他の精神科医は薬剤の選択基準をどこに置いているのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/06/19 統合失調症患者に対する抗精神病薬治療のベネフィット・リスク評価にあたり、精神科医はどのように判断を定量化しているのだろうか。また、患者のアドヒアランスはこの判断にどのような影響を及ぼしているのか。米国のMichael A Markowitz氏らが、その答えを明らかにすべく検討を行った結果、精神科医は当然ながら治療法選択にあたって陽性症状の改善を最も重視しており、アドヒアランス低下時には剤形の選択がより重要となることが示された。Psychiatric services誌オンライン版2014年5月15日号の掲載報告。 精神科医にとっての統合失調症治療におけるリスクとベネフィット、代替薬処方に関する相対的重要性について、離散選択モデルを用いたWeb調査により評価した。米国と英国の精神科医は、剤形ごとにさまざまなレベルの改善(陽性症状、陰性症状、社会的機能、体重増加、錐体外路症状、高プロラクチン血症、高血糖)によって特徴づけられる選択肢より回答した。回答者の判断には、過去の患者アドヒアランスの影響を評価に含んだ。ランダムパラメータロジットおよび二変量プロビットモデルにより推定を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・394名の精神科医から回答が集まった。 ・陽性症状が「改善なし」から「大いに改善」となるシナリオが最も好ましいという結果が得られ、相対的重要度スコアは10と割り当てられた。 ・その他、重要度の高い順に見ると、陰性症状[改善なし→大いに改善(相対的重要度5.2、95%CI:4.2~6.2)]、社会的機能["severe problems"→"mild problems"(4.6、CI:3.8~5.4)] 、高血糖なし(1.9、CI:1.5~2.4)、15%超の体重増加なし(1.5、CI:0.9~2.0)、高プロラクチン血症なし(1.3、CI:0.8~1.6)、錐体外路症状なし(1.1.CI:0.7~1.5)であった。 ・剤形については、若干の有効性の変化よりも、アドヒアランス低下例に重要であり、注射剤は毎日の経口剤より好まれた(p<0.05)。 関連医療ニュース 抗精神病薬の用量決定時、精神科医が望むことは 抗精神病薬注射剤を患者は望んでいるのか どのタイミングで使用するのが効果的?統合失調症患者への持効性注射剤投与 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Markowitz MA, et al. Psychiatr Serv. 2014 May 15. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 急性脳梗塞、再灌流後のtenecteplase動注は有益か/JAMA(2025/01/23) 妊娠糖尿病、メトホルミン±SU薬vs.インスリン/JAMA(2025/01/23) 透析中の骨粗鬆症患者へのデノスマブは心血管イベントリスクを上げる可能性/京都大(2025/01/23) MASLD患者の転帰、発症リスクに性差(2025/01/23) 25種類の治療抵抗性うつ病治療の有効性比較〜ネットワークメタ解析(2025/01/23) タバコを1本吸うごとに寿命が22分縮む?(2025/01/23) 米アルツハイマー病協会が新たな診療ガイドラインを作成(2025/01/23) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01)