うつ病、治療抵抗性うつ病、自殺行動に対するブプレノルフィンの有効性に関するシステマティックレビュー 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/09/19 うつ病治療において、いくつかの薬理学的な選択肢が実施可能であるが、抗うつ薬治療を実施した患者の3分の1では、十分な治療反応が得られず、完全寛解には達していない。そのため、抗うつ薬による薬物治療で治療反応が得られなかった、または治療反応が不十分だった患者に対処するための、新たな戦略が必要とされている。イタリア・ジェノバ大学のGianluca Serafini氏らの研究結果によると、オピオイド系が気分やインセンティブの調整に有意に関与しており、新規治療薬としての適切なターゲットとなりうることが明らかとなった。International Journal of Molecular Sciences誌2018年8月15日号の報告。 本研究では、うつ病、治療抵抗性うつ病、非自殺的な自傷行為、自殺行動に対するブプレノルフィンの使用に関する文献についてシステマティックレビューを行った。ブプレノルフィンとうつ病または治療抵抗性うつ病、自殺、難治性うつ病のキーワードを使用し、PubMedおよびScopusのデータベースより検索を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・低用量のブプレノルフィンは、抑うつ症状、重度な自殺念慮、非自殺自傷を軽減するために有効かつ忍容性が高く、安全な選択肢であることが、いくつかのエビデンスにより示された。これは、治療抵抗性うつ病患者においても認められた。 ・しかし、ブプレノルフィンの長期的な効果や、ブプレノルフィンと特定の薬剤(たとえば、samidorphan、ナロキソン、naltrexone)との併用、ブプレノルフィンの単独療法または標準的な抗うつ薬治療への補助療法による相対的な有効性の評価、ならびに最適な投与間隔についての均一なガイダンスを得るためには、より多くの研究が必要である。 ■関連記事 SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較 SSRI治療抵抗性うつ病への効果的な増強療法 治療抵抗性うつ病に対する心理的サポートとしてのシロシビンの6ヵ月追跡調査 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Serafini G, et al. Int J Mol Sci. 2018;19.pii:E2410. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 肥満小児へのリラグルチド、BMIが改善/NEJM(2024/10/08) 日本初、経鼻弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」発売/第一三共(2024/10/08) 患者の望む抗精神病薬の特性とは(2024/10/08) 高齢者の便秘症放置は予後不良のリスクに/ヴィアトリス(2024/10/08) 出産数・初産年齢とマンモグラフィ濃度の関連~22ヵ国1万1千人のデータ(2024/10/08) 食用色素でマウスの皮膚の透明化に成功(2024/10/08) 新規3剤配合降圧薬の効果、標準治療を大きく上回る(2024/10/08) がん治療薬がアルツハイマー病の進行抑制に有用?(2024/10/08) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)