中国医科大学のJian Wang氏らは、食事炎症指数(dietary inflammatory index:DII)でスコア化された食事の炎症能とうつ病との関連性を評価するため、システマティックレビュー、メタ解析を行った。Public health nutrition誌オンライン版2018年10月15日号の報告。
2018年8月までに実施された、DIIスコアとうつ病または抑うつ症状との関連を調査した観察研究を、PubMed、Web of Science、EMBASEのデータベースより包括的に検索した。
主な結果は以下のとおり。
・4件のプロスペクティブコホート研究と2件の横断研究より、4万9,584例が抽出された。
・全体として、DIIスコアが最も高い群では、最も低い群と比較し、うつ病リスクが23%高かった(リスク比[RR]:1.23、95%信頼区間[CI]:1.12~1.35)。
・試験デザインにより層別化すると、プロスペクティブコホート研究のプールされたRRは1.25(95%CI:1.12~1.40)、横断研究のプールされたRRは1.16(95%CI:0.96~1.41)であった。
・性別特異的分析では、この関連性は女性では認められたが(RR:1.25、95%CI:1.09~1.42)、男性では統計学的に有意な差は認められなかった(RR:1.15、95%CI:0.83~1.59)。
著者らは「高いDIIスコアで推定される炎症促進作用を有する食事は、とくに女性において、うつ病リスクの上昇と独立して関連していることが示唆された。しかし、抗炎症作用を有する食事が、うつ病リスクを低減できるかを評価するためには、適切に設計された研究が必要である」としている。
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