扁桃体腫大を伴う側頭葉てんかんの特徴は:国立精神・神経医療研究センター

提供元:ケアネット

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公開日:2014/03/20

 

 国立精神・神経医療研究センターの木村 有喜男氏らは、片側性の扁桃体腫大を伴う側頭葉てんかんについて、臨床的、形態学的および病理学的特徴を明らかにする検討を行った。23例のMR画像を分析した結果、皮質形成異常が扁桃体腫大の病理診断の1つとなりうること、また一部の患者では皮質形成異常が側頭極にまで及んでいる可能性があることなどを報告した。Journal of Neuroimaging誌オンライン版2014年3月5日号の掲載報告。

 本検討は、23例の側頭葉てんかんで同側性の扁桃体腫大を伴う患者の、臨床データおよび画像データをレトロスペクティブに検討した。23例のうち14例についてはFreeSurferおよびvoxel based morphometry(VBM)により、3.0テスラMRI画像データが入手できた対照20例との比較で形態学的な分析を行った。また手術例2例については病理学的検討も行った。

 主な結果は以下のとおり。

・被験者は2例を除き、薬物療法にて無発作または劇的改善をみた。
・手術例の病理学的検討から、いずれも扁桃体から同側の側頭極まで皮質形成異常が認められたことが示された。
・FreeSurferにより、患側と健側とに有意な扁桃体容積差が認められた。
・VBMにより、患者14例のうち7例で(50%)、扁桃体腫大側における側頭極の灰白質量に有意な増大が認められた。

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(ケアネット)