ファイザーとモデルナのBA.1対応追加接種用2価ワクチンを承認/厚生労働省

提供元:ケアネット

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公開日:2022/09/14

 

 厚生労働省は9月12日、ファイザーおよびモデルナのオミクロン株BA.1に対応した新型コロナウイルス2価ワクチンを承認(特例承認医薬品における効能・効果、用法・用量の一部変更承認)したことを発表した。2価ワクチンの販売名は、ファイザーが「コミナティRTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1)」、モデルナが「スパイクバックス筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1)」となる。両ワクチンともに追加接種用で、ファイザー製は12歳以上、モデルナ製は18歳以上が対象となる。

 両2価ワクチンの用法・用量は、ファイザー製は「追加免疫として、1回0.3mLを筋肉内に接種する」とし、モデルナ製は「追加免疫として、1回0.5mLを筋肉内に接種する」としている。現時点では、両剤ともに前回の接種から少なくとも5ヵ月経過した後に接種することができるとされているが、同日に開かれた薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において、接種間隔を短縮すべきとの指摘があったため、今後、海外の動向、有効性、安全性等の情報を踏まえ、短縮する方向で検討し、10月下旬までに結論を得ることとされた。

 両2価ワクチンの有効性と安全性については以下のとおり。

ファイザー製「コミナティRTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1)」
・海外第III相試験によると、追加接種後1ヵ月時点でのオミクロン株BA.1に対する血清中和抗体価について、幾何平均抗体価(GMT)は、本剤接種群(178例)では711.0(両側95%信頼区間[CI]:588.3~859.2)、従来の1価ワクチン接種群(163例)では455.8(両側95%CI:365.9~567.6)となり、幾何平均比(GMR)は1.56(両側95%CI:1.17~2.08)であった。
・接種後7日間に報告された主な副反応として、注射部位疼痛、疲労、頭痛、筋肉痛、悪寒、関節痛、発熱があった。

モデルナ製「スパイクバックス筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1)」
・海外第II/III相試験によると、追加接種後28日時点でのオミクロン株に対する血清中和抗体価について、幾何最小二乗平均(GLSM)は、本剤接種群(334例)では2,479.890(両側95%CI:2,264.472~2,715.801)、従来の1価ワクチン接種群(260例)では1,421.243(両側95%CI:1,282.975~1,574.412)となり、幾何平均比(GMR)は1.745(両側97.5%CI:1.493~2.040)であった。
・接種後7日間に報告された主な副反応として、注射部位疼痛、疲労、頭痛、筋肉痛、関節痛、悪寒があった。

 両ワクチンともに忍容性はおおむね良好で、反応原性および安全性プロファイルは従来の1価ワクチンの追加接種と一致していたという。

 なお、現在米国で緊急使用許可されている両社のBA.4/BA.5対応2価ワクチンについて、ファイザーは9月13日付のプレスリリースにて、厚生労働省に承認事項一部変更申請を行ったことを発表した。また、モデルナも準備が整い次第申請を行う予定だとしている。

※記事の一部を修正いたしました。(9月20日) 

(ケアネット 古賀 公子)