内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:292

食習慣と若年性認知症発症リスク~イタリアでの調査

 若年性認知症のリスクは、環境要因や食生活を含むライフスタイルによって変化する可能性がある。イタリア・モデナ・レッジョ・エミリア大学のTommaso Filippini氏らは、食生活と若年性認知症リスクとの関連を調査した。Nutrients誌2020年11月29日号の報告。  イタリア北部のモデナの新規若年性認知症患者54例および対照群として介護者54人を対象とした。食事の頻度に関する質問票により食生活を調査し、食物摂取と食事パターンのアドヒアランスについて評価を行った。食事の要因とリスクとの関係をモデル化するため、制限3次スプライン回帰分析を用いた。

Moderna社mRNAワクチン、3万例超で94.1%の有効性/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する、Modernaのワクチン「mRNA-1273」の有効性(重症化を含む発症の予防効果)は94.1%に上ることが、3万例超を対象にした第III相無作為化プラセボ対照試験で明らかになった。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のLindsey R. Baden氏らが報告した。安全性に対する懸念は、一過性の局所および全身性の反応以外に認められなかったという。mRNA-1273ワクチンは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の膜融合前安定化スパイクタンパク質をコードする脂質ナノ粒子カプセル化mRNAベースのワクチンで、2020年12月に米国では緊急使用の承認が発表されている。NEJM誌オンライン版2020年12月30日号掲載の報告。

片頭痛や激しい頭痛の有病率~米国での調査

 片頭痛や激しい頭痛による負荷に関して最新かつ正確に推定することは、働く人のニーズや健康資源を考える際のエビデンスに基づく意思決定において重要となる。米国・ハーバード大学医学大学院のRebecca Burch氏らは、米国政府の健康調査データを用いて、片頭痛や激しい頭痛の有病率、傾向および年齢、性別、経済状態による影響について調査を行った。Headache誌オンライン版2020年12月21日号の報告。  公開されている最新の統計情報をNational Hospital Ambulatory Medical Care Survey、National Ambulatory Medical Care Survey、National Health Interview Surveyより特定した。

COVID-19外来患者、中和抗体カクテルでウイルス量低減/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の中和抗体カクテル「REGN-COV2」は、ウイルス量を低減する効果があることが示された。免疫反応が起きる前の患者、あるいはベースラインのウイルス量が高い患者でより大きな効果が認められ、安全性アウトカムは、REGN-COV2投与群とプラセボ投与群で類似していたという。米国・Regeneron PharmaceuticalsのDavid M. Weinreich氏らが、COVID-19外来患者を対象とした進行中の第I~III相臨床試験の中間解析の結果を報告した。NEJM誌オンライン版2020年12月17日号掲載の報告。

「ω-3多価不飽和脂肪酸、ビタミンD、筋力トレーニング運動による治療は効かない」ってほんと?(解説:島田俊夫氏)-1341

ω-3多価不飽和脂肪酸の中でもEPA、DHAが、心脳血管障害、がんの予防に効果があるか否かについては、議論の多いところである。しかしながら、ちまたではこれらのサプリメントへの嗜好が強くなっている。さらにビタミンDに関しても実臨床の中で、すでに骨粗鬆症の治療にあまねく使用されている。また、筋力トレーニングの運動プログラムは健康改善に寄与するとの考えが生活の中に定着している。

SGLT2阻害薬の適正使用に関する Recommendationを改訂/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、2014年に策定された「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」を改訂し、2020年12月25日に第6版を公表した。  2017年9月以降より発売されているSGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬の配合薬の留意点、成人1型糖尿病患者におけるインスリン製剤との併用療法でのケトアシドーシスのリスクや注意点についてなどについて記載されている。学会では、これらの情報がさらに広く共有されることで、副作用や有害事象が可能な限り防止され、適正使用が推進されるように注意を促している。

体験ルポ・新型コロナワクチン接種(2)新たなワクチンに臨むために必要なこと

 国内では、連日のように過去最多の感染者数が確認されている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。行動を変え、消毒を徹底するなどの地道な自助努力が、現時点ではわれわれにできる唯一の感染防止策であり、ワクチン接種の開始が待ち望まれるところである。  感染者数世界最多の米国では、世界に先駆け2020年12月14日からワクチン接種が実施されている。本稿は、米国・ワシントンDCの病院に勤務する日本人医師の安川 康 介氏がケアネットに寄せたワクチン接種の体験ルポ第2弾である。安川氏は、2020年12月16日に1回目のワクチン接種を経験し、今回は、2回目となる1月5日の接種の際に経験した体調変化や周りの接種者の反応、日本が新たなワクチンに臨むために必要なことについてレポートしている。

うつ病患者のBMIと治療結果との関連

 うつ病患者では、抗うつ薬の治療反応が悪いと、BMIが高まる可能性がある。しかし、治療反応に対する低体重の影響はよくわかっていない。また、治療反応を予測するためにBMI測定を実施すべきかについても研究されていなかった。中国・首都医科大学のLe Xiao氏らは、うつ病患者のBMIと治療結果との関連について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2020年11月12日号の報告。  抗うつ薬(パロキセチン、ミルタザピン、パロキセチン+ミルタザピン)の治療結果を報告した臨床試験の成人うつ病患者202例のデータを事後分析した。

Pfizerの新型コロナワクチン、190万人でのアレルギー反応は/CDC

 米国で2020年12月14〜23日に初回投与されたPfizer-BioNTechのCOVID-19ワクチン接種189万3,360回で、21例(11.1例/100万回)にアナフィラキシーが発現し、そのうち71%は15分以内に発症したことを、米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年1月6日に発表した。  米国では2020年12月23日の時点で、Pfizer-BioNTechのCOVID-19ワクチンの1回目の投与が189万3,360人(女性117万7,527人、男性64万8,327人、性別不明6万7,506人)に実施され、4,393例(0.2%)に有害事象が報告された。そのうち、アナフィラキシーを含む重度のアレルギー反応の可能性がある175例を調査した。これらのうち21例(11.1例/100万回)がアナフィラキシーと判断され、うち17例はアレルギーまたはアレルギー反応の既往があり、そのうち7例はアナフィラキシーの既往があった。

COVID-19の院内死亡率、10代はインフルの10倍にも

 インフルエンザとCOVID-19は、類似した感染様式を伴う呼吸器疾患である。そのため、インフルエンザの流行モデルは、COVID-19の流行モデルの検証にもなり得ると考えられる。ただし、両者を直接比較するデータはほとんどない。フランス・ディジョンのUniversity of Bourgogne-Franche-Comté(UBFC)のLionel Piroth氏ら研究グループが、国の行政データベース(PMSI)を用いて後ろ向きコホート研究を実施したところ、入院を要するCOVID-19患者と季節性インフルエンザの患者の症状にはかなりの差異があり、11〜17歳におけるCOVID-19の院内死亡率は、インフルエンザの10倍にも上ることが明らかになった。The Lancet Respiratory Medicine誌2020年12月17日付のオンライン版に掲載。