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転移性大腸がんに対するIRIS+セツキシマブの安全性~第10回日本臨床腫瘍学会学術集会

転移性大腸がんに対するIRIS+セツキシマブの第II相試験の安全性解析結果から、本レジメンでは下痢の発現頻度が高く、投与にあたっては減量などのコントロールが重要であり、試験の事務局でデータを管理し対処方法を検討しながら試験を進めていく必要性が示された。第10回日本臨床腫瘍学会学術総会(2012年7月26~28日)のワークショップ6「大腸がん・新しい方向性」で、北海道大学病院腫瘍センターの小松嘉人氏が報告した。

新規分子標的薬の開発に従来型の大規模臨床試験は必要か?~第10回日本臨床腫瘍学会学術集会

 がん治療における「個別化治療」は、最近の分子標的薬剤の開発によって現実化してきている。第10回日本臨床腫瘍学会学術総会(2012年7月26~28日、大阪国際会議場)のシンポジウム5「Biomarkerによる個別化治療の進歩」では、各領域がんの個別化治療の現状と将来展望について講演が行われた。「バイオマーカーに基づく非小細胞肺癌における治療開発」と題して講演を行った近畿大学の岡本勇氏は、新規分子標的薬の開発における臨床試験について、「非小細胞肺がんは、遺伝子変異別に薬剤を投与する時代になり、各遺伝子変異の頻度が非常に少ないこともわかってきたことから、従来型の大規模臨床試験による新薬開発からマインドを変える必要がある」と提言した。

「痛み」の種類に応じた治療の重要性~全国47都道府県9,400人を対象とした実態調査~

痛みとは本来、危険な外的刺激から身を守ったり、身体の異常を感知したりするなど、生命活動に必要なシグナルである。しかし、必要以上の痛みや原因のない痛みは防御機能として作用しないばかりか、健康や身体機能を損なう要因となるため、原因となる疾患の治療に加えて痛みのコントロールが必要となる。

太る!境界性人格障害「MetS有病率2倍」

境界性人格障害(BPD)患者は拒食症や過食症といった摂食障害を併発することが少なくない。そして、摂食障害はメタボリックシンドローム(MetS)と関係しており、将来の2型糖尿病や冠動脈疾患の発症に影響を及ぼすと考えられる。Kahl氏らはBPD患者のMetS有病率やリスクファクターを検討した。Eur Arch Psychiatry Clin Neurosci誌オンライン版2012年7月10日号の報告。

障害者総合支援法によって新たに生まれる「制度の谷間」

「フリースペース彩~内部障害・難病当事者ネットワーク~」 副代表 白井誠一朗 篠原三恵子 2012年7月24日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 私たちの会では2007年より、障害認定されている内部障害や、国が認定している難病に限定せずに、内部障害や疾病等により生活上で様々な困難を抱えている人たちの、自由な情報交換や当事者同士のサポートなどを行って参りました。

検証「グルタミン酸仮説」統合失調症の病態メカニズム

統合失調症の病態メカニズムとして、近年注目されているグルタミン酸仮説。グルタミン酸仮説では、統合失調症における神経伝達機能の障害にはN-メチル‐D-アスパラギン酸(NMDA)受容体を介するグルタミン酸作動性シグナル伝達の異常が関与しており、このシグナル伝達の阻害が行動や認知機能に影響を及ぼすとしている。

今後も評価の価値あり…転移性乳がんのマルチチロシンキナーゼ阻害薬TSU-68

TSU-68はVEGFR-2、血小板由来増殖因子受容体と線維芽細胞成長因子受容体を阻害する新たなマルチキナーゼ阻害薬である。東海大学のSuzuki氏らは、アントラサイクリンレジメン+タキサンによる術前治療にも関わらず進行した転移性乳がん患者におけるTSU-68単剤療法の有効性と安全性を評価する臨床第II相試験を実施し、その結果をInternational Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2012年5月15日号に報告した。

相双地区に研修医指定病院を―被災地チーム医療のなかでの若き主人公―

相馬中央病院 副院長 小柴 貴明 2012年7月23日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 相馬中央病院へ、総胆管結石から急性膵炎となった初老の女性患者が受診された。

気温31℃超で気分症状が再発!入院も増加

 双極性障害は一般的に躁症状とうつ症状を繰り返し発症する疾患である。これらの症状の発症には、季節性の要因が関与していることも少なくない。Sung氏らは気温と双極性障害との関係を明らかにするため、台湾における精神科入院患者を対象としたコホート研究を行った。Soc Psychiatry Psychiatr Epidemiol誌オンライン版2012年7月5日号の報告。

なぜ、うつ病患者はアルツハイマー病リスクが高いのか?

アルツハイマー病(AD)にはアミロイドβ(Aβ)に対する自己抗体レベルの減少が関与していると考えられている。また、生涯にわたるうつ病の罹患はADリスクを2倍に上昇させるともいわれていることから、うつ病患者においてAβに対する自己抗体の減少がみられている可能性がある。Maetzler W氏らはうつ病患者におけるADリスクと自己抗体の関係についての検証を試みた。J Alzheimers Dis誌オンライン版2012年7月5日の報告。

日本語版COPDアセスメントテスト(CAT)は普及するか?

「日本語版COPDアセスメントテスト(CAT)は、高い信頼性と妥当性を有する、短く簡単な質問表として、COPD患者の健康状態を的確に評価するうえで役立つ可能性がある」と霧ヶ丘つだ病院の津田氏らが報告した。CATはCOPD患者の健康状態を評価したり、心理特性を確認するために用いられる質問票であり、近年、海外で普及が進んでいる。Respiratory investigation誌2012年6月号(オンライン版2012年6月19日号)掲載の報告。

アジアの臨床腫瘍学のエピセンターを目指すJSMO2012 第10回日本臨床腫瘍学会学術集会プレスセミナーより

今年の日本臨床腫瘍学会(以下、JSMO)学術集会は10周年記念大会として、"Beyond the Global Standard of Medical Oncology 縲弃erspectives from Asia縲鰀"をテーマとして掲げ 、7月26日~28日の3日間、大阪国際会議場で開催される。10ヵ所の講演会場とポスター会場を使い、1,000題を超えるプレゼンテーションが行われる。今年の学術集会の見どころを、13日に行われたプレスセミナーで、会長である近畿大学医学部内科学教室腫瘍内科部門 教授 中川和彦氏が紹介した。

SGLT2阻害薬「イプラグリフロジン」の、BG薬併用下での安全性は?

 2型糖尿病患者に対する、SGLT2選択的阻害薬「イプラグリフロジン」のメトホルミン(商品名:メトグルコなど)併用下での安全性データが発表された。Veltkamp SA氏らによるClin Ther誌オンライン版2012年7月13日付での報告。  この結果、イプラグリフロジンとメトホルミンの14日間併用投与は、低血糖の発現なく、良好な忍容性を示し、イプラグリフロジンの併用は、メトホルミンの薬物動態(PK)特性には、臨床的変化はもたらさないことが明らかになった。

うつ病予防に「脂肪酸」摂取が有効?

うつ病リスクの増悪にn-3系多価不飽和脂肪酸(PUFA)の摂取量や血中レベルの低下が影響していると考えられているが、まだ明らかになってはいない。Park Y氏らは赤血球中のn-3系PUFAや魚類の摂取量がうつ病リスクと負の相関を示すのではないかと考え、この仮説を明らかにするためケースコントロール研究を行った。Ann Nutr Metab誌オンライン版2012年7月6日号の報告。