外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:50

4つの症状に要注意!50歳未満の大腸がんの初期症状

 近年、50歳未満で発症する大腸がん(早期発症大腸がん)が世界的に急増している。また、早期発症大腸がんは診断が遅れることが多く、診断時には進行していることも多い。そこで、米国・ワシントン大学セントルイス校のCassandra D. L. Fritz氏らは、ケースコントロール研究を実施し、早期発症大腸がんに関連する徴候・症状を検討した。その結果、直腸出血、鉄欠乏性貧血、下痢、腹痛を早期に発見することで、早期発症大腸がんの早期発見と適時診断につながる可能性が示された。本研究結果は、Journal of the National Cancer Institute誌オンライン版2023年5月4日号で報告された。

進行TN乳がんへのペムブロリズマブ+化療、臨床的有用性が得られ化療中止した例やimAE発現例でも有効(KEYNOTE-355)/ESMO BREAST 2023

 手術不能な局所再発または転移・再発トリプルネガティブ(TN)乳がんの1次治療においてペムブロリズマブ+化学療法をプラセボ+化学療法と比較した第III相KEYNOTE-355試験の探索的解析の結果、ペムブロリズマブ+化学療法により臨床的有用性が得られた患者でペムブロリズマブの最終投与前に化学療法を中止した患者、また免疫介在性有害事象(imAE)発現患者において、CPSにかかわらず、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)が改善したことが示された。米国・UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer Center のHope S. Rugo氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2023、5月11~13日)で報告した。

乳がん術後妊娠希望で内分泌療法を一時中断、再発リスクは?/NEJM

 ホルモン受容体陽性の早期乳がん既往患者(42歳以下等の条件あり)において、妊娠を試みるための内分泌療法の一時的な中断は、乳がんイベントの短期リスクを増大しなかったことを、米国・ダナファーバーがん研究所のAnn H. Partridge氏らが報告した。これまで乳がん後に妊娠を試みるために内分泌療法を一時中断した女性の、再発リスクに関する前向きデータは不足していた。今回の結果を踏まえて著者は、「長期安全性の情報を確認するために、さらなる追跡調査が必要である」とまとめている。NEJM誌2023年5月4日号掲載の報告。

術後せん妄予防にメラトニン投与が有望~メタ解析

 術後せん妄は、死亡率に影響を及ぼす問題である。その多くは予防可能であり、予防薬としてメラトニン投与が有望であるといわれている。英国・Bristol Royal InfirmaryのJonathan Barnes氏らは、術後せん妄の予防におけるメラトニンの有効性に関する最新のエビデンスのシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、メラトニンは、成人の術後せん妄発生率を低下させる可能性が示唆された。BMJ Open誌2023年3月29日号の報告。

AI耐性HR+進行乳がんへのcapivasertib上乗せによるPFS改善、サブグループ解析結果(CAPItello-291)/ESMO BREAST 2023

 アロマターゼ阻害薬(AI)耐性のホルモン受容体陽性(HR+)HER2陰性(HER2-)進行乳がん(切除不能の局所進行乳がんもしくは転移・再発乳がん)に対するフルベストラントへのAKT阻害薬capivasertibの上乗せ効果を検討した第III相CAPItello-291試験。その探索的サブグループ解析の結果、CDK4/6阻害薬治療歴、進行がんへの化学療法歴、肝転移の有無にかかわらず、PFSの改善が示された。英国・The Royal Marsden Hospital-ChelseaのNicholas Turner氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2023、5月11~13日)で報告した。

採血時間が入院患者の睡眠不足に影響か

 早朝の採血は入院患者の睡眠に有害な影響を与えるが、それは依然として一般的な医療行為として行われている。そこで米国・イェール・ニューヘブン病院のCesar Caraballo氏らは、早朝採血の実施割合を調査したところ、午前4:00~6:59までの時間帯に最も行われ、採血の10分の4近くを占めていたことが明らかになった。ただし、本研究の終盤には採血時間がわずかだが遅くなっていた。JAMA誌オンライン版2023年1月17日号のリサーチレターでの報告。

大量輸血の外傷患者、4F-PCCの有効性認められず/JAMA

 大量輸血のリスクがある外傷患者において、高比率輸血戦略に4因子含有プロトロンビン複合体濃縮製剤(4F-PCC)を追加しても24時間の血液製剤消費量の有意な減少は認められず、血栓塞栓イベントの発生が有意に増加した。フランス・グルノーブル・アルプ大学のPierre Bouzat氏らが「PROCOAG試験」の結果を報告した。外傷性出血における最適な輸血戦略は不明である。最近の観察研究では、4F-PCCの早期投与と新鮮凍結血漿(FFP)の併用により、血栓塞栓イベントが増加することなく血液製剤の消費量と死亡率が低下することが示されていた。今回の試験を受けて著者は、「大量輸血のリスクを有する患者における4F-PCCの使用は支持されない」とまとめている。JAMA誌2023年4月25日号掲載の報告。

閉経後HR+乳がんの術後アナストロゾール、10年vs.5年(AERAS)/JCO

 閉経後ホルモン受容体(HR)陽性乳がん患者に対する術後のアロマターゼ阻害薬の投与期間について、5年から10年に延長すると無病生存(DFS)率が改善することが、日本の多施設共同無作為化非盲検第III相試験(N-SAS BC 05/AERAS)で示された。岩瀬 拓士氏(日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院)らによる論文が、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2023年4月20日号に掲載された。

スタチンでアジア人乳がん患者のがん死亡リスク低下

 スタチン製剤を服用しているアジア人の乳がん患者では、スタチンを服用していない乳がん患者と比べて、がん関連の死亡リスクが有意に低かったことを、台湾・国立成功大学のWei-Ting Chang氏らが明らかにした。なお、心血管疾患による死亡リスクには有意差はなかった。JAMA Network Open誌4月21日号掲載の報告。  スタチンは化学療法と併用することで、がんの進行や微小転移を抑制することが報告されていて、乳がんの再発リスクを低減させる可能性が示唆されている。しかし、欧米の乳がん患者とは異なり、アジアの乳がん患者は診断時の年齢が比較的若く、ほとんどが心血管リスク因子を有していないため、スタチンの服用によって生存率が改善するかどうかは不明である。そこで研究グループは、アジア人の乳がん患者において、スタチン使用とがんおよび心血管疾患による死亡リスクとの関連を後方視的に調査した。

若年乳がん患者、出産は予後に影響するのか~日本の傾向スコアマッチング研究

 若年乳がん患者の出産に関するこれまでの研究は潜在的なバイアスがあり不明な点が多い。今回、聖路加国際病院の越智 友洋氏らが傾向スコアマッチングを用いて、乳がん診断後の出産が予後に及ぼす影響を検討した結果、出産により再発や死亡リスクは増加しないことが示唆された。Breast Cancer誌2023年5月号に掲載。  本研究は、単施設での後ろ向きコホート研究で、2005~14年に乳がんと診断された45歳以下の患者を対象とし、診断後に出産した患者(出産コホート)104例と出産していない患者(非出産コホート)2,250例で無再発生存率(RFS)および全生存率(OS)を比較した。傾向スコアモデルの共変量は、年齢、腫瘍の大きさ、リンパ節転移の有無、乳がん診断前の分娩回数、エストロゲン受容体およびHER2の発現状態とした。