脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:47

小児の乳製品摂取量と片頭痛との関連

 片頭痛は、病因が明らかになっておらず、理解不十分な病態生理学的経路を伴う疾患である。乳製品の摂取量と小児の慢性的な症状および片頭痛との関係についてのデータを充足するため、イラン・テヘラン医科大学のShadi Ariyanfar氏らは本研究を実施した。Iranian Journal of Child Neurology誌2022年冬号の報告。  3次医療圏の頭痛クリニックにおける人口ベースのケースコントロール研究を実施した。対象は7~14歳の小児290例。片頭痛の診断は、国際頭痛分類第3版(ICHD-3)の基準を用いて神経内科医が行った。人口統計学的および人体測定学的特性を収集した。食事摂取量の調査には、検証済みの半構造化された食事摂取頻度調査票(food frequency questionnaire:FFQ)を用いた。  主な結果は以下のとおり。

アルコール摂取とアルツハイマー病リスク~用量反応メタ解析

 アルコール消費とアルツハイマー病リスクとの関連について、中国・Affiliated Hospital of Jilin Medical UniversityのChunxiang Xie氏らが、アルコールの用量反応メタ解析を実施した。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2022年2月16日号の報告。  2019年9月1日の時点におけるPubMed、Web of Scienceのデータベースより、対象研究をシステマティックに検索した。アルコール消費とアルツハイマー病リスクとの関連を評価するため、相対リスクと95%信頼区間(CI)を用いた。アルコールの種類、民族性、研究デザイン、性別に基づきサブグループ解析を行った。アルコールの用量反応メタ解析を実施した。

AF患者の抗血栓療法、DOAC登場による10年間の変化(伏見AFレジストリ)/日本循環器学会

 日本のコミュニティベースの心房細動(AF)コホートである伏見AFレジストリは、京都市伏見区で2011年3月から実施されているAF患者の前向き観察研究で、患者登録は2017年5月まで行われた。今回、2022年2月までの追跡調査データを入手できた4,489例の抗血栓療法状況および主要有害イベントの発生を調査した結果を、第86回日本循環器学会学術集会(2022年3月11日~13日)で赤尾 昌治氏(国立病院機構京都医療センター循環器内科)が発表した。なお、本結果はCirculation Journal誌オンライン版2022年3月13日号に同時掲載された。

広範囲梗塞の患者にも経皮的脳血栓回収術の有効性が示された(解説:高梨成彦氏)

ASPECTS 5点以下の大きな虚血コアを有する症例に対する、経皮的脳血栓回収術の有効性を示唆する後方視的研究はこれまでいくつか報告されている。本研究はランダム化比較試験で、主要評価項目である90日後のmRSが0~3であった患者の割合は内科治療群が13%であったのに対して、血管内治療群が31%と有意な予後改善効果が示された。虚血コアが大きいことで再開通後の出血が危惧されるところであるが、すべての頭蓋内出血こそ血管内治療群で58%と多かったものの症候性出血は内科治療群が5%で血管内治療群が9%と有意差はなかった。

片頭痛と認知症との関係~メタ解析

 片頭痛と認知症リスクとの相関を明らかにするため、中国・The First Hospital of Jilin UniversityのWei Jiang氏らは、包括的なシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Aging Clinical and Experimental Research誌オンライン版2022年1月31日号の報告。  PubMed、EMBASE、Cochrane library databasesより、システマティックに検索した。血管性認知症を含む認知症患者の片頭痛について報告されたコホート研究(プロスペクティブおよびレトロスペクティブ)およびケースコントロール研究を抽出した。プールされた効果を分析し、95%信頼区間(CI)を用いて、相対リスクの評価を行った。

脳梗塞の血管内治療、アスピリン・未分画ヘパリンは益より害?/Lancet

 虚血性脳卒中への血管内治療において、周術期のアスピリンまたは未分画ヘパリン投与はいずれも、症候性頭蓋内出血リスクを増大し、機能的アウトカムの有益な効果に関するエビデンスはないことが、オランダ・Erasmus MC University Medical CenterのWouter van der Steen氏らによる無作為化比較試験の結果、示された。アスピリンおよび未分画ヘパリンは、脳卒中の血管内治療において、再灌流とアウトカムを改善するためにしばしば使用される。しかし、その適応に関する効果とリスクは明らかではなかった。Lancet誌オンライン版2022年2月28日号掲載の報告。

アルツハイマー病治療薬aducanumabのFDA承認に対する世論調査

 FDAによるアルツハイマー病治療薬aducanumabの承認については、専門家の間でさまざまな意見が出されているが、このことに関する世論については、ほとんど知られていない。米国・ジョンズホプキンス大学School of Public HealthのMichael J. DiStefano氏らは、米国成人を対象に、aducanumabのFDA承認に対する世論調査を実施した。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2022年2月7日号の報告。  対象は、35歳以上の米国成人。aducanumabの承認に関する意見、FDAに対する批判因子の特定、政策対応に関する意見(メディケアおよびメディケイドサービスセンターによる全国的な補償範囲決定に関連する対応など)を調査した。調査には、全国世論調査センターAmeriSpeakパネルから得られた確率ベースのサンプルを用いて、オンライン(英語およびスペイン語)で調査した。パネルおよび調査デザインの選択確率は、人口統計による人口分布と期待反応率の違いにより算出した。選択確率と無回答を調整するため、survey weightを用いて分析した。

抗CGRP抗体フレマネズマブの使用継続による効果の変化

 片頭痛の予防的治療の主な目的は、発作頻度の減少、重症度の軽減、期間の改善、片頭痛関連障害の軽減などである。これまでの片頭痛予防薬では、投与を継続するたびに、次の投与を行う前に臨床症状の再発または悪化が認められる減弱効果が報告されている。米国・The Headache Center of Southern CaliforniaのAndrew M. Blumenfeld氏らは、片頭痛予防に対する抗CGRP抗体フレマネズマブの四半期ごとまたは月1回投与において、継続投与により有効性の減弱効果が認められるかについて、検討を行った。Headache誌2020年11月号の報告。

難治性院外心停止、体外心肺蘇生法vs.標準的蘇生法/JAMA

 難治性院外心停止(OHCA)患者において、心停止状態での早期搬送/体外循環式心肺蘇生法(ECPR)/侵襲的診断と治療から成るケアバンドルは、標準的な蘇生法と比較して、180日後の神経学的アウトカム良好での生存率を改善しないことが、チェコ・カレル大学のJan Belohlavek氏らが実施した単施設無作為化臨床試験「Prague OHCA試験」の結果、示された。OHCAはアウトカムが不良であり、心停止状態での搬送/ECPR/即時侵襲的戦略の有益性については不明であった。JAMA誌2022年2月22日号掲載の報告。

抗凝固薬の使用は十分に慎重に!(解説:後藤信哉氏)

DOACは出血合併症が少ないと喧伝される。しかし、心房細動の脳卒中予防をワルファリンと比較した4つのDOAC開発試験では、いずれも年間2~3%に重篤な出血合併症を惹起している。対照群がPT-INR 2-3を標的としたワルファリン療法であったこと、PT-INRの計測が精度の低いPOC deviceであったこと、実臨床で多用される0.5mgの錠剤が必ずしも供与されなかったこと、などの各種条件の結果、DOAC群の出血合併症リスクはワルファリン群よりも低かった。しかし、DOACは決して出血合併症の少ない薬剤ではない。年率2~3%の重篤な出血イベントはむしろ副作用の多い薬剤ともいえる。