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認知障害はうつ病の中核症状とみなすべきなのか

 認知障害はうつ病の中核症状とみなすべきなのか?そしてそれは価値ある治療目標なのか? 英国・ケンブリッジ大学のP. L. Rock氏らは、これらの疑問を解決するため、系統的レビューとメタ解析を行った。その結果、うつ病において認知障害は中核症状であり、重大な治療目標であるとみなすべきであることが明らかになったことを報告した。Psychological Medicine誌オンライン版2013年10月29日号の掲載報告。

大腸がんリスク、体重変化と関連なし

 BMIと大腸がんには中等度の関連があるといわれているが、体重変化と大腸がんの関連についてはあまり知られていなかった。今回、オランダ・ユトレヒト大学のCharlotte N Steins Bisschop氏らの研究で、体重変化は男女ともに結腸・直腸がんリスクと関連を認めないことが明らかになった。The American journal of clinical nutrition誌オンライン版2013年11月13日号の報告。

うつ病から双極性障害へ転換するリスク因子は

 単極性精神病性うつ病(PD)は双極性障害(BD)に転換するリスクが高いとされるが、その転換は治療選択に関わる重要な事項である。そこで、デンマーク・オールボー大学病院のSoren Dinesen Ostergaard氏らは、PDがBDに転換するリスク因子を明らかにするため、住民ベースのヒストリカル前向きコホート研究を行った。その結果、有意な因子として、PDの早期発症、うつ再発、独居、障害年金受給、最高レベルの専門教育、短期高等教育、中期高等教育などがあり、なかでも学歴の関与が大きいことが示唆されたことを報告した。Bipolar Disorders誌オンライン版2013年11月12日号の掲載報告。

難治性にきびへのイソトレチノイン、やはり高用量がよい?

 難治性ざ瘡患者に対するイソトレチノイン(国内未承認)治療について、累積投与量(220mg/kg未満または以上)をベースとした高用量治療群と低用量治療群の患者について比較検討した結果、高用量のほうが有意に有効で、有害事象を増大することなく再発を抑制することが示された。米国・ノースカロライナ大学のRachel C. Blasiak氏らが、前向き観察介入試験の結果、報告した。JAMA Dermatology誌オンライン版2013年10月30日号の掲載報告。

慢性腎臓病における2つのエンドポイントを予防するために

 わが国の慢性腎臓病(CKD)患者数は2005年に1,330万人に達し、成人の8人に1人がCKDといわれている。CKDは、腎機能が悪化すると透析が必要な末期腎不全に進行するだけではなく、心血管疾患の発症リスクが高まる。そのリスク因子であるリンの管理について、2013年11月19日に都内にてプレスセミナーが開催された(主催・バイエル薬品株式会社)。そのなかで、東京大学医学部附属病院 腎疾患総合医療学講座 特任准教授の花房 規男氏は、CKDという概念が提唱された経緯やCKD治療の目的、リンコントロールを介したCKD-MBD(CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常)対策について講演した。

食生活の改善は本当にうつ病予防につながるか

 これまで行われた単体の栄養成分とうつ病との研究では、相反する結果が報告されており、また栄養成分間の複雑な相互作用を考慮することができなかった。最近の研究では、食事の構成要素全体とうつ病の関連を検討している試験が増えている。オーストラリア・Priority Research Centre for Gender, Health and AgeingのJun S Lai氏らが、成人住民ベースで、食事構成とうつ病との関連を評価するシステマティックレビューとメタ解析を行った。American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2013年11月6日号の掲載報告。

軽~中等症アトピー治療にピメクロリムスの選択肢も

 ドイツ・ミュンスター大学のThomas Luger氏らは、アトピー性皮膚炎(AD)に対するピメクロリムス1%クリーム(国内未承認)の公表された臨床データのレビューを行った。その結果、小児および成人の軽症~中等症ADの治療において、とくに敏感肌の部分について、ピメクロリムスは治療選択薬の一つとなりうる可能性があることを報告した。European Journal of Dermatology誌オンライン版2013年11月4日号の掲載報告。

非定型抗精神病薬との併用、相互作用に関するレビュー

 統合失調症や双極性障害の治療では抗精神病薬や抗うつ薬、気分安定薬、抗てんかん薬などさまざまな薬剤が用いられることも少なくない。米国・マーサー大学のWilliam Klugh Kennedy氏らは、第二世代抗精神病薬(SGA)について、臨床において重要となる薬物相互作用を明らかにすることを目的に文献レビューを行った。その結果、SGAには臨床において重大な薬物相互作用の可能性を増大するさまざまな因子があることを報告し、臨床医はそれらについて十分に認識すべきであると述べている。CNS Drugs誌オンライン版2013年10月30日号の掲載報告。

中等度~重度の慢性腰痛にトラマドール・アセトアミノフェン配合剤が有用

 トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合剤徐放性製剤(TA-ER、商品名:トラムセット配合錠)は、2つの有効成分の相乗作用により迅速かつ長期にわたる鎮痛効果を発揮することが示されている。韓国・ソウル大学ボラメ病院のJae Hyup Lee氏らは、第3相二重盲検プラセボ対照並行群間試験により、同製剤が中等度~重度の慢性腰痛の鎮痛と、機能およびQOLの改善においてプラセボより優れており、忍容性も良好であることを明らかにした。Clinical Therapeutics誌オンライン版2013年11月1日号の掲載報告。

統合失調症の再発予防プログラムを日本人で検証:千葉大学

 統合失調症の再発予防プログラムとして開発されたITAREPS(Information Technology Aided Relapse Prevention Programme in Schizophrenia)は、非常に効果的であると報告されている。しかし、その効果は利用者のプログラムに対するアドヒアランスの影響を受けており、正確な効果やITAREPSの貢献度に関しては不明確な部分があった。千葉大学の小松 英樹氏らは、このような影響因子を排除したうえで、ITAREPSの有用性評価を行った。Schizophrenia research誌2013年10月号の報告。

変形性膝関節症による軟骨下骨の骨量減少は、高血圧症や糖尿病と関連

 変形性膝関節症における軟骨下骨の骨量減少が、高血圧症や2型糖尿病と関連している可能性があることが明らかとなった。中国・香港大学李嘉誠医学院のChun Yi Wen氏らが報告したもので、因果関係を確認するために大規模なコホート研究が必要であるとまとめている。Osteoarthritis and Cartilage誌2013年11月号(オンライン版2013年7月29日号)の掲載報告。

出生後1年間の抗菌薬暴露が小児期~若年成人期の湿疹に影響

 出生後1年の間に抗菌薬に曝露された小児は、0~25歳時に湿疹を有するリスクが1.4倍高く、出生前の胎児期の曝露よりも湿疹を呈する頻度が高いことが明らかにされた。英国・Guy's and St Thomas' Hospital NHS財団トラストのT. Tsakok氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。これまで先行研究の多くで、誕生後間もない時期に抗菌薬に曝露されると、湿疹を呈するリスクが高まることが示唆されていた。British Journal of Dermatology誌2013年11月号の掲載報告。

日本発、統合失調症大規模臨床試験スタート:東京女子医大

 わが国において第二世代抗精神病薬(SGA)が臨床応用されるようになって17年、現在の統合失調症治療ではSGAを中心とした薬物治療が行われている。海外では各種SGAの長期的な有用性や転帰、社会的機能などに関して報告されているが、日本では大規模な研究は行われていない。東京女子医科大学の石郷岡 純氏らは、日本の医療環境下におけるSGAの治療中止率などを評価するため、JUMPs(Japan useful medication program for schizophrenia)試験を開始した。BMC Psychiatry誌2013年10月3日号の報告。