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抗精神病薬誘発性体重増加とヒスタミンとの関係

 抗精神病薬誘発性体重増加(AIWG)と脳内ヒスタミンH1受容体(HRH1)アンタゴニスト、H3受容体(HRH3)アゴニストの効果に正の相関があることが実証されている。カナダ・トロント大学のArun K Tiwari氏らは、AIWGに対するHRH1、HRH3遺伝子における一塩基多型(SNP)の潜在的な影響を検討した。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2016年12月15日号の報告。

心房細動アブレーションによる高度肺静脈狭窄、適切な対処法は?

 心房細動のアブレーションに伴う肺静脈狭窄(PVS)は、その頻度は減っているものの、依然として重篤な病態である。肺静脈拡張やステント留置術が報告されているが、これらの治療における長期成績については知られていない。そこで、メイヨークリニックのDouglas L. Packer氏らが、高度の肺静脈狭窄が認められた患者がどのような症状を有するかを調べるとともに、バルーン単独、もしくはバルーンとステント双方を用いた侵襲的治療後における再狭窄のリスクを評価した。Circulation誌2016年12月号に掲載。  本研究は前向き観察研究で、2000~14年に高度の肺静脈狭窄を認めた124例を対象とした。124例すべてにおいてCTが用いられ、219の肺静脈に高度の狭窄があると診断された。102例(82%)については診断時に症状があり、頻度の高い症状として、息切れ(67%)、咳(45%)、倦怠感(45%)、そして運動耐容能の低下(45%)がみられた。また、27%が喀血を経験していた。

頭髪分析による薬物モニタリング、頭痛患者での精度は

 慢性的に治療している頭痛患者の服薬アドヒアランスをモニタリングするため、頭髪分析が有益なのかという可能性について、イタリアのモデナ・レッジョ・エミリア大学のAnna Ferrari氏らが評価した。本研究では、(1)頭痛患者の頭髪における23種類の薬剤検出率(2)患者が自己報告した薬剤と頭髪から検出された薬剤の一致度(3)患者自己報告の薬剤摂取量に頭髪から検出されたレベルが反映されているかについて分析を行った。European journal of clinical pharmacology誌オンライン版2016年11月20日号の報告。

1日1本未満の喫煙でも肺がん死亡リスクが9倍

 米国では10本/日未満の喫煙者が増加しているが、生涯にわたる1日数本程度の喫煙による健康への影響は、ヘビースモーキングによる影響に比べてよくわかっていない。米国国立がん研究所のMaki Inoue-Choi氏らは、1本/日未満もしくは1~10本/日での長期喫煙と全死因死亡率・原因別死亡率との関連について、非喫煙と比較し評価した。その結果、1本/日未満や1~10本/日での長期喫煙者は非喫煙者より死亡リスクが高いこと、禁煙によるベネフィットがある可能性が示された。このことから、タバコの煙への曝露には安全というレベルはないことが示唆される。JAMA internal medicine誌オンライン版2016年12月5日号に掲載。

アリピプラゾールの至適用量、1週目の血漿中濃度で予測可能:琉球大

 急性増悪期の統合失調症患者に対し、アリピプラゾールで良好な治療反応を得るための血清トラフ濃度は、アリピプラゾールおよびその活性代謝物であるデヒドロアリピプラゾールを合わせて225ng/mLであると言われている。琉球大学の永井 五洋氏らは、アリピプラゾールの至適用量を1週目の血漿中濃度から予測できるかどうかを調査した。Therapeutic drug monitoring誌オンライン版2016年11月16日号の報告。

クリスマス直後は心不全の増悪が増える?

 以前の研究から、心疾患罹患率および心不全の増悪が冬に増加し、ホリデーシーズンごろがピークとなることが示唆されている。また、スポーツイベントでのすさまじい対決は、ファンの心血管アウトカムに影響を与えることが示されている。米国Lehigh Valley Hospital NetworkのMahek Shah氏らが、心不全での入院率と祝祭日との関連を検討したところ、祝祭日のうちクリスマスと独立記念日は、祝祭日直後の心不全入院が増加した一方、祝祭日当日は入院率が低かったことがわかった。この結果の理由について著者らは、祝祭日における過食、関連する感情的なストレス、運動の少なさ、祝祭日後の診療の遅れを挙げている。Clinical research in cardiology誌2016年10月号に掲載。

認知症への抗精神病薬処方減少へ、ポイントは看護師

 認知症患者に対する抗精神病薬の処方決定は医師により行われるが、その主導権は看護師や看護助手が握っていることが多い。そのため、抗精神病薬の使用を減少させるためには、看護師や看護助手の要求理由を理解する必要がある。オランダ・トウェンテ大学のSarah I M Janus氏らは、態度、考え、行動制御が要求の意図に影響を与えると考えられる計画的行動理論に基づいて、この要求に対する影響要因の概要を示し、処方を要求する行動に影響を及ぼすかを検討した。International psychogeriatrics誌オンライン版2016年11月21日号の報告。

オシメルチニブ、T790M変異陽性NSCLCのPFSを6ヵ月延長:AURA3 試験

 AstraZeneca(米国)は2016年12月6日、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が、EGFR T790M変異陽性転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の新たな標準的2次治療としての可能性を支持するAURA3試験のデータを発表した。このオシメルチニブ初の無作為化第III相試験では、オシメルチニブが、プラチナ・ダブレット化学療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を5.7ヵ月改善したことを示した。この結果は、ウィーンで開催された第17回世界肺癌学会議(WCLC)で発表され、New England Journal of Medicine誌オンライン版に掲載された。

セロトニンの役割、生産性向上のために

 セロトニンは行動調整の多くの部分に関与している。セロトニンの複数の役割を統合する理論的な試みにおいて、セロトニンが遅延や処罰などの行動選択に与える負担(行動コスト)を調整していることが提議されている。フランス・ピエール・エ・マリー・キュリー大学のFlorent Meyniel氏らは、セロトニンがそれらとは違うタイプの行動コスト、たとえば努力(effort)なども行動調整しているのかについて検討した。eLife誌2016年11月8日号の報告。

4割が偽造医薬品!インターネット上に流通するED薬の実態

 国内でED(勃起不全)治療薬を製造・販売している製薬企業が合同で、インターネットから入手したED治療薬の調査を実施し、その結果を11月24日に都内で発表した。今回入手した医薬品を調査・分析した結果、4割が偽造医薬品であることが判明した。また、成分を分析した結果、有効成分の含量が150%含まれているものや、有効成分がほとんど含まれていないものがあった。また、正規品には存在しない規格の製品もみられたという。

日本人統合失調症、外来と入院でメタボ率が高いのは:新潟大

 統合失調症患者は、一般よりも平均余命が有意に短く、肥満やメタボリックシンドロームにつながる可能性のある不健全な生活習慣の問題にしばしば直面する。統合失調症患者におけるメタボリックシンドロームの構成要素である肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病の有病率を明確にする必要があるが、日本における大規模調査は不十分であったことから、新潟大学の須貝 拓朗氏らが調査を行った。PLOS ONE誌2016年11月17日号の報告。