双極性うつ病に対するコエンザイムQ10の二重盲検臨床試験 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/09/07 双極性障害(BPD)は、躁病、軽躁病、大うつ病性障害エピソードによって特徴付けられる慢性的かつ再発性の気分障害である。利用可能なエビデンスでは、BPDの病態生理においてミトコンドリア機能不全、酸化ストレス、炎症が、重要な役割を担っていることが示唆されている。それは、ミトコンドリアモジュレーターであるコエンザイムQ10(CoQ10)、抗酸化薬、抗炎症薬が、BPDの病態生理の経路を調節するために有用であることを意味している。イラン・Hamadan University of Medical SciencesのMaryam Mehrpooya氏らは、BPD患者のうつ症状に対し、補助的なCoQ10治療がプラセボと比較し、どの程度有用であるかについて調査を行った。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2018年8月14日号の報告。 抑うつ症状を伴うBPD患者69例を対象に、補助的CoQ10(200mg/日)群またはプラセボ群にランダムに割り付けた。気分安定薬および抗うつ薬による標準的な薬物治療は、本試験の2ヵ月前および試験中に一貫して行われた。ベースライン時、4週目、8週目の各患者のうつ病重症度は、Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)を用いて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・両群において、うつ症状が時間とともに減少した。 ・補助的CoQ10群は、プラセボ群と比較し、8週目のうつ症状の改善が認められた。 ・補助的CoQ10群は、プラセボ群と比較し、試験終了時の治療反応者がより多く観察された。 ・CoQ10は、副作用が少なく、忍容性が良好であった。 著者らは「BPD患者に対する補助的CoQ10治療は、プラセボと比較し、8週間にわたるうつ症状改善効果が認められた。これは、CoQ10の抗酸化・抗炎症作用によるものであると考えられる」としている。 ■関連記事 双極性うつ病に対するドパミン作動薬の効果は 双極性うつ病に対する抗うつ薬補助療法による再入院率に関するコホート研究 双極性障害のうつ症状改善へ、グルタミン酸受容体モジュレータの有用性は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Mehrpooya M, et al. J Clin Psychopharmacol. 2018 Aug 14. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 心筋線維化を伴う無症候性重症AS、早期介入の効果は?/JAMA(2025/01/31) 「プレハビリテーション」は有効か?~メタ解析/BMJ(2025/01/31) 重大な副作用にアナフィラキシー追加、アルギニン含有製剤など/厚労省(2025/01/31) BRAF V600E変異mCRC、1次治療のエンコラフェニブ+セツキシマブが有用(BREAKWATER)(2025/01/31) 日本における遺伝子パネル検査、悪性黒色腫の治療到達割合は6%(2025/01/31) 成人ADHDに対するさまざまな治療の有用性比較〜ネットワークメタ解析(2025/01/31) 血液検査でワクチン効果の持続期間が予測できる?(2025/01/31) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)