非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)によって誘発された蕁麻疹/血管性浮腫(NIUA)が、慢性蕁麻疹(CU)発症に先行するものとは認められなかったことが、スペイン・カルロス・アヤ病院のI. Dona氏らによる12年間の追跡調査の結果、報告された。NSAIDsは、薬物アレルギー反応と関連する頻度が最も高い薬物で、なかでもNSAIDs誘発であるNIUAの頻度が最も高い。一部の患者では、NIUAが時間の経過とともにCUに至ることが示唆され、NIUAはCUに先行する疾患である可能性が指摘されていた。Allergy誌オンライン版2013年12月23日号の掲載報告。
研究グループは、長期にわたって大規模なNIUA患者群と対照群を追跡し、これまで示唆されていたような関連があるかを確認することを目的とした。
検討では次の3群を比較した。(1)NIUA既往確認患者群(エピソード2回以上:2種以上のNSAIDsで発症もしくは薬物誘発試験陽性)、(2)強作用のCOX-1阻害薬への耐性良好および/あるいは特異的IgE抗体の支持についてin vivoのエビデンスがある1種のNSAIDsでNIUAエピソードが2回以上(単一NSAIDs誘発NIUA:SNIUA)、(3)NSAIDsに耐性がある対照群であった。
主な結果は以下のとおり。
・3群の全ケースについて12年間追跡した。
・NIUA患者群は190例(女性64.6%、平均年齢43.71±15.82歳)、SNIUA患者群は110例、対照群は152例であった。
・12年時点の評価で、NIUA群で1~8年の間にCUを発症したのは、12例(6.15%)であった。
・SNIUA群、対照群でもCU発症者の割合は、同程度であった。
・中期間において、NSAIDs誘発であるNIUAは、CU発症に先行するものではないようであった。
・今回の観察結果を検証するために、さらなる長期間の追跡を含む検討が必要である。
(ケアネット)