血液内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:43

腰椎穿刺後の合併症リスク、非外傷性針 vs.従来針/Lancet

 腰椎穿刺を非外傷性針で受けた患者は、従来針で受けた患者と比べて、穿刺後の頭痛の発生率が低く、追加治療のための入院の必要性が少なく、有効性については同等であるとの結果が、カナダ・マックマスター大学のSiddharth Nath氏らによるシステマティックレビューとメタ解析で示された。非外傷性針は、腰椎穿刺後の合併症低減のために提案されたが、依然として臨床での採用は低調なままであるとの調査結果が示されている。Lancet誌オンライン版2017年12月6日号で発表された。

造血幹細胞移植後のCMV感染症予防にletermovirは有効か/NEJM

 造血幹細胞移植レシピエントに対する、移植後の抗サイトメガロウイルス(CMV)薬letermovirの予防投与は、プラセボと比較してCMV感染症リスクを有意に減少することが示された。有害事象の発現はプラセボと同程度で、大半が軽度だった。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のFrancisco M. Marty氏らが、565例を対象に行った第III相の無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で、NEJM誌オンライン版2017年12月6日号で発表した。同種造血幹細胞移植後のCMV感染症は、頻度が高い合併症のままで、letermovirは、CMVテルミナーゼ複合体を阻害する抗ウイルス薬として開発された。

入院前、受傷早期の輸血が負傷兵を救う/JAMA

 入院前または受傷後早期の輸血は負傷兵の生存を改善することが、戦闘に参加し医療搬送(MEDEVAC)で救出された米兵を対象とした検討で示された。米国・Defense Center of Excellence for TraumaのStacy A. Shackelford氏らが、JAMA誌2017年10月24日号で報告した。外傷治療における病院到着前の血液製剤輸注は、エビデンスの質が低く、医療費の問題があるため議論が続いている。2012年以降、米軍のMEDEVAC班の輸血技能が継続的に発展し、初回輸血のタイミングや場所に重点を置いたコホート研究が可能になったという。

治療の幅が拡大した再生不良性貧血

 2017年10月16日、ノバルティス ファーマ株式会社は、同社のエルトロンボパグ オラミン(商品名:レボレード)およびシクロスポリン(同:ネオーラル)が、2017年8月25日に再生不良性貧血へ適応が拡大されたことから、「再生不良性貧血のメディカルニーズに対応する“輸血フリー”実現に向けた最新治療戦略 ~9年ぶりの治療選択肢の登場で変わる新たな薬物療法~」をテーマに、都内においてメディアセミナーを開催した。

妊娠歴有の女性から男性への輸血は死亡リスクが高い?/JAMA

 赤血球輸血を受けた患者において、妊娠歴がある女性ドナーからの輸血は男性ドナーからの輸血と比べ、男性レシピエントでは全死因死亡率の上昇との関連がみられ、女性レシピエントでは同様の関連は確認されなかった。また、妊娠歴のない女性ドナーからの輸血は、男女ともにレシピエントの死亡率上昇とは関連しなかった。オランダ・Sanquin ResearchのCamila Caram-Deelder氏らが、初回輸血レシピエントを対象にした後ろ向きコホート研究の結果を報告した。これまで、女性ドナーからの赤血球輸血は、男性ドナーと比較してレシピエントの死亡率が高いことが観察されていたが、ドナーの妊娠歴が関与するかは不明であった。JAMA誌2017年10月17日号掲載の報告。

濾胞性リンパ腫治療、新規抗体薬vsリツキシマブ/NEJM

 濾胞性リンパ腫の1次治療において、obinutuzumabをベースとする免疫化学療法と維持療法は、リツキシマブをベースとする同様の治療に比べ、無増悪生存(PFS)期間を有意に延長することが、英国・キングス・カレッジ病院のRobert Marcus氏らが行ったGALLIUM試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年10月5日号に掲載された。抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブと化学療法の併用は、新規に診断された濾胞性リンパ腫の転帰を改善し、導入療法後のリツキシマブによる維持療法は良好なPFSおよび全生存(OS)をもたらすが、最終的に多くの患者が再発する。obinutuzumabは糖鎖改変型タイプII抗CD20モノクローナル抗体であり、補体依存性細胞傷害活性はリツキシマブよりも低いが、抗体依存性の細胞傷害活性や食作用活性が高く、直接的なB細胞の除去作用が強いことが示されている。