進行腎細胞がんに対するニボルマブ+イピリムマブ併用療法の効果はQOLと関連(CheckMate 214)/ASCO2022

提供元:ケアネット

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公開日:2022/06/22

 

 進行腎細胞がんに対するニボルマブ+イピリムマブの併用療法(Nivo-Ipi)の生存に及ぼす効果と健康関連QOL(HRQoL)の関連が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2022 ASCO Annual Meeting)において米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのRobert J. Motzer氏より報告された。

 これはNivo-Ipiとスニチニブを比較した国際共同の第III相CheckMate 214試験の結果で、過去にNivo-Ipiの無増悪生存期間(PFS)や全生存期間(OS)の有意な延長効果が報告されている。今回はそれらとHRQoLの相関をみた報告である。

・対象:未治療の進行性の淡明細胞型腎細胞がん症例(mRCC)
・試験群:ニボルマブ+イピリムマブ3週ごと4回→ニボルマブ2週ごと(NivoIpi群 425例)
・対照群:スニチニブ4週連日投与2週休薬(Suni群 422例)
・評価項目:
[主要評価項目] IMDC予後リスクでの中/高リスク症例におけるOS、PFS、奏効率(RR)
[副次評価項目] 全登録症例におけるOS、PFS、RR
[探索的評価項目] 治療前のHRQoLとPFSおよびOSとの関連性、試験中のHRQoL変化とPFS、OSとの関連性

 主な結果は以下のとおり。

・登録症例の年齢中央値は61歳で中リスクが79%、高リスクが21%だった。
・治療前のHRQoLのスコアが高い(状態が良い)症例ほど、OSが有意に延長した。ハザード比(HR)0.80(95%信頼区間[CI]:0.76~0.84)、p<0.0001であった。
・治療中のHRQoLの改善がみられた症例ほど、OSが有意に延長した。HRは0.65(95%CI:0.60~0.71)、p<0.0001であった。OSの改善については、治療前のHRQoLスコアより、治療中のスコア改善の方が、相関が強かった。
・PFSについても同様に、治療前のHRQoLのスコアが高いほど、または治療中のHRQoLの改善がみられるほど、PFSが有意に延長した。それぞれ、HR0.89、p<0.0001と、HR0.84、p<0.0001であった。
・さらに、HRQoLのスコアの改善または維持があったグループ(改善群)と、悪化したグループ(悪化群)に分けOSの解析を実施したところ、改善群のOS中央値は67.8ヵ月で、悪化群では32.0ヵ月、HRは0.48(95%CI:0.39~0.59)、p<0.0001と改善群で有意にOS良好であった。このOSの延長については、Suni群(HR:0.57)に比べ、NivoIpi群(HR:0.39)でより顕著であった。

(ケアネット)