内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:291

咽喉頭症状にPPI治療は有益か?/BMJ

 持続性咽喉頭症状を呈する患者に対するプロトンポンプ阻害薬(PPI)治療にはベネフィットがないことが、英国・Freeman HospitalのJames O'Hara氏らによる多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験の結果、示された。評価に用いたreflux symptom index(RSI)のPPI群とプラセボ群のスコアは、治療16週後およびフォローアップ12ヵ月時点で同等であった。一般集団の半数近くが咽喉頭のしこり感を気に掛けており、咽喉頭症状は1次医療から2次医療への紹介の一般的な理由になっている。英国の1次医療および2次医療では、咽喉頭症状には経験的治療としてPPIが広く処方されているが、これまで公表されている咽喉頭症状に対するPPI治療のメタ解析は、包含されている試験の規模が小さく、結果は限定的であったという。BMJ誌2021年1月7日号掲載の報告。

片頭痛患者の神経障害性疼痛に対する抗CGRPモノクローナル抗体

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は、末梢神経障害の一般的な特徴である神経因性疼痛の発症に関連することを示すエビデンスが増加している。臨床研究では、抗CGRPモノクローナル抗体が、片頭痛の予防に効果的であることが示唆されているが、ヒトの神経因性疼痛を含む非頭痛の慢性疼痛に対する効果は明らかになっていない。米国・ミズーリ大学のSeung Ah Kang氏らは、慢性片頭痛を合併している患者の神経因性疼痛に対する抗CGRPモノクローナル抗体の有効性について、評価を行った。Muscle & Nerve誌オンライン版2020年12月21日号の報告。

うつ症状が心血管疾患発症と関連/JAMA

 22コホート・参加者56万3,255例のデータを包含したプール解析において、ベースラインのうつ症状は心血管疾患(CVD)と関連していることを、英国・ケンブリッジ大学のEric L. Harshfield氏らEmerging Risk Factors Collaboration(ERFC)研究グループが明らかにした。ただし、症状レベルは大うつ病性障害を示す閾値よりも低く、関連の程度はわずかであった。これまで、うつ症状が独立してCVD発症と関連するかどうかは不明であった。JAMA誌2020年12月15日号掲載の報告。

コロナ病床は簡単には増やせない、医療壊滅を防ぐために/日医

 感染者数の増加が続き、各地で医療体制のひっ迫が叫ばれる中、日本の医療体制の在り方についても様々な意見が報道・発信されている。1月13日の日本医師会定例記者会見において、中川 俊男会長は改めて国民に対し協力を要請するとともに、日本の医療提供体制の現状を説明し、日医として引き続き行っていく働きかけ、施策について説明した。  公立・公的等病院の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)受け入れ割合が約70~80%である一方、民間病院が約20%というデータに対し、より多くの民間病院が新型コロナ患者を受け入れるべきという意見がある。

ベンゾジアゼピン依存症自己申告アンケート日本語版を用いた睡眠薬使用障害の現状調査

 ベンゾジアゼピン(BZD)受容体作動薬は、不眠症治療において頻繁に用いられるが、長期使用は推奨されていない。適切な薬物療法を行うためには、BZD依存に関する現状や背景を明らかにする必要がある。東京女子医科大学の山本 舞氏らは、BZD依存症自己申告アンケート日本語版(Bendep-SRQ-J)を開発し、BZD使用障害に関する研究を実施した。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2020年12月1日号の報告。  開発元の許可を得てBendep-SRQ-Jを作成した。対象は、2012~13年にBZD治療を行った入院および外来患者。Bendep-SRQ-Jスコア、睡眠障害、身体的併存疾患、向精神薬、ライフスタイルに関するデータを収集した。症状重症度に関連する因子を特定するため、ロジスティック分析を行った。

診療所の新型コロナ感染対策、Web問診サービスを1年無償で提供/Ubie

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大を受け、Ubie株式会社は「AI問診ユビー for クリニック」を、全国のクリニックに向けて利用料1年分(12万円相当)無償で緊急提供することをプレスリリースで発表した。2021年1月8日~2月26日までの契約開始を条件に、利用開始日から1年間の無償期間を設ける。  なお、内科系・整形外科・一般外科系のクリニックが対象とされ、タブレット導入費、電子カルテ連携費、通信費などの実費は、医療機関による負担となる。

住宅の断熱改修で居住者の入院率低下/BMJ

 住宅を改修し断熱を高めることで入院が減少し、その効果は呼吸器疾患に関してより顕著であることが明らかにされた。ニュージーランド・オタゴ大学ウェリントン校のCaroline Fyfe氏らが、住宅の断熱改修が感冒に関連する入院率を低下させるかを調査する目的で行った、国の改修補助プログラムの評価に関するデータを用いた準実験的後ろ向きコホート研究の結果を報告した。冬季の超過死亡および罹患は、寒冷な気候の国よりも比較的温暖な気候の国のほうが高いことが多い。この矛盾は、温暖な国では住宅の熱効率が悪く室温が低くなりやすく、湿気やカビが生じやすい環境を作り出していることと関連しているとされる。一方、これまで複数の介入研究で、熱効率を改善することにより、感冒関連疾患の症状が改善することが示されていた。BMJ誌2020年12月29日号掲載の報告。

高齢者では1日の歩数が睡眠効率と正の相関―大分大学

 高齢化社会において加齢に伴う運動不足と睡眠障害は大きな問題である。身体活動が睡眠の質に関連しているというエビデンスが出ているが、歩数と睡眠の関連については明らかになっていない。大分大学医学部神経内科の木村 成志氏らは、大分県臼杵市に居住する65歳以上の855例を対象に、毎日の歩数と睡眠の関連を調査した。  2015年8月~2016年3月までに855例が登録され、参加者は期間中3ヵ月ごとに平均7~8日のあいだ腕時計型センサーによって歩数を測定し、重回帰分析で1日の歩数と睡眠(総睡眠時間、睡眠効率、中途覚醒時間[WASO]、中途覚醒回数、昼寝時間)との関連を調べた。

COVID-19の家庭内感染のリスク因子~54研究のメタ解析

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の家庭(同居世帯)内の感染リスクは、他のコロナウイルス(SARS-CoV、MERS-CoV)より2~4倍高く、「初発患者が症状あり」「接触者が18歳以上」「初発患者の配偶者」「家庭内の接触人数が1人」がリスク因子であることが、米国・フロリダ大学のZachary J. Madewell氏らのメタ解析で示された。JAMA Network Open誌2020年12月14日号に掲載。

新型コロナ、再入院しやすい患者の特徴は?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の初発感染で入退院した患者のうち、9%が退院後2ヵ月以内に同じ病院に再入院していたことが明らかになった。また、複数の病院で患者の1.6%が再入院していた。再入院の危険因子には、65歳以上、特定の慢性疾患の既往、COVID-19による初回入院以前の3ヵ月以内の入院、高度看護施設(SNF:skilled nursing facility)への退院または在宅医療への切り替えが含まれていた。米国疾病予防管理センター(CDC)のMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)11月13日号での報告。  CDC研究班は、Premier Healthcare Database の電子健康記録と管理データを使用し、退院、再入院のパターン、およびCOVID-19による初回入退院後の再入院に関連する人口統計学的および臨床的特徴を評価した。