アトピー検査キットをコロナ重症化判定に適応追加/塩野義 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2021/06/14 塩野義製薬は6月7日、アトピー性皮膚炎の重症度を診断する検査キット「HISCL TARC試薬」について、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性患者の重症化予測の補助を使用目的とする適応追加の承認を同日付で取得したと発表した。COVID-19の発症初期から重症化リスクを判別することで、リスクに応じた最適な措置につなげ、医療体制の逼迫や医療崩壊を回避する一助となることが期待される。現在、保険適用を申請中。 「HISCL TARC試薬」は、2014年にシスメックスと共同開発したTARC1)を測定する検査キットで、すでにアトピー性皮膚炎の重症度評価の補助を目的とした体外診断用医薬品として使用されている。国立国際医療研究センターによる臨床研究では、COVID-19重症化患者においては、発症初期から血清中のTARC値が低いことが確認されており、1回の測定で患者の重症化を早期に予測できる分子マーカーとしてTARCの有用性が示されているという。 1) 71 個のアミノ酸で構成されるタンパク質で、Th2細胞を炎症部位に遊走させるケモカイン群の1 つ。 COVID-19の重症化予測マーカーとしては、2021年2月に保険適用を受けたシスメックス社の「HISCL IFN-λ3試薬」があり、主に入院患者に対して重症化の兆候を早期に把握することを目的に使用されている。塩野義製薬は、今回の適応追加承認により、COVID-19発症初期から重症化リスクを判別することで、リスクの高い患者を入院管理、リスクの低い患者を宿泊療養や自宅療養とするなど個別に最適な措置につなげていくことが期待されるとコメントしている。 (ケアネット 鄭 優子) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 新型コロナ感染の後遺症リスクが高い人の特徴/BMJ 医療一般(2021/06/02) COVID-19重症化予測する5つの血中マーカー同定/国際医療研究センター 医療一般(2020/09/29) COVID-19重症化予測、血小板数とFARが有用か 医療一般(2020/05/18) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳卒中リスクのある心房細動、asundexian vs.アピキサバン/NEJM(2024/09/18) HFpEF/HFmrEFに、フィネレノンが有効/NEJM(2024/09/18) 標準治療の方法は世界に1つ?(解説:後藤信哉氏)(2024/09/18) 血栓溶解療法にアルガトロバンやGPIIb/IIIa阻害薬の併用は有効か(解説:内山真一郎氏)(2024/09/18) 限局型小細胞肺がんへのデュルバルマブ地固め、OS・PFSサブグループ解析(ADRIATIC)/ESMO2024(2024/09/18) 乳がん脳転移例へのT-DXd、安定/活動性によらず良好な結果(DESTINY-Breast12)/ESMO2024(2024/09/18) JN.1系統対応の次世代mRNA(レプリコン)コロナワクチン、一変承認取得/Meiji Seika(2024/09/18) この20年間、18~26歳で急増しているがんは?(2024/09/18) 統合失調症の全死亡リスク、抗精神病薬LAI vs.経口剤~メタ解析(2024/09/18) 中等症~重症の尋常性乾癬、経口TYK2阻害薬zasocitinibが有望(2024/09/18) [ あわせて読みたい ] 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 腎臓(2021/06/10) 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 循環器(2021/06/10) 「もっと高く売れるはず…」、その思い込みが売れ残りにつながる【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第18回(2021/05/24) 診療所を売った後、「もう少し働く」メリット&デメリット【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第17回(2021/05/10) Dr.林の笑劇的救急問答16<下巻> 皮膚科救急編(2021/05/10) 診療所の後継者は自分で育てる!が失敗してしまう理由とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第16回(2021/04/26) 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 内分泌・代謝(2021/04/20) 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 神経(2021/04/20) 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 呼吸器(2021/04/20) 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 血液(2021/04/20)