不眠症と将来のうつ病や高血圧との関連 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/03/14 高齢者では高血圧およびうつ病の有病率が高いが、さらに高血圧とうつ病の合併は、罹患率や死亡率の有意な上昇に影響を及ぼす可能性がある。しかし、その両方に影響を及ぼすリスク因子はよくわかっていない。米国・ジョージア大学のYutong Dong氏らは、高齢者に多い不眠症が、その後の高血圧やうつ病リスクに影響を及ぼすかについて検討を行った。Preventive Medicine誌オンライン版2019年2月8日号の報告。 全米よりサンプリングされた2008~16年のHealth and Retirement Studyより地域在住高齢者の縦断的人口ベース研究を行った。50歳以上の1万8,123例を対象とし、50~60歳群、61~74歳群、75歳以上群の3群に層別化した。2008年時点で、高血圧患者またはうつ病患者は除外した。うつ病性症状上昇のカットオフ値は、CES-Dうつ病自己評価尺度スコア4以上とした。不眠症状は、主観的な症状を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・Cox比例ハザード回帰では、すべての年齢層においてSBP(1.02[1.01~1.02])と不眠症状の多さ(1.11[1.01~1.21])が高血圧の有意な予測因子であることが明らかとなった。 ・うつ病に対しては、不眠症状のみが有意な予測因子であった(9.91[6.37~15.41])。 ・カプラン・マイヤー法では、8年以内に高血圧とうつ病を合併した患者は、全体の9.2%であり、不眠症状の多さが高血圧とうつ病の発症率上昇の予測因子であった(p<0.001)。 著者らは「すべての年齢層において、不眠症状は、将来の高血圧やうつ病の予測因子であることが明らかとなった。高齢者における高血圧やうつ病の病因および合併に、不眠症が影響を及ぼすことが示唆された」としている。 ■関連記事 うつ病に対する不眠症治療効果に関するメタ解析 性別で異なる、睡眠障害とうつ病発症の関連:東京医大 高齢者うつ病発症率の潮流、10年間で減少 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Dong Y, et al. Prev Med. 2019 Feb 8. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 週末のキャッチアップ睡眠とうつ病との関係 医療一般(2021/10/25) 不眠症の第一選択薬~日本の専門家コンセンサス 医療一般 日本発エビデンス(2023/06/20) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 早期TN乳がんの術前・術後ペムブロリズマブ、最終OS結果(KEYNOTE-522)/NEJM(2024/09/27) 複雑病変へのPCI、OCTガイドvs.血管造影ガイド/Lancet(2024/09/27) 転移を有するホルモン感受性前立腺がん、ダロルタミド+ADTがrPFS改善(ARANOTE)/ESMO2024(2024/09/27) 日本人治療抵抗性うつ病に対するケタミン治療の有用性~二重盲検ランダム化比較試験(2024/09/27) サシツズマブ ゴビテカン、トリプルネガティブ乳がんに承認/ギリアド(2024/09/27) アミバンタマブ、化学療法との併用でEGFRエクソン20挿入変異陽性肺がんに承認/ヤンセン(2024/09/27) 患者満足度向上対策をクリニックの6割が実施/医師1,000人アンケート(2024/09/27) 肛門扁平上皮がん1次治療、新規抗PD-1抗体上乗せが有用(POD1UM-30)/ESMO2024(2024/09/27) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24)