外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:40

第5回AYAがんの医療と支援のあり方研究会学術集会の開催について【ご案内】

 一般社団法人AYAがんの医療と支援のあり方研究会は、5月13~14日に『第5回 AYAがんの医療と支援のあり方研究会学術集会』を開催する。今回は、「Co-Creation ―対話からはじめる共創―」とし、長期的健康管理や身体活動性の維持、新規就労など社会とのつながりにおける課題、AYA世代と家族、終末期医療などAYA世代のがん医療を取り巻く多様な課題について取り上げる。大会長の渡邊 知映氏(昭和大学 保健医療学部)は、「この学術集会を通して、当事者と家族・医療者・支援者それぞれが向き合いながら、ときには立場を超えた対話をすることに挑戦したい」としている。  本研究会は、思春期・若年成人(Adolescent and Young Adult,:AYA)のがん領域の学術活動、教育活動、社会啓発および人材育成などを行うことにより、わが国の思春期・若年成人がん領域における医療と支援の向上に寄与することを目的としている。

胃がん患者向けGLが19年ぶり改訂、2023年3月発表のエビデンスも反映

 2023年3月に「患者さんのための胃がん治療ガイドライン 2023年版」が発刊された。2004年版以来、19年ぶりの改訂となる。そこで、金原出版は2023年3月31日に、本ガイドラインの作成委員長を務めた寺島 雅典氏(静岡県立静岡がんセンター胃外科/副院長)を講師に迎え「胃がんの標準治療の今-開発の歴史と今後確立が予想されるエビデンス」をテーマにセミナーを開催した。  胃がんについては、2004年版を最後に患者さん向けのガイドラインが作成されていなかった。しかし、寺島氏は「患者さんがインターネットなどで目にする情報には不適切なものが多く、正しい情報にたどりつけない方も多い」と言う。

医師の働き方改革、いまだ2割強が基準超の時間外勤務/医師1,000人アンケート

 2024年4月から勤務医の時間外労働の上限が原則960時間となる、いわゆる「医師の働き方改革」がスタートするのを踏まえ、会員の勤務医1,000人を対象に働き方改革の制度の理解度、期待と不安、勤務先の対応策などについて聞くアンケートを実施した(2023年3月9日実施)。  直近1年間の勤務時間について、1日8時間・週40時間(=5日)勤務を基準とした場合の「当直を含む時間外労働時間の合計」を聞いたところ、「月45時間未満・年360時間以下(≒週7時間)」が42%、「月100時間未満・年960時間以下(≒週20時間)」が36%、「月100時間未満・年1,860時間以下(≒週40時間)」が13%、「週40時間を超える」が9%という結果となった。

肺がん・上部消化器がん、オランザピンが食欲・体重を改善/JCO

 食欲減退は進行がん患者の30~80%にみられ、化学療法により悪化することがある。そこで、インド・Jawaharlal Institute of Postgraduate Medical Education and ResearchのLakshmi Sandhya氏らは、がん患者の化学療法に伴う消化器症状の改善に用いられるオランザピンについて、食欲亢進・体重増加効果を検討した。肺がん患者、上部消化器がん患者に対して、化学療法中に低用量のオランザピンを毎日投与することで、食欲亢進および体重増加が認められた。本研究結果は、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2023年3月28日号に掲載された。

乳がんの予後に糖尿病が影響

 糖尿病の女性は乳がん発症リスクが高いことが知られているが、乳がんの予後にも糖尿病の影響が及ぶ可能性を示唆する研究結果が報告された。糖尿病がある場合、無遠隔転移生存期間や全生存期間が有意に短いという。順天堂大学大学院医学研究科乳腺腫瘍学の戸邉綾貴子氏、堀本義哉氏らの研究によるもので、詳細は「Breast Care」10月発行号に掲載された。  糖尿病は多くのがんの発症リスクの高さと関連のあることが報告されており、そのメカニズムとして、インスリン抵抗性による高インスリン血症が、がんの発生を促すように働くことが想定されている。乳がんも糖尿病によって発症率が高くなるがんの一つ。ただ、乳がんの予後が糖尿病の有無によって異なるのか否かは明確になっていないことから、戸邉氏らはこの点を後方視的コホート研究により検討した。

ピロリ菌感染、がん治療には良い影響か~大幸研究

 Helicobacter pylori(HP)感染は胃がんの原因と考えられているが、逆にHP陽性の進行胃がん患者の生存率がHP陰性患者よりも高いことがさまざまな国の研究で報告されている。また以前の研究から、HP感染により潜在的な抗腫瘍免疫が維持されることにより、生存期間が延長する可能性が示唆されている。今回、岩手医科大学医歯薬総合研究所の西塚 哲氏らが大幸研究コホートの前向き研究で、すべてのがんの発生率および死亡率を検討した結果、HP陽性者の全がん発生率は陰性者より有意に高かったが、全がん死亡率は同等だった。著者らは、HP感染によるがん診断後の死亡リスク低下の可能性を考察している。PLOS Global Public Health誌2023年2月8日号に掲載。

初回化学療法反応後の維持療法としてのCDK4/6阻害薬の有用性/日本臨床腫瘍学会

 切除不能または転移のある乳がん患者(MBC)患者に対する初回化学療法反応後の維持療法としての内分泌療法とCDK4/6阻害薬の併用療法が、有望な有効性と管理可能な安全性プロファイルを示したことを、大阪国際がんセンターの藤澤 文絵氏が第20回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2023)で発表した。  MBC乳がんに対するベバシズマブ+パクリタキセル導入化学療法後の維持療法として、内分泌療法(+カペシタビンあるいはベバシズマブ併用)の有用性が国内多施設無作為化第II相試験(KBCSG-TR12141)、BOOSTER試験2))で報告されている。しかし、内分泌療法+CDK4/6阻害薬併用維持療法の有効性と安全性に関するデータは十分ではない。そこで、藤澤氏らはMBC患者における初回化学療法反応後の維持療法としての内分泌療法+CDK4/6阻害薬の安全性と有効性を調査した。

アナモレリン投与、日本人5,000例のリアルワールドデータ/日本臨床腫瘍学会

 グレリン様作用薬アナモレリン(商品名:エドルミズ)は、2021年1月に非小細胞肺がん(NSCLC)、胃がん、膵臓がん、大腸がんに伴う悪液質治療として国内で保険承認された。2023年3月16~18日に開催された第20回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2023)において、室 圭氏 (愛知県がんセンター 副院長/薬物療法部長)が国内の患者約5,000例を対象とした市販後全例調査(PMS)の中間解析結果を発表した。

m-FOLFOXIRI+セツキシマブ、RAS/BRAF野生型+左側原発大腸がんに有用/日本臨床腫瘍学会

 DEEPER試験は未治療の切除不能転移RAS野生型大腸がんの患者を対象に、m-FOLFOXIRI+セツキシマブの有効性と安全性をm-FOLFOXIRI+ベバシズマブと比較して検証することを目的とした無作為化第II相試験である。すでにセツキシマブ群が主要評価項目であるDpR(最大腫瘍縮小率)を有意に改善したことが報告されている。2023年3月16~18日に開催された第20回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2023)のPresidential Session 4(消化器)で、本試験における最終登録から3年後の解析結果を、辻 晃仁氏(香川大学 医学部臨床腫瘍学講座)が発表した。

新しい乳がん画像診断技術は標準的なマンモグラフィよりも有用な可能性

 トモシンセシスと呼ばれる新しい画像診断技術を乳がんのスクリーニング検査(乳がん検診)に利用することで、より多くの乳がんを発見でき、また、要精検率が低く、精密検査での陽性的中率は高いことが、米ペンシルベニア大学病院乳房画像診断部門のEmily Conant氏らが実施した大規模研究で示された。Conant氏は、「トモシンセシスは標準医療となりつつあり、通常は保険が適用される。トモシンセシスの装置がある医療機関を探してみてほしい」と呼びかけている。この研究結果は、「Radiology」に3月14日掲載された。