2型糖尿病では診断時に肥満な人ほど死亡率が低いのは本当か?/NEJM 2型糖尿病診断時のBMIと全死因死亡リスクにはJ字型の関係がみられ、標準体重の患者が最もリスクが低いことが、米国ハーバード公衆衛生大学院のDeirdre K Tobias氏らの検討で確認された。2型糖尿病患者における体重と死亡の関連は未解決の問題である。標準体重に比べ過体重や肥満の患者のほうが死亡率が低いことを示唆する報告があり、肥満パラドックス(obesity paradox)と呼ばれている。NEJM誌2014年1月16日号掲載の報告。
高血糖でも血管合併症リスクが低い遺伝的素因が明らかに/JAMA 高血糖であっても、グルコキナーゼ(GCK)遺伝子変異のある人は、微小血管性または大血管性合併症の罹患率は低いことが示された。英国・エクセター大学のAnna M. Steele氏らが横断研究を行い、明らかにした。糖尿病の血糖目標値は、合併症リスクを最小限とするために開発されたものだが、GCK遺伝子変異のある人は、出生時から軽度の空腹時高血糖を呈し、その値は1型および2型糖尿病での治療推奨値とほぼ同値であることが知られていた。JAMA誌2014年1月15日号掲載の報告より。
患者に「歩け、歩け運動」を勧める具体的なエビデンス(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(169)より- 糖尿病や耐糖能障害例では運動療法が推奨されているが、本研究は「運動療法が心血管イベントを減少させる」というエビデンスを世界規模のコホート研究で実証した点で価値がある。NAVIGATOR試験は、高リスクの耐糖能障害例において、1)インスリン分泌促進薬であるメチグリニド系血糖降下薬ナテグリニド と、2)ARBバルサンタン が各々心血管イベントを抑制するか否かを検討した2×2の介入試験である、いずれの薬物も心血管合併症を抑制するという結果をもたらさなかった。
脂肪肝は糖尿病有病率を高める: 鹿児島厚生連病院 脂肪肝は、近年の糖尿病有病率の増加に大きく関わっているかもしれない。本邦における20年間の健康診断データから、脂肪肝が糖尿病発症の独立した予測因子となることが明らかになった。
歯周炎治療によってHbA1cは改善するか/JAMA 慢性歯周炎を有する2型糖尿病患者について、慢性歯周炎の非外科的治療を行っても、HbA1c値の改善は認められないことが、米国・ニューヨーク大学歯学部のSteven P. Engebretson氏らが、患者500例超について行った無作為化比較試験の結果、明らかにされた。慢性歯周炎は糖尿病患者において広く認められる。これまで限定的ではあるが、歯周炎を治療することで血糖コントロールが改善する可能性があることが示唆されていた。JAMA誌2013年12月18日号掲載の報告より。
糖尿病は前立腺がんの死亡リスクを2割以上増加させる 2型糖尿病が前立腺がんによる死亡と全死因死亡のリスク増加に関連していることが、カナダ・ジューイッシュ総合病院のLeah Bensimon氏らの大規模コホート研究で示唆された。著者らは、さらに「高インスリン血症などの糖尿病関連の代謝障害が、がんの悪性度と関連しているかもしれない」としている。Cancer causes & control誌オンライン版2014年1月3日号に掲載。
歩数を2,000歩/日増加させれば心血管リスク8%低下/Lancet 耐糖能異常がある人は歩行活動を増すことにより、心血管リスクが低下することが、9,000例超を対象に行った前向きコホート試験の結果、明らかになった。ベースライン時の歩数が1日2,000歩増加することで、心血管イベントリスクは約1割減少するという。英国・レスター大学のThomas Yates氏らが行った「NAVIGATOR」試験からの報告で、Lancet誌オンライン版2013年12月19日号で発表された。
耐糖能異常の妊婦、拡張能低下にも注意が必要 耐糖能異常の妊婦は、拡張能の低下にも注意すべきかもしれない。耐糖能異常の妊婦はインスリン抵抗性増大に伴う無症候性の拡張能低下が認められることが明らかになった。