医療一般|page:557

初発慢性骨髄性白血病の治療選択肢が増加、使い分けの時代へ

 2011年6月16日、抗悪性腫瘍剤ダサチニブ(商品名:スプリセル)が慢性骨髄性白血病(CML)のファーストライン治療薬としての新たな効能が承認されたことを受け、同月30日、ブリストル・マイヤーズ株式会社と大塚製薬株式会社による記者説明会が開催された。本会では、名古屋第二赤十字病院血液・腫瘍内科部長の小椋美知則氏より、CML治療の変遷と国際共同第3相試験「DASISION試験」の結果、さらにCML治療の今後の展望について講演が行われた。

ヘルスケアリーダーシップ研究会主催 「IHL2011」説明会・公開セミナーのご案内

ヘルスケアリーダーとしての感性と知性を磨く場として、よりよい日本の医療の実現に志高く取り組んでいる方々が集うIHL(NPO法人 ヘルスケアリーダーシップ研究会)は、第3期となる「IHL2011」のメンバーを募集しています。第2期の「IHL2010」では約50名の志高い方々が、素晴らしい講師陣のもとで、リーダーシップの醸成を図りました。そして、「IHL2011」もさらにパワーアップをし、本年9月よりスタートします。

骨髄異形成症候群-相次ぐ新薬発売で治療が大きく変化

骨髄異形成症候群(MDS)は、高齢者に多く見られる疾患で、高齢者の人口増加に伴い有病率の増加が懸念されている。MDS治療において、治癒を期待できるのは造血幹細胞移植のみであるが、高齢者には難しく、有効な治療手段がない。このような状況のなか、昨年から今年にかけてMDS治療における新薬の発売が相次ぎ、治療方法が大きく変化しつつある。 ここでは、2011年5月31日、帝国ホテル(東京)にて開催されたプレスセミナー「今だからこそ正しく知りたい『血液がん』~MDSの事例から~」(主催:セルジーン株式会社)での埼玉医科大学総合医療センター血液内科 教授 木崎昌弘氏の講演から、MDSの最新の治療についてレポートする。

食塩摂取や肥満などの環境因子が遺伝子を変え、塩分感受性高血圧を発症する ―東大 藤田氏らが世界に先駆けて解明―

食塩や肥満などの環境因子が食塩排泄性遺伝子WNK4遺伝子の転写活性を抑制し、高血圧を生じることを藤田敏郎氏らの研究チームが世界で初めて明らかにした。この研究結果は4月17日、米国の科学雑誌「Nature Medicine」のオンライン版に掲載された。本研究は「エピジェネティクス」と呼ばれる新しい研究分野で、「遺伝子配列は変えずに後天的な作用により遺伝子の形質変異によって疾病がもたらされる」という研究結果を、環境因子の影響が強い生活習慣病の発症においてエピジェネティクスとの関与を解明したのは世界で初めて。

患者さんのため、被災地の精神科医療施設の診療状況の情報入力を

3月11日(金)に発生した東日本大震災。被災地において、精神障害を持つ方は持たない方に比べ、より過酷な状況におかれている可能性があるという。その中で、NPO法人地域精神保健福祉機構・コンボ(COmmunity Mental Health & Welfare Bonding Organization)は、他団体とともに、いち早く被災地域の精神科病院および地域精神保健活動の状況を把握し共有するためのWebサイトを立ち上げ、情報を提供し始めた。Webサイトを運営する団体の一つであるNPO法人コンボ 丹羽大輔氏に、サイト立ち上げ当時と現在の状況について聞いた。

震災時の抗がん剤治療に指標を

今回の震災にあたり、時間の経過とともに、急性期から亜急性期・慢性期に対する医療の問題がクローズアップされてきている。がん治療も生存期間の延長により慢性期医療の側面が濃くなっており、例外ではない。なかでも、抗がん剤治療については術後補助療法、再発転移治療ともに医薬品の流通が良好ではない被災地では大きな問題を抱えている。このような状況のなか解決策はあるのか、がん薬物療法のスペシャリストがん研有明病院化学療法科の畠清彦氏に聞いた。

避難所からいかに高齢者を救うか

日本老年医学会は今回の東日本大震災に対して、『高齢者災害時医療ガイドライン』と『一般救護者用・災害時高齢者医療マニュアル』を、現在行われている被災地での高齢者災害時医療に活用いただくため、試作版ではあるがいち早く学会ホームページを通して公開した。当ガイドラインの作成者の一人であり、日本老年医学会として被災地に赴いた東京大学大学院医学系研究科・加齢医学講座 飯島勝矢氏からの寄稿文を紹介する。

化学療法後の切れ目ない医療の実践

2011年3月初旬、震災前の青森県三沢市にて第83回日本胃癌学会総会が開催された。大会3日目「化学療法後の切れ目ない医療の実践」と題したシンポジウムが行われた。このテーマは今回の会長である三沢市立三沢病院 坂田優氏の意向で主要演題として取り上げられた。がん診療連携拠点病院での緩和ケアが診療報酬加算の対象となったが、その要件の一つである緩和ケアチームのあり方について臨床現場での問題は多く、熱い論議が展開された。当シンポジウムは7人の演者が、基本講演と追加発言という形式で現場での取り組みについて発表を行った。

心のケアを長期的にサポートする震災対応カウンセリングを開始

株式会社アドバンテッジ リスク マネジメントは30日、11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)により被災した従業員とその家族への長期的な心のケアが今後必要になることから、東北エリアなどにおいて長期に渡るサポートを提供する震災対応カウンセリングサービスを開始すると発表した。