エタネルセプト+MTX、漸減療法が有効/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2014/11/20

 

 最大投与量のエタネルセプト(商品名:エンブレル)+メトトレキサート(MTX)併用治療により寛解が得られた早期関節リウマチ(RA)患者について、同併用療法を減量継続投与したほうが、投与を中断したりMTX単独に切り替えたりするよりも、寛解維持が長期化するなど良好な結果に結び付くことが明らかにされた。ただしX線所見上での疾患進行に有意差はみられなかった。英国・リーズ大学のPaul Emery氏らがヨーロッパとアジア57施設で行った第III相無作為化試験の結果、明らかにされた。NEJM誌2014年11月6日号掲載の報告より。

最大量投与寛解後、減量、MTX単独、投与中止に割り付け寛解維持を評価
 試験は2009年10月20日~2012年12月17日にわたって行われた。被験者は、疾患活動性が中等度~重度(DAS 28スコアが3.2超)で、発症から12ヵ月以内、MTXや生物学的製剤未治療の成人RA患者であった。

 被験者はまず非盲検下で、エタネルセプト50mg+MTX療法を52週間受けた(非盲検期)。その後、39週時点および52週時点での適格反応(DAS 28スコアが39週時点で3.2以下、52週時点で2.6未満など)に基づき、エタネルセプト25mg+MTXの併用群と、MTX単独群、プラセボ(投与中止)群の3群に無作為に割り付けられて、39週間の治療を受けた(二重盲検期)。3群の患者は、同39週時点で評価を受け、適格反応(DAS 28スコアが3.2以下)を示した患者は治療を中止し、65週時点まで追跡を受けた(治療中止期)。

 主要エンドポイントは、二重盲検期に寛解が維持されていた患者の割合であった。

治療中止後も併用群は44%が寛解を維持、MTX単独群は29%、投与中止群は23%
 試験に登録されたのは306例で、二重盲検期に無作為化を受けたのは193例であった(併用群63例、MTX単独群65例、プラセボ群65例)。その後、治療中止期への組み込み資格を得て65週時点まで追跡を受けたのは131例(53例、46例、32例)であった。

 65週時点において、寛解維持が認められたのは、併用群28例(44%)、MTX単独群19例(29%)、プラセボ群15例(23%)であった(併用療法vs. MTX単独のp=0.10、併用療法vs. プラセボのp=0.02、MTX単独 vs. プラセボのp=0.55)。

 X線上の疾患進行について3群間で有意差はみられなかった。

 重大有害事象の報告は、併用群3例(5%)、MTX単独群2例(3%)、プラセボ群2例(3%)だった。

(武藤まき:医療ライター)

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コメンテーター : 金子 開知( かねこ かいち ) 氏

東邦大学医学部 内科学講座 膠原病学分野

J-CLEAR推薦コメンテーター