医療一般|page:363

コーヒー豆は浅煎りを選んでがん予防

 コーヒーは世界で最も広く飲まれている飲料の1つであり、健康に有益な多くの植物性化合物を含んでいる。これまでに、浅いローストレベル(焙煎度)の豆が、高い抗酸化活性を持つという報告1)があるが、抗がん作用との関わりは明確にされていなかった。今回、米国・カリフォルニア州立大学のBenigno E. Mojica氏らの研究結果より、浅めに焙煎されたコーヒー豆が、口腔および結腸がんのような、特定のがん予防に寄与する可能性が示唆された。Journal of food science誌2018年4月号に掲載。

アジアの小児自閉スペクトラム症の過敏性に対するアリピプラゾールのオープンラベル試験

 アジアの小児および青年(6~17歳)の自閉スペクトラム症の過敏性に対する、アリピプラゾールの有効性および忍容性を調査するため、韓国・蔚山大学校のHyo-Won Kim氏らは、12週間の多国籍多施設オープンラベル試験を実施した。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2018年4月24日号の報告。

ニボルマブ・イピリムマブ併用、高腫瘍変異負荷肺がん1次治療でPFS延長/NEJM

 ニボルマブとイピリムマブは、第I相CheckMate-012試験で非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に有効性を示し、また腫瘍変異負荷(TMB)はバイオマーカーとして注目されている。そのような中、ニボルマブおよびニボルマブベースのレジメントと化学療法を比較した、無作為化オープンラベルマルチパート第III相CheckMate-227試験から、TMB高レベル患者(1メガベースあたりの変異が10個以上)における、ニボルマブ+イピリムマブ群と化学療法群を比較したPart1の結果が、NEJM誌2018年4月16日号とAACR2018で同時に発表された。

赤身肉や加工肉の摂取、悪性黒色腫発症のリスクを低下?

 赤身肉および加工肉の摂取は、がんのリスク増加に関与していることが知られているが、悪性黒色腫との関連については結論が得られていない。米国・ハーバード公衆衛生大学院のHsi Yen氏らが、2つの前向きコホート研究、Nurses' Health Study(NHS)およびHealth Professionals Follow-up Study(HPFS)を使用した調査と解析の結果、赤身肉および加工肉を多く摂取することは悪性黒色腫の発症リスクを低下させる可能性があると報告した。ただし結果について著者は、「この2つのコホート研究の対象者は白人の医療従事者に限られているので、今回の結果は一般化可能性に限界があるかもしれない」と述べている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年4月23日号掲載の報告。

日本人は身長が高いと脳血管死亡リスク低い~JPHC研究

 成人の身長と死亡リスクの関連が以前の研究で示唆されているが、日本人における身長と全死因死亡率・疾患別死亡率との包括的な関連は不明である。今回、わが国の前向きコホート研究(JPHC研究)で評価したところ、成人での身長が高いと、男女共に脳血管疾患死亡リスクが低く、逆に男性のがん死亡リスクが高いことが示唆された。PLOS ONE誌2018年5月14日号に掲載。

軽度~中等度のアルツハイマー病患者における急速な認知機能低下の予測因子

 アルツハイマー病(AD)は、治療や予防手段がなく、進行を遅らせる方法が証明されていない疾患である。ADは、あまり知られていないさまざまな因子に起因する認知機能悪化と関連している。フランス・リモージュ大学のAchille E. Tchalla氏らは、高齢者のAD患者における急速な認知機能低下に関連する要因について検討を行った。Dementia and geriatric cognitive disorders誌オンライン版2018年4月23日号の報告。

エピシルが化学療法や放射線療法の口内炎の口腔内疼痛を緩和/Meiji Seikaファルマ

 Meiji Seikaファルマ株式会社は2018年5月16日、局所管理ハイドロゲル創傷被覆・保護材エピシル口腔用液(以下、エピシル)の販売を開始した。  エピシルは口腔内病変の被覆および保護を目的とする非吸収性の液状機器。口腔粘膜にエピシル適量を適用すると数分以内に口腔粘膜の水分を吸収してゲル状になり、物理的バリアを形成することにより、化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛を管理および緩和する。

うつ病に関する理解とスティグマの調査

 うつ病による負荷は、世論、スティグマ、そしてその結果として生じる行動から影響を受ける。うつ病患者やその周囲に関する知識の欠如、誤解、スティグマは、彼らのメンタルヘルスを改善するうえで障壁となっている。筑波大学の横谷 省治氏らは、うつ病に関する世論、とくに認知、治療法、スティグマについて調査を行った。Journal of clinical medicine research誌2018年3月号の報告。

8種類の抗てんかん薬における主要な先天性奇形リスク比較のコホート研究

 抗てんかん薬による催奇形リスクを比較したエビデンスは不十分であり、とくに投与量に関連したエビデンスが不足している。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のTorbjorn Tomson氏らは、抗てんかん薬の先天性奇形の発症頻度を比較するため、単剤療法で最も一般的に使用される8種類の抗てんかん薬について検討を行った。The Lancet. Neurology誌オンライン版2018年4月18日号の報告。

抗微生物薬適正使用の手引き改正へ向けて

 2018年5月14日、第4回の抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(座長:大曲 貴夫氏[国立国際医療研究センター病院国際感染症センター長])が、厚生労働省で開催され、「抗微生物薬適正使用の手引き」の改正の方向性の確認、改正内容の検討が行われた。今後、数度の部会での検討を経たうえで、薬剤耐性(AMR)に関する小委員会および厚生科学審議会感染症部会で審議、発表される。なお、発表時期は未定。

オセルタミビル10代への使用制限解除へ

 2018年5月16日、厚生労働省は「抗インフルエンザウイルス薬の安全対策」を議題に、薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会を開催した。主な論点は、抗インフルエンザ薬と異常行動に関する安全対策措置について、2007年からオセルタミビルリン酸塩(商品名:タミフル)のみに適用されている、10代への原則使用差し控え措置についてなど。

自殺リスク患者に対するesketamine鼻腔内投与の有効性、安全性に関する二重盲検ランダム化比較試験

 自殺リスク患者において、標準治療にesketamine鼻腔内投与を追加した際の、抑うつ症状の急速軽減効果について、米国・ヤンセン・リサーチ&ディベロップメントのCarla M. Canuso氏らが、検討を行った。併せて、自殺リスクについても検討を行った。The American journal of psychiatry誌オンライン版2018年4月16日号の報告。

心房細動の男性の死亡リスク、独身は既婚の1.25倍

 心房細動患者において、社会経済的因子と死亡率や心血管系合併症リスクとの関連はあまりわかっていない。今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のPer Wandell氏らによる心房細動患者のコホート研究で、低学歴者および独身(未婚・離婚)男性では死亡や心血管系合併症のリスクが高いことが報告された。European Journal of Public Health誌オンライン版2018年5月9日号に掲載。

双極性障害と統合失調症患者の興奮症状の特徴

 興奮症状は、内的な緊張や不安から暴力、攻撃性に至るまでの症状を含む、双極性障害や統合失調症にみられる共通の症状である。これまでの文献の多くは、急性の興奮症状に焦点を当てており、患者の体験に関しては不十分であった。英国・Adelphi Real WorldのJenna Roberts氏らは、コミュニティに焦点を当て、患者視点の興奮症状の特徴とそのマネジメントに関して調査を行った。BMC psychiatry誌2018年4月16日号の報告。