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コーヒー・紅茶の摂取量と原因別の死亡率の関係~人種によって異なる?

 コーヒーや紅茶の摂取量と死亡率は逆相関することが示唆されているが、原因別の死亡率との関係はあまりわかっていない。米国マイアミ大学のHannah Gardener氏らは、コーヒーや紅茶の摂取量と原因別の死亡率(血管関連、血管関連以外、がん、すべての原因)との関係を、多民族集団ベース研究であるNorthern Manhattan Studyでプロスペクティブに検討した。この調査では、人種によりコーヒー摂取量と血管関連死との関係が異なることが示唆された。Journal of Nutrition誌オンライン版2013年6月19日号に掲載。

5-HT1A受容体が精神科薬物治療で注目されている

 スペイン・バルセロナ バイオメディカル研究所のPau Celada氏らは、新たな精神疾患の治療薬開発にあたって注目されているセロトニン5-HT1Aの合理的根拠と研究の現状について報告した。冒頭、著者は精神疾患の治療薬の現状について、「現代社会において精神疾患は、多額の経済損失をもたらしている。一方で、薬物治療は、いまだ至適とは言い難い状況にある」と指摘している。CNS Drugsオンライン版2013年6月12日号の掲載報告。

慢性疼痛に対し認知行動療法をベースにした疼痛自己管理プログラムが有効

 慢性疼痛に対してしばしば認知行動療法が行われているが、オーストラリア・シドニー大学のMichael K. Nicholas氏らは、認知行動療法をベースとした疼痛自己管理(pain self-management:PSM)プログラムが高齢の慢性疼痛患者において、少なくとも短期的には有効であることを無作為化試験により明らかにした。Pain誌2013年6月号(オンライン版2013年2月26日号)の掲載報告。

脱毛症の男性は前立腺がんの発症リスクも高いのか?

 男性型脱毛症(AGA)は遺伝性で年齢に強く依存し、男性ホルモンのアンドロゲンがその発症に重要な役割を担っていると考えられている。米国・クリーブランドクリニックのAline Amoretti氏らは、AGAと前立腺がんは類似のリスク因子を有しており関連性があると考えられるとして、そのエビデンスを調べるシステマティックレビューとメタ解析を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年6月号(オンライン版2013年2月8日号)の掲載報告。

混合診療で人工膝関節全置換術の予後は変わるのか?

 シンガポールには、日本と似たような国民に公的医療の提供を保障する、強制加入と補助金で運営する国民皆保険制度がある。一方で、公立病院であっても、外科医の選択や個室など保険対象外のオプションを選択することも可能となっている。シンガポール総合病院のHamid Rahmatullah Bin Abd Razak氏らは、これまで同制度に関連した検討がなかった、人工膝関節全置換術(TKA)の予後に対する医療費補助の影響についてレトロスペクティブに検討した。Orthopedics誌2013年6月1日号の掲載報告。

【ご案内】ヘルスケアリーダーシップ研究会「IHL2013」説明会

 NPO法人 ヘルスケアリーダーシップ研究会(IHL)は、2013年7月20日(土)に、9月からスタートする第5期の説明会を開催する。IHLは、「ヘルスケアに関わる者として、自分の価値観(死生観・医療観)を持ち、強い意志のもと、人々の共感を得ながら、社会の変革と創造を推進することができるリーダーを輩出する」ことをミッションとしたNPO法人で、「セミナー活動」「研究会活動」「キャリア支援」の3つを活動の柱としている。

仕事のストレスの大きい人がうつになると低骨密度に!?

 職業性ストレスはうつ症状と関連し、うつ病は低骨密度に関連しているが、骨密度と職業性ストレスとの関連性は検討されていない。トゥルク大学(フィンランド)のM.Oikonen氏らが、フィンランドの若年成人において、骨密度、職業性ストレス、うつ症状との関係を検討した結果、職業性ストレスにより、うつ症状と骨密度との関連性が変化することが示唆された。著者らは、高い職業性ストレスのあるうつ状態の人は低骨密度のリスクが増加する可能性があるとしている。International Journal of Behavioral Medicine誌オンライン版2013年6月19日号に掲載。

陽性検出率は69%、爪真菌症のための迅速・正確な診断法MS-ELISAを開発

 ドイツ・シャリテ・ベルリン医科大学のF. Pankewitz氏らは、目標遺伝子とDNA抽出法を至適化し、迅速にT.rubrum(紅色白癬菌)爪真菌症を特定できる新たな診断法を開発した。爪真菌症の有病率は過去10年間で、着実に増加したという。爪真菌症では最初の正確な診断が治療の成功および費用対効果に重要だが、現状の診断法は、迅速なものではなく、感度、特異度も低いとして、著者らは新たなPCR酵素結合免疫吸着検査法(enzyme-linked immunosorbent assay:ELISA)を開発した。

今も半数以上の医師が一般名処方を行っていない

 ケアネットは21日、自社で運営するケアネット・ドットコムの医師会員1,000人に対し2013年6月6日~7日に実施した、“一般名処方”に対する意識調査の結果を発表した。本調査は、後発医薬品使用促進策の一つとして2012年4月に新設された“一般名処方加算”に関連して、現在の実施状況を尋ねたもの。その結果、実施後1年超が経過した今も半数以上の医師が一般名処方を行っていないことが明らかとなった。

帯状疱疹後神経痛、認知障害回避には局所疼痛治療が有益

 フランス・Centre de Pharmacologie CliniqueのGisele Pickering氏らは、帯状疱疹後神経痛を有する高齢患者について、痛みが及ぼすいくつかの認知領域への影響について検討した。その結果、疼痛といくつかの認知障害との関連、および疼痛治療に関して全身性治療は認知障害と関連していること、一方で局所治療は認知機能を障害することなく疼痛治療に有益であることを明らかにした。

整形外科医はオピオイドの有効性に疑問を持っている可能性がある

 非がん性慢性疼痛へのオピオイド使用に対する考えは徐々に変化してきており、オピオイド処方の増加に伴い長期有効性および安全性が大きな問題となっている。米国・United BioSource CorporationのHilary D. Wilson氏らによるアンケート調査の結果、慢性疼痛患者に対するオピオイド使用に関する考え方は、医師の専門分野によって違いがあることが明らかとなった。

治療介入により認知症発症率はどこまで減らせるか?

 今後、認知症患者数は平均寿命の延長に伴い、飛躍的に増加することが予想されている。いくつかの研究では、糖尿病や高血圧といった介入可能なリスクファクターを制御することで、認知症の発症率が減少することも示唆されている。しかし、これら血管系の要因を治療することは死亡リスクを減少させるが、そのような公衆衛生介入が認知症の有病率に及ぼす実際の影響に関しては不明なままである。フランス・ボルドー・セガレン大学のHelene Jacqmin-Gadda氏らは、フランスにおける将来の認知症有病率を予測し、また認知症の危険因子を標的とする公衆衛生介入が、認知症有病率に影響を及ぼすかを評価した。European journal of epidemiology誌オンライン版2013年6月12日号の報告。

百日咳ワクチン接種の副反応・かゆみを伴う硬結、その予後は?

 スウェーデン、イエーテボリで行われた先行研究において、1990年代に水酸化アルミニウムを含む沈降精製の百日咳トキソイドワクチンを接種した小児約7万6,000人のうち745例で、接種部位に持続性のかゆみを伴う硬結の発現がみられたことが報告されている。サールグレンスカ大学病院のAnette Gente Lidholm氏らは、当該小児の、ワクチンによって引き起こされたアルミニウムアレルギーの予後を調査した。Contact Dermatitis誌2013年5月号の掲載報告。

境界性パーソナリティ障害と睡眠障害は密接に関連

 Edward A. Selby氏は、境界性パーソナリティ障害(BPD)と睡眠障害の関連について、レトロスペクティブに検討を行った。その結果、BPDと睡眠障害との間に関連が認められ、両者が相互に悪影響を及ぼし合っている可能性が示唆された。これまで、BPDにおける慢性睡眠障害の状況を検討した研究は少なかった。Journal of Consulting and Clinical Psychology誌オンライン版2013年6月3日号の掲載報告。

手の手術後の複合性局所疼痛症候群(CRPS)が明らかに

 CRPSの研究は、利用可能な試験コホートにおける不均一性により難しいとされている。米国・スタンフォード大学のAlison Pepper氏らは、手の手術を受けた患者における、早期にみられる複合性局所疼痛症候群(CRPS)様症状の特色を特徴づけることを試みた。その結果、共通してみられることとして、点刺激や圧刺激、寒冷刺激に対する感度が高いことなどを明らかにした。The Journal of Pain誌2013年5月号(オンライン版2013年2月28日号)の掲載報告。

治療抵抗性統合失調症患者の脳は、特徴的な所見を示す

 統合失調症では最大3分の1の患者が治療抵抗性を示す。ブラジル・サンパウロ連邦大学のAndre Zugman氏らは非治療抵抗性および健常対照との比較で、それら治療抵抗性患者の脳皮質厚の特徴を調べた。その結果、統合失調症では特異的所見かつ、より重症であることを示す皮質厚の特徴として、背外側前頭前皮質(DLPFC)の減少がみられたことを報告した。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年5月27日号の掲載報告。