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ロタウイルスワクチン、定期接種化後の有効性を確認

 米国疾病管理予防センター(CDC)のDaniel C. Payne氏らは、ロタウイルスワクチン5価(RV5、商品名:ロタテック、接種回数3回)および単価(RV1、同:ロタリックス、同2回)の両定期接種化後初となる予防効果に関する評価を行った。その結果、両ワクチン効果(VE)は1回以上接種で80%であり、5歳未満児のロタウイルス胃腸炎による病院救急部門(ED)受診および入院に対する顕著な減少効果が認められたことを報告した。米国ではRV5は2006年に、RV1は2008年に定期接種化されたが、それ以前はほとんどの乳幼児がロタウイルスに感染し、ロタウイルスが冬場の急性胃腸炎の最高70%を占め、毎年10億ドルを超える医療・社会的コストが生じていたという。Clinical Infectious Diseases誌オンライン版2013年3月13日号の掲載報告。

統合失調症患者とタバコ、どのような影響を及ぼすのか?

 藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、ニコチン依存が統合失調症の中間表現型に影響を及ぼすか否か、またニコチン依存の病態生理について遺伝学的側面から検討を行った。その結果、ニコチン依存は統合失調症患者の言語記憶および実行機能に影響を及ぼしている可能性があること、ニコチン依存に関連するニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)遺伝子における一塩基多型(SNP)の存在を示唆した。Human Psychopharmacology: Clinical and Experimental誌オンライン版2013年4月4日の掲載報告。

【ご案内】「測ることからはじめる 糖尿病の予防と治療」広島と長野で6月開催

 日本糖尿病協会とサノフィは9日、6月に糖尿病について学ぶイベント「測ることからはじめる 糖尿病の予防と治療」を開催することを発表した。イベントはそれぞれ、6月16日(日)に紙屋町シャレオ(広島県広島市)にて、また、6月30日(日)にアリオ上田(長野県上田市)にて開催する。

てんかんと寄生虫感染との関連説を確認

 システマティックレビューとメタ解析の結果、線虫オンコセルカ(回旋糸状虫)の寄生虫感染によるオンコセルカ症と、てんかんとの関連説を支持する知見が得られたことを、ウガンダ・Basic Health Services Kabarole & Bundibugyo DistrictsのChristoph Kaiser氏らが発表した。未治療者における小結節の触診とミクロフィラリア数で定義する感染の強度が、てんかんの病因に関与していることが確認されたという。PLoS neglected tropical diseases誌3月号(オンライン版3月28日号)の掲載報告。

重度皮膚有害反応の医薬品特定にパッチテストが有用・安全

 重度皮膚有害反応(severe cutaneous adverse drug reactions:SCAR)の医薬品特定にパッチテストが有用かつ安全であることが、フランス・ナンシー大学のA. Barbaud氏らによる多施設共同研究の結果、示された。検討されたのは3つの主要なSCARである、急性汎発性膿疱性発疹症(AGEP)、薬剤性過敏症症候群(DRESS)、スティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症(SJS/TEN)であった。

統合失調症と統合失調感情障害、鑑別のポイント

 統合失調症と統合失調感情障害は、診断可能な異なる疾患なのか。診断的または臨床的に共通する部分があり、疾病分類学上の重大な問題となっている本課題について、オーストラリア・メルボルン大学のS.M. Cotton氏らは、初回エピソードに着目して、両者の違いをみた。その結果、さらなる検証は必要だが、両者は識別可能な疾患であるという概念を支持する所見が得られたことを報告した。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年3月22日号の掲載報告。

放射線照射後における白髪化誘導の最初のターゲットとなるものは?

電離放射線照射後の白髪化誘導の最初のターゲットは、色素幹細胞ではなくケラチノサイト幹細胞であると報告された。岐阜大学の青木仁美氏らによる報告。  放射線に誘発される白髪は、毛包のバルジ領域のニッシェ(微小環境)における色素幹細胞の異所性分化によって引き起こされる。バルジ領域のケラチノサイト幹細胞はニッシェを形成する重要な要素であるが、放射線誘発白髪に関して、色素幹細胞の分化とケラチノサイト幹細胞のニッシェとの関連についてはこれまで十分に解明されていなかった。The Journal of investigative dermatology誌オンライン版2013年4月2日掲載報告。

高齢者高血圧患者に適している利尿薬は?

 現在、わが国で降圧利尿薬を処方する場合、ヒドロクロロチアジドとARBの配合剤を用いることが多い一方、クロロチアジドを支持するエビデンスは多い。カナダのコホート研究より、高齢の高血圧患者においてはヒドロクロロチアジドがクロルタリドンより入院を必要とした低カリウム血症、低ナトリウム血症が少なく、心血管イベントの発生率は変わらなかったとの結果がAnn Intern Med誌に発表されたので簡単に紹介する。

ペンニードル 32Gテーパーが内径を広くする改良を発表

 ノボ ノルディスク ファーマは4日、糖尿病治療や成長ホルモン治療などの自己注射に使用する「ペンニードル 32Gテーパー」を改良したと発表した。針の細さ(外径)を32G(ゲージ)に維持しつつ、内径を30Gの針と同程度に広くすることで、注入時に必要な力が約30%減少した。  ペンニードル 32Gテーパーは、2005年、世界で最も細いペン型注入器用注射針として発売された。ペンニードル 32Gテーパーは現在、インスリン製剤やGLP-1製剤、成長ホルモン製剤などの自己注射に使用されている。インスリン注射においては1日に数回注射する必要がある患者もいるため、自己注射の痛みを軽減する必要がある。そのためは針の細さが重要となるが、針を細くすることで強度が損なわれたり、内径が狭まることにより流入量が少なくなり、注入時に強い力が必要になったり、痛みが増したりする。同社ではペンニードル 32Gテーパーに2006年、針折れを防ぐために針の根元の構造を改良し、今回はさらに、内径を広くする改良を加えたという。

Aβ沈着は認知機能にどのような影響を与えるか

 米国・ピッツバーグ大学のBeth E. Snitz氏らは、認知症発症前のアミロイドβ(Aβ)沈着が認知機能低下と関連しているか否かを検討した。その結果、画像検査で認知症が確認される前の段階で、Aβ沈着が認められる患者は認められない患者に比べて実行機能が大きく低下していることを報告した。Neurology誌オンライン版2013年3月20日号の掲載報告。

タバコの煙に対する感受性と歯周病に関係はあるのか?

 タバコの煙に対する感受性と歯周病に特徴的な関係はみられないことが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のJan Bergstrom氏らにより報告された。しかしながら、喫煙者において、歯周病の進行と肺が破壊される病理的プロセスには共変動がみられたとも言及している。これまで、タバコに対する感受性が高いことで発症するCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と歯周病の関係についてはあまり検討されていなかった。

セロトニンが重要な役割を果たす!うつ病合併側頭葉てんかん

 アイルランド国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)のAshley Martinez氏らは、うつ病を合併した側頭葉てんかんにおける5-HTトランスポーターと5-HT1A受容体の機能について検討を行った。その結果、これらの患者ではセロトニン再取り込みが低下し、シナプス5-HTのアベイラビリティが増加している状況が推察され、5-HTTと5-HT1A受容体が相補的に機能している可能性が示唆されたという。著者は、「セロトニン作動性神経の機能変化は、うつ病を併発している側頭葉てんかんにおいて重要な役割を果たしていると考えられる」と結論している。Neurology誌オンライン版2013年3月20日号の掲載報告。

統合失調症認知評価尺度SCoRS、臨床での有効性を実証

 イタリア・ブレシア大学のAntonio Vita氏らは、統合失調症患者の認知パフォーマンス測定に有効とされる統合失調症認知評価尺度(Schizophrenia Cognition Rating Scale:SCoRS)について、臨床における有効性を検証した。その結果、有効性が示され、心理社会的機能の評価にも有効で、とくに安定期の統合失調症患者に有用であることを報告した。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年3月16日号の掲載報告。

双極性障害の治療アドヒアランスを改善するには?

 ブラジル・サンパウロ連邦大学のEmilie Leclerc氏らは、双極性障害の治療アドヒアランスに関連する因子を明らかにする包括的レビューを行った。その結果、非アドヒアランスには複数因子が関与しており、アドヒアランスを高める戦略には、治療同盟の強化、柔軟なトピック、早期介入、集団療法の設定、サイコエデュケーションなどを含む必要があることを報告した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2013年3月9日号の掲載報告。