において、dense領域・非dense領域・全乳房領域・%dense(乳房中のdense領域の割合)について、全死因死亡リスクとの関連を前向きに検討した。その結果、dense領域や%denseが大きいことが死亡率低下に関連することを報告した。PLoS One誌2013年10月25日号に掲載。

進行膵がんのnab-PTX+GEM療法、新たな標準治療のエビデンス/NEJM

 局所進行・転移性膵腺がんの1次治療において、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(ナブパクリタキセル、nab-PTX)+ゲムシタビン(GEM)併用療法は、GEM単独療法に比べ高い有効性をもたらすことが、米国・Translational Genomics Research InstituteのDaniel D. Von Hoff氏らの検討で示された。GEMは、1997年以降、切除不能な局所進行・転移性膵がんの1次治療の標準治療とされている。この間に、多くの薬剤が第2相試験で有望な結果を示したが、第3相試験で生存期間の有意な改善効果を達成したのはGEM+エルロチニブと、オキサリプラチン+イリノテカン+フルオロウラシル+ロイコボリン(FOLFIRINOX)だけであった。nab-PTX+GEM併用療法は、第1/2相試験で転移性膵がんに対する実質的な臨床効果が確認されていた。NEJM誌オンライン版2013年10月16日号掲載の報告。

膵がん完全切除患者へのゲムシタビン、無病生存期間2倍に延長/JAMA

 膵がん完全切除患者へのゲムシタビン(商品名:ジェムザールほか)による補助化学療法は、無病生存期間を2倍延長する可能性があることが示された。5年生存率、10年生存率も、補助化学療法により改善が示された。ドイツ・シャリテ大学病院のHelmut Oettle氏らが行った、膵がん完全切除患者に対するゲムシタビンの有効性と安全性に関する第3相治験「CONKO-001」の結果で、JAMA誌2013年10月9日号で発表された。ゲムシタビンは、進行性膵がんの標準治療であるが、補助療法としての生存への効果はこれまで明らかにされていなかった。

ICUの耐性菌感染率、手袋とガウン常用を義務づけても低下せず/JAMA

 ICUにおいて、患者と接する際には常に手袋とガウンを着用することを義務づけても、処置や手術時に着用する通常ケアの場合と比べて、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の感染率について有意な差は認められなかったことが、米国・メリーランド大学のAnthony D. Harris氏らによる無作為化試験の結果、報告された。これまでICUでのユニバーサルな対応が耐性菌の感染を抑制するかどうかは不明であったという。JAMA誌2013年10月16日号掲載の報告より。