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痩せるだけでうつは軽減する

 肥満者のうつ病有病率は、正常体重者の2倍であると報告されている。肥満とうつ病には、潜在的に双方向の関連がある。いくつかの研究において、うつ病が体重増加や肥満を引き起こすことが示唆されており、他の研究においては、肥満者がその後うつ病を発症する可能性が高いことが示唆されている。オーストラリア・シドニー大学のN. R. Fuller氏らは、12ヵ月間の研究において、うつ症状と体重変化との関連性を調査した。Clinical obesity誌オンライン版2017年8月11日号の報告。

ニボルマブ、進行・再発胃がんに国内承認

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁)とブリストル・マイヤーズスクイブ社(NYSE:BMY)は2017年9月22日、抗PD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)が、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌」に対する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したと発表。

オラパリブがBRCA遺伝子変異陽性乳がんの希少疾病用医薬品に指定

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役会長:マーク・デュノワイエ)は、現在開発中のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤オラパリブが、「BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳がん」を予定される効能・効果として、2017年9月29日、厚生労働大臣より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けたと発表した。本邦では、オラパリブは2017年3月に「BRCA遺伝子変異陽性の卵巣がん」の希少疾病用医薬品に指定されている。

高齢者の睡眠薬の選択、ケアマネの約6割「適正薬へ見直し必要」と回答

 2017年9月27日、MSD株式会社は「在宅で介護を受ける高齢者の睡眠実態と不眠症の適切な治療のあり方」と題したメディアセミナーを開催。同社が実施したケアマネジャー対象の在宅要介護高齢者における睡眠実態調査の結果、不眠症治療薬の服用について67.4%(337人/500人)が「利用者が眠るために必要である」と答える一方、57.8%(289人/500人)が「利用者の状態によっては適正な薬への見直しが必要である」と回答したことが明らかになった。演者の1人である内村 直尚氏(久留米大学医学部 神経精神医学講座 教授)は、「転倒・骨折のリスクや認知機能への影響などから、高齢者においては特に不眠症治療薬の選択を慎重に行うべきで、可能な限り少量・少剤・短期間とすることが望ましい」と述べ、現状の不眠症治療の課題と適切な治療法の選択について講演した。

認知症になりにくい性格は

 「誠実さ」が認知症に対して保護的に働くことが、複数の研究で示唆されている。米国・フロリダ州立大学のA. R. Sutin氏らは、「誠実さ」の特定の因子が認知機能障害に対し最も保護的であるか、これらの関連が患者背景的因子や遺伝的リスクにより緩和されるかについて検討を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年9月6日号の報告。

epacadostat・ペムブロリズマブ併用で進行性メラノーマのPFSが12ヵ月に(ECHO-202試験)/ESMO2017

 2017年9月9日Incyte CorporationとMerck & Co., Inc.,は、スペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)における、選択的IDO1阻害薬epacadostatと、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の進行性悪性黒色腫に対する併用療法を検討する第I/II相臨床試験ECHO-202(KEYNOTE-037)の最新データを発表した。

虫垂炎の非外科的治療後、腸がん罹患率が4倍に

 虫垂炎に虫垂切除ではなく抗菌薬で治療された患者では、診断の難しさと長年の炎症によって腸がん罹患率が増加する恐れがある。今回、スウェーデン・ウプサラ大学のMalin Enblad氏らの研究で、虫垂炎の非外科的治療を受けた患者では短期および長期における腸がん罹患率が増加したことが報告された。著者らは、「虫垂炎患者の最適な管理に関する議論ではこの結果を考慮すべき」としている。European Journal of Surgical Oncology誌オンライン版2017年9月7日号に掲載。

ALK陽性肺がん2次治療におけるアレクチニブと化学療法との第III相比較試験(ALUR)/ESMO2017

 ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)治療の現在の標準はクリゾチニブである。しかし、多くの患者は、1年以内にPDを経験し、それはとくに中枢神経系(CNS)でよくみられる。第III相ALUR試験は、プラチナベース化学療法およびクリゾチニブ既治療のALK陽性NSCLCにおいて、アレクチニブと標準化学療法の有効性および安全性を比較試験であり、その初期結果がスペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)で、イタリアUniversity of TurinのS. Novello氏より発表された。

医療機関向け連続セミナー「臨床現場で役立つ法律のエッセンス~法的ケーススタディ~」のお知らせ

 医療を提供するうえで、いかに安全を心掛けていても、有害事象が起きることは避けられない。その際、初期対応を誤ると患者さんとの信頼関係が崩れ、重大な民事紛争に発展するのみならず、警察や検察による捜査を受け、一方的なメディア報道にさらされることになれば、患者さん側と医療従事者側の双方に大きなダメージが生じる。

5-FUクリーム、肌の光老化への効果は?

 長期にわたる紫外線曝露による皮膚の老化(光老化)は、多くの患者にとって審美的な問題である。米国・ブラウン大学のKaveri Korgavkar氏らは、日光角化症の治療に用いられるフルオロウラシルクリーム5%(5-FUクリーム)の光老化に対する効果を、写真数値化スケール(photonumeric scale)を用いて検討したが、光老化の改善は認められなかった。著者は結果について、「光ダメージに対し本当に効果がないのか、もしくは効果を測る写真数値化スケールに限界があるのかもしれない」との見解を示し、「ほくろ、色素沈着および毛細血管拡張など、シワ以外の光老化の徴候を含む写真数値化スケールの開発を考えなければならない」と報告をまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年9月6日号掲載の報告。

中年期の脂質異常が晩年の認知低下に関連

 これまでの研究では主に、晩年における脂質レベルとその後の認知機能変化との関連を検討しているが、晩年よりも中年期でのリスク因子が認知機能の健康に最も関連していることが多い。今回、米国・ジョージワシントン大学のMelinda C. Power氏らは、コホート研究で、中年期の総コレステロール・LDLコレステロール・トリグリセライドの値が高いことが、その後20年の認知機能低下と関連していたことを報告した。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2017年9月12日号に掲載。

双極性障害で過食行動を合併しやすい患者の特徴

 双極性障害患者において、過食行動や過食性障害との合併が頻繁に認められることが、最近の研究(とくに米国の研究)より報告されている。双極性障害と過食症との基本的な臨床的関連性は調査されているが、食生活の心理的または気質的側面および質的側面については、あまり知られていない。フランス・Centre Hospitalier Sainte-AnneのHortense Boulanger氏らは、フランスにおける双極性障害患者のコホート研究より、過食行動の有病率および疾患の特徴、不安、衝動性、感情調節と食習慣との関連を調査した。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年8月30日号の報告。

オシメルチニブ、東アジア人のCNS転移例における効果(AURA17)/ESMO2017

オシメルチニブのT790M陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)のCNS転移例に対する有効性は、国際研究(AURA拡大およびAURA2試験のプール解析)で示されている。スペイン・マドリッドで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)においては、EGFR-TKIで進行した東アジア人患者のCNS転移例に対するオシメルチニブの第II相オープンラベル、シングルアーム試験AURA17の結果が報告された。

加齢黄斑変性へのラニビズマブ、T&E療法の効果は?

 血管新生を伴う加齢黄斑変性(滲出型加齢黄斑変性:AMD)の治療において、ラニビズマブ(商品名:ルセンティス)0.5mgのTreat-and-Extend(T&E)療法は毎月1回投与する治療法に対し、視力改善効果が統計学的に非劣性であり、臨床的に同等であることが示された。ポルトガル・コインブラ大学のRufino Silva氏らがTReat and extEND(TREND)試験で明らかにした。安全性においても、T&E療法で新たに問題となる有害事象はみられなかった。Ophthalmology誌オンライン版2017年9月8日号掲載の報告。

NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ+化学療法の追跡結果(KEYNOTE-021)/ESMO2017

 進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、ペメトレキセド+カルボプラチン化学療法(PC)群とペムブロリズマブ+化学療法(pembro+PC)群とを比較した第II相試験、KEYNOTE-021コホートGの更新結果が、米国Fox Chase Cancer Center のHossein Borghaei氏によりスペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congerss)で発表された。