喫煙者は末期腎不全リスクが約2倍 喫煙は、糖尿病患者における慢性腎臓病(CKD)発症の主要な危険因子として確立されているが、CKDの独立した危険因子かどうかはエビデンスが一致していない。中国・上海中医薬大学のJia Xia氏らが、成人一般集団における前向きコホート研究をメタ解析したところ、喫煙がCKD発症の独立した危険因子であることが示唆された。Nephrology, dialysis, transplantation誌オンライン版2017年2月27日号に掲載。
NOAC3剤を初めて直接比較したリアルワールド研究~日本循環器学会 心房細動(AF)における脳卒中予防の進歩をもたらしたNOACであるが、直接比較による有効性のエビデンスはない。 そのような中、米国メイヨークリニックが傾向スコアマッチングでNOAC3剤の有効性と安全性を初めて直接比較した観察研究を行った。第81回日本循環器学会学術集会のミート・ザ・エキスパートでは、当発表の筆頭著者であるPeter A. Noseworthy氏が、この試験結果について詳しく紹介した。
適切なMg摂取でうつ病リスクが低下 いくつかの疫学研究では、食事によるマグネシウム(Mg)とカルシウム(Ca)摂取と、うつ病リスクとの関連が評価されている。しかし、これらの研究結果は、依然として議論の余地が残っている。中国・Qingdao UniversityのBingrong Li氏らは、これらの関連性および食事によるMg摂取とうつ病リスクとの用量反応関係を調査するため、メタ解析を行った。The Australian and New Zealand journal of psychiatry誌2017年3月号の報告。
もはや「秘め事」ではない!? 患者1,000万人超の慢性便秘の考え方 排便頻度が著しく少なく、それが原因のQOL低下を自覚するものの、便秘が医師の治療や処方を必要な疾患であると認識している人はどれほどいるのだろうか。その証拠に、セルフメディケア商品の市場規模が300億円超といわれているのが慢性便秘である。3月23日、都内でこの慢性便秘をめぐる医療の現状をテーマにしたプレスセミナーが開かれた(主催:漢方医学フォーラム)。セミナーに登壇した中島 淳氏(横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授・診療部長)は、「医師と患者の双方が、まずは便秘を『病気』として認識するとともに、適切な初療により慢性化させないことが重要だ」と述べた。
ニボルマブ、再発・転移頭頸部がんに承認 小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は2017年3月24日、抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)が「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」に対する国内製造承認事項一部変更の承認を得たと発表。
オラパリブがBRCA変異陽性卵巣がんの希少疾病用医薬品に指定 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:デイヴィド・フレドリクソン)は、現在開発中のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤オラパリブが、「BRCA遺伝子変異陽性の卵巣癌」を予定される効能・効果として、2017年3月24日、厚生労働大臣より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けたと発表した。
親の精神疾患を子供はどう思っているか 重度の精神疾患リスクを有する無症候性の人(臨床ステージ0)に対する潜在的な介入研究は、遺伝子カウンセリングや確立された疾患を有する成人患者に焦点が当てられてきた。英国・NTW NHS TrustのJo Davison氏らは、双極性障害(BD)リスクを有する青年を対象にインタビューを行った。Early intervention in psychiatry誌オンライン版2017年2月11日号の報告。
認知機能低下が懸念されるスタチン、運動併用が有効か スタチン使用と認知機能低下との関連が懸念されている。熊本大学循環器内科の研究グループでは、既に軽度の認知機能低下のある冠動脈疾患(CAD)患者におけるパイロット研究から、スタチンと定期的な運動の併用が認知機能障害の改善に役立つ可能性を報告した。Internal medicine誌オンライン版2017年3月17日号に掲載。
糖尿病網膜症の白内障手術後、ネパフェナクが有用 糖尿病網膜症を有する患者における白内障手術後のネパフェナク0.3%点眼投与は、予期せぬ安全性に関わるイベントの発生を伴うことなく、術後黄斑浮腫のリスクを低下し、視力改善にも寄与することが示された。米国・クリーブランドクリニックのRishi P Singh氏らが、2件の第III相無作為化臨床試験の結果を分析し報告した。「試験の結果は、同患者の白内障手術後のネパフェナク0.3%点眼投与について、臨床的ベネフィットがあることを示すものであった」と報告している。Ophthalmology誌オンライン版2017年3月4日号掲載の報告。
日本初、TAVIの5年結果が明らかに:PREVAIL JAPAN 日本における、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)の最初のピボタル研究であるPREVAIL JAPAN試験の5年結果が、Circulation Journal誌2017 March 17号に発表された。この結果はまた、大阪大学の澤 芳樹氏により第81回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trialセッションにて発表された。
境界性パーソナリティ障害併発、自殺に対する影響は 最近の研究によると、精神病的体験と自殺行動との間には強い関連があることが報告されている。しかし、境界性パーソナリティ障害(BPD)は一般的な精神疾患と頻繁に併発し、再発の自殺行動や精神病的体験に関連しているにもかかわらず、この関係におけるBPDの役割について研究したデータはない。アイルランド王立外科医学院のI Kelleher氏らは、BPDや一般的な精神疾患との相互関係を含む、精神病的体験と自殺企図との関連を調査した。Acta psychiatrica Scandinavica誌2017年3月号の報告。
抗血小板薬シロスタゾール、認知症リスク低下の可能性 抗血小板薬が、認知機能に対する予防効果を有するかはよくわかっていない。台湾・高雄医学大学のShu-Yu Tai氏らは、アジア人における、cAMPホスホジエステラーゼ3阻害薬である抗血小板薬シロスタゾールの使用と認知症リスクとの潜在的な関連を検討した。Neurotherapeutics誌オンライン版2017年2月13日号の報告。
チョコレート好きな人は脳卒中になりにくい!? チョコレート摂取は心臓血管に有益な効果をもたらす可能性があるが、前向きコホート研究でのエビデンスは少ない。今回、わが国の大規模コホート研究であるJPHC study(主任研究者:国立がん研究センター 津金昌一郎氏)において、チョコレート摂取と脳卒中リスクの関連を前向きに調査したところ、女性でのみ有意な逆相関を支持する結果が報告された。Atherosclerosis誌オンライン版2017年3月4日号に掲載。
夜間高血圧に対するARB/CCB併用の効果をICTモニタリングで証明~日本循環器学会 夜間血圧の上昇は心血管イベントの増加につながることから、近年、夜間血圧が注目されている。自治医科大学の星出 聡氏は、2017年3月17~19日に行われた第81回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trialセッションにおいて、情報通信技術(ICT)による夜間血圧モニタリングによって、コントロール不能な夜間高血圧症に対する2パターンのアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)併用療法を評価したNOCTURNE試験の結果を報告した。この結果は、Circulation Journal誌に同時掲載された。
オランザピンの心血管副作用、メラトニンの保護可能 第2世代抗精神病薬(SGA)は、患者の早期死亡の起因となる有害な心血管代謝系副作用と関連している。これら心血管代謝系副作用を引き起こすメカニズムは十分にわかっていないが、最近、3つの独立した研究において、メラトニンがSGA治療患者の心血管代謝リスクを防御していることが示された。循環するメラトニンの主要標的領域の1つである視交叉上核(SCN)が、SGA誘発性の早期心血管系効果に関連しているかを、メキシコ国立自治大学のFrancisco Romo-Nava氏らは、Wistarラットを用いて検討を行った。Journal of pineal research誌オンライン版2017年2月22日号の報告。
ペムブロリズマブ、難治性の古典的ホジキンリンパ腫に承認:FDA Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は2017年3月14日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)について、難治性またはこれまでに3回以上治療を受け再発した成人および小児古典的ホジキンリンパ腫(cHL)患者に対する治療薬として米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表した。
リバーロキサバン、国内最大規模のリアルワールドエビデンス~日本循環器学会 日本におけるリバーロキサバン(商品名:イグザレルト、バイエル薬品株式会社)の特定使用成績調査であるXAPASSの解析結果が、3月17~19日に金沢市で開催された第81回日本循環器学会学術集会にて発表された。本調査では脳卒中または全身性塞栓症の発症抑制を目的にリバーロキサバンを投与された非弁膜症性心房細動患者、1万例超が2012年4月から約2年間に登録された。
冠動脈疾患と脳卒中における危険因子の違い 冠動脈疾患(CHD)と脳卒中には共通のリスク因子があるが、CHDと脳卒中との関連の大きさや向きが異なる因子がある。藤田保健衛生大学の松永 眞章氏らは、アジア人におけるCHDと脳卒中による死亡において、各リスク因子による影響が異なるかどうかを、日本人の大規模コホート研究であるJACC(Japan Collaborative Cohort)Studyで検討した。その結果、高血圧との関連は一致したが、喫煙や糖尿病など他のリスク因子については一致しなかった。Atherosclerosis誌オンライン版2017年3月6日号に掲載。
「最近、睡眠時間が増えた」は認知症のサインかも 睡眠時間と認知症や脳の老化のリスクとの関連について、米国・ボストン大学のAndrew J Westwood氏らが評価を行った。Neurology誌2017年3月号の報告。