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小児アトピー性皮膚炎へのアザチオプリンの安全性

 アザチオプリンは重度の小児アトピー性皮膚炎の治療に有効であることが知られているが、安全性に関するデータは不足していた。英国・Great Ormond Street Hospital for Children NHS Foundation Trust/St George's HospitalのNicholas R. Fuggle氏らは、臨床所見を後ろ向きに調査し、アザチオプリン経口投与を小児アトピー性皮膚炎の治療として用いた場合、重大な有害事象は少ないことを明らかにした。著者らは適切な血液モニタリングと用量調整を推奨している。Journal of the American Academy of Dermatology誌2015年1月号(オンライン版11月4日号)の掲載報告。

ブルーリボンキャラバン2015 in東京 ―もっと知ってほしい「大腸がん」のこと【ご案内】

 東京医科歯科大学医学部附属病院 大腸・肛門外科、同院腫瘍センターとNPO法人キャンサーネットジャパンは、3月14日(土)に東京医科歯科大学M&Dタワー2階 鈴木章夫記念講堂にて、大腸がん啓発のための無料市民公開講座を開催する。一般市民だけではなく、専門以外の医師やメディカルスタッフにとって、大腸がんの診断・治療についての知識の整理・アップデートのよい機会になると思われる。ブースでは「内視鏡操作体験」「中心静脈ポートに針を刺す」などの体験もできる。総合司会は、フリーアナウンサーの中井 美穂 氏。また、今回はブルーを身に着けてきた来場者にプレゼントも用意されている。

抗精神病薬の有害事象との関連因子は

 抗精神病薬は統合失調症およびその他の精神障害に広く処方されているが、一方で有害事象およびアドヒアランスへのネガティブな影響が共通して認められる。しかしこれまで、有害事象の発現率やマネジメントに注目した検討はほとんど行われていなかった。英国・エディンバラ大学のSu Ling Young氏らは、抗精神病薬の有害事象の発現率およびマネジメントについて系統的レビューを行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2014年12月16日号の掲載報告。

日本人のイソフラボン摂取と胃がんの関係

 大豆イソフラボン摂取による胃がんの進行阻害を示唆する実験的研究がいくつかあるが、先行の疫学的研究ではこれと矛盾する結果が出ている。岐阜大学の和田 恵子氏らは、わが国の集団ベースの前向きコホート研究(高山スタディ)で、塩分摂取量を含むいくつかのライフスタイル因子を考慮したうえで、大豆やイソフラボンの摂取量と胃がん発症率の関連を検討した。その結果、大豆イソフラボン(主に非発酵大豆食品)の高摂取が胃がんの予防につながる可能性が示唆された。International journal of cancer誌オンライン版2015年1月14日号に掲載。

認知症、早期介入は予後改善につながるか

 これまで、アルツハイマー型認知症の進行速度に影響する因子についてほとんど知られていなかった。米国ジョンズ・ホプキンス大学のMatthew E. Peters氏らは、軽度アルツハイマー型認知症にみられる臨床的に重大な神経精神症状が、重度認知症への進行あるいは死亡に及ぼす影響について検討した。その結果、精神病症状、興奮 / 攻撃性、感情障害などが重度認知症への移行または死亡までの期間を早めることが判明したことを報告した。American Journal of Psychiatry誌オンライン版2015年1月13日号の掲載報告。

ブプレノルフィン経皮吸収型製剤、慢性腰痛患者の睡眠も改善

 ブプレノルフィン経皮吸収型製剤(BTDS、商品名:ノルスパンテープ)は、中等度~重度の慢性腰痛に対する鎮痛効果を示すことが知られている。米国・Optum社のAaron Yarlas氏らは、臨床試験成績の事後解析を行い、同製剤がオピオイド使用歴の有無を問わず中等度~重度慢性腰痛患者の睡眠の質および睡眠障害を改善することを明らかにした。著者は、「睡眠に関するBTDSの恩恵は、4週以内に現れ12週間にわたって維持される」とまとめている。Pain Practice誌オンライン版2015年1月20日号の掲載報告。

いま一度、ハロペリドールを評価する

 ハロペリドールは世界中で最も高頻度に使用されている抗精神病薬の1つである。過去の解説的(narrative)非システマティックレビューにより、さまざまな第一世代(従来型、定型)抗精神病薬との間に有効性の差がないと報告され、それに基づき「各種第一世代抗精神病薬の有効性は同等である」という根拠のない精神薬理学的な仮説が確立され、テキストや治療ガイドラインに組み込まれている。しかし一方で、仮説は臨床で受ける印象と相反する面があり、質の高いシステマティックレビューの実施が強く求められていた。ドイツ・ミュンヘン工科大学のMarkus Dold氏らは、ハロペリドールの有効性、受容性、忍容性を他の第一世代抗精神病薬と比較するため、メタ解析を実施した。その結果、ハロペリドールにおいてアカシジアの発現が少なかったことを除き、統計学的な有意差は確認されなかった。ただし、「解析対象となった臨床試験はサンプルサイズが小さく、方法論的に質が低いものであった。明確な結論を得るには質の高い臨床試験が必要である」と指摘している。Cochrane Database of Systematic Reviewsオンライン版2015年1月16日号の掲載報告。

モノクロロ酢酸はいぼ治療の新たな選択肢

 疣贅(いぼ)の治療として凍結療法やサリチル酸が用いられるが、効果が得られないことも多い。オランダ・ライデン大学のSjoerd C Bruggink氏らは、モノクロロ酢酸が凍結療法あるいは凍結療法+サリチル酸併用療法に代わる、痛みのない効果的な治療選択肢となりうることを無作為化試験で示した。Journal of Investigative Dermatology誌オンライン版2015年1月13日号の掲載報告。

アリピプラゾール持効性注射薬の安全性は

 米国・大塚製薬のArash Raoufinia氏らは、統合失調症患者に対するアリピプラゾール月1回投与(アリピプラゾール持効性注射薬400mg:AOM400)の導入について、薬物動態学的(PK)データ、PKシミュレーションおよび臨床試験を概説し発表した。すべてのデータ所見は、統合失調症患者へのAOM導入時の投与量は400mgとすることを支持するものであり、すでに経口アリピプラゾールを服用し症状が安定している患者への導入の有効性、安全性、忍容性が確認されていることなどを報告した。Current Medical Research & Opinion誌オンライン版2015年1月14日号の掲載報告。

神経症傾向だと認知症リスクが高い

 パーソナリティ特性は認知症リスクと関連している。しかし、認知機能の推移との関連はほとんどわかっていない。イタリア・ボローニャ大学のMartina Luchetti氏らは、高齢者における主要なパーソナリティ特性と認知機能ならびにその低下との関連性を検討し、既報のメタアナリシスを行った。その結果、パーソナリティは高齢者における認知機能低下と関連しており、これはすでに確立している臨床因子やライフスタイル因子に匹敵することが明らかになった。The journals of gerontology. Series B, Psychological sciences and social sciences誌オンライン版2015年1月12日号の掲載報告。

重症うつ病と双極性障害の関係:徳島大

 重症うつ病は、双極性障害(BD)へと診断が変わるリスク因子の可能性がある。また精神病性うつ病(PD)は、BDと一貫した関連が認められる。徳島大学の中村 公哉氏らは、重症うつ病を有し初回入院した患者の、BDのリスクと精神病性特徴を調べ、重症うつ病診断の安定性、およびPDと非PDとの違い、さらに電気痙攣療法(ECT)の効果について検討した。Acta Neuropsychiatrica誌オンライン版2014年12月22日号の掲載報告。

腰痛に対する植物薬の実力は?

 非特異的腰痛に対する植物薬(herbal medicine)の有効性を検討する目的で、米国・ミシガン大学のHanna Oltean氏らはシステマティックレビューを行った。その結果、トウガラシはプラセボに比べ疼痛軽減に有効であることを報告した。また、デビルズクロー、セイヨウシロヤナギ、ヒレハリソウおよびラベンダー精油もプラセボより有効である可能性が示唆されたが、エビデンスの質が低~中であったという。今後、適切にデザインされた大規模試験による検討が必要だと指摘している。Cochrane Database of Systematic Reviews誌2014年12月23日号の掲載報告。

抗精神病薬は脳に委縮などのダメージを与えるのか

 最近のデータで、抗精神病薬治療と統合失調症患者における皮質灰白質減少との関連が示され、抗精神病薬の脳の構造・機能への影響に関する懸念が生じている。しかし、統合失調症患者個人の皮質機能を直接測定し、抗精神病薬に関連する灰白質の減少を示した研究はこれまで行われていなかった。米国・カリフォルニア大学のTyler A. Lesh氏らは、初回エピソード統合失調症患者を対象としたケースコントロール横断研究を実施し、抗精神病薬が脳の構造と機能に及ぼす影響を検討した。その結果、抗精神病薬による治療を行った患者は、行わなかった患者に比べ前頭葉皮質の有意な菲薄化が認められたが、前頭葉機能の活性亢進ならびに行動パフォーマンスの上昇がみられたことを報告。有害な影響ばかりではなく認知機能の改善に働く可能性を示唆した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2015年1月14日号の掲載報告。

NSAIDsは大腸がんを予防しうるか

 以前より、NSAIDsの使用が大腸がんのリスクを低減するという実質的なエビデンスがあるが、どのようなサブグループで化学的予防効果が副作用のリスクを上回るかについては特定されていない。米国・Fred Hutchinson Cancer Research CenterのXiaoliang Wang氏らは、VITAL試験のコホートを対象に、大腸がんのあらゆるリスク因子とNSAIDs使用との関連性を調べた。その結果、NSAIDsの高頻度・長期投与と大腸がんリスクとの関連性について、サブグループ間の有意差は認められなかったとしたうえで、「NSAIDsは他の因子に大きく影響されることなく、大腸がん予防において全体的に有益な役割を持つ」と結論付けた。Cancer epidemiology, biomarkers & prevention誌オンライン版2015年1月22日号掲載の報告。

抗コリン薬は高齢者の認知機能に悪影響

 高齢者、とくに認知症を有している場合は抗コリン薬の有害な影響を受けやすい。オーストラリア・ニューカッスル大学のKaren E. Mate氏らは、高齢者における抗コリン薬処方の実態とそれに関連する患者背景因子を調査した。その結果、認知症を有する例は、認知症を有していない例に比べて薬剤数が有意に多く、抗コリン薬負荷が有意に高いことを報告した。そのうえで著者は、「抗コリン薬の有害な影響を考慮すると、認知症患者に対する抗コリン薬処方について改善の余地がある」と示唆した。Drugs & Aging誌オンライン版2015年1月8日号の掲載報告。

SSRIの薬物治療モニタリング、実施率は

 SSRIの薬物治療モニタリング(TDM)の実施について、高齢患者を対象とするものが若年患者を対象としたものと比べて非常に少ないことが、ノルウェー・オスロ大学のM. Hermann氏らによる調査の結果、明らかにされた。結果について著者は、「TDMは高齢患者になるほど重要だとするガイドラインと対照的な状況である」と指摘している。Therapeutic Drug Monitoring誌オンライン版2015年1月6日号の掲載報告。