身長に影響する約1万2,000個の遺伝子多型を特定
通常、子どもの身長がどの程度伸びるかは、両親の身長に基づき予測される。こうした中、約540万人を対象とした世界最大規模のゲノム解析から、身長の高さには1万2,000個を超える塩基配列の変化(遺伝子のバリアント)が影響していることが明らかになった。クイーンズランド大学(オーストラリア)分子生物学研究所のLoic Yengo氏らによるこの研究結果は、「Nature」に10月12日発表された。
Yengo氏らは、538万80人を対象にしたゲノムワイド関連解析(GWAS)のデータを分析した。解析の対象となった参加者の大半(75.8%)はヨーロッパ系であり、そのほかは、東アジア系が8.8%、ヒスパニック系が8.5%、アフリカ系が5.5%、南アジア系が1.4%だった。Yengo氏によると、本研究において非ヨーロッパ系の人々の占める割合は、通常のGWASの研究よりは多いが、それでもヨーロッパ系の人々に偏っており、このことは以前から問題になっているのだという。同氏はこの点について、「より多様な遺伝子データの収集に向けたイニシアチブが、全世界で増えつつある。全ての人口集団に遺伝子研究のベネフィットがもたらされる機会を広げることが重要だからだ」と説明している。