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ビタミンC摂取で白内障が予防できる?

 核白内障は、老人性白内障の最も一般的な病型で、年齢のほかに喫煙、酸化ストレスおよび食物性抗酸化物質の摂取がその形成に関与している。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのEkaterina Yonova-Doing氏らは、核白内障の進行における遺伝因子と微量栄養素の影響を調べる前向きコホート研究を行った。結果、10年間での遺伝率(遺伝因子の影響度合いの指標)は35%であり、環境要因の影響のほうが大きいことを明らかにした。とくに、食物中のビタミンCは白内障の進行を抑制するという。Ophthalmology誌オンライン版2016年3月15日号の掲載報告。

医療情報を個人が管理する時代へ?医療介護危機の打開策となるか

 4月14日都内にて、第1回編成医療情報戦略フォーラム「日本を救う!自己情報コントロールによるヘルスケア戦略」が開催された。東京大学大学院情報理工学系研究科附属ソーシャルICT研究センターと一般社団法人 日本統合医療支援センターの共催による本フォーラムは、医療介護に関わる個人情報のあり方を見直し、効率を高め、現場の負担を軽減することで、少子高齢化に伴う医療介護危機を回避するための具体的な方法を提言することを目的としており省庁や関連分野の企業などから150名を超える参加者が集まった。

双極性障害の簡便な症状把握のために

 双極性障害(BD)患者の安定性と生活リズムのマーカーとして臨床的に検証されたソーシャル・リズム・メトリック(SRM)を、スマートフォンから受動検知したデータを用いて自動評価する仕組みの実現可能性について、米国・コーネル大学のSaeed Abdullah氏らが評価した。Journal of the American Medical Informatics Association誌オンライン版2016年3月14日号の報告。

第3世代EGFR-TKIオシメルチニブ、EGFR-TKI抵抗性の非小細胞肺がんに承認

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ガブリエル・ベルチ)は、2016年3月2日、「EGFR-TKI抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌(NSCLC)」を効果・効能としたオシメルチニブメシル酸塩(商品名:タグリッソ40mgおよび80mg錠)の国内における製造販売承認を取得したと発表。

抗うつ薬誘発性体重増加のレビュー、その結果は

 うつ病と肥満はどちらも複雑な病因を持ち、公衆衛生に大きな影響を与える不均一な疾患である。疾患管理予防センター(CDC)のデータによると、抗うつ薬の処方は1988年以降、約400%上昇している。同時に、1980年以降の肥満率は、成人で15%から30%に倍増しており、小児では3倍以上増加している。肥満率の上昇は、重大な健康への影響を有し、30以上の重篤な疾患の増加率に影響する。西洋社会において、抗うつ薬の使用と肥満率が同時に上昇しているにもかかわらず、2つの関連付けおよび抗うつ薬誘発性体重増加のメカニズムについてはよくわかっていない。オーストラリア国立大学のS H Lee氏らは、抗うつ薬使用およびうつ病と体重増加との複雑な関係に注目し、レビューを行った。Translational psychiatry誌2016年3月15日号の報告。

超低カロリー食+体重管理で2型糖尿病が寛解?

 新たな研究によると、2型糖尿病患者のうち超低カロリー食療法(very-low-calorie diet)のレスポンダーが、少なくとも6ヵ月間、糖尿病寛解の状態にあったという。通常、不可逆性の慢性疾患と見なされることが多い2型糖尿病だが、この研究結果が希望の光になるかもしれない。英国・ニューカッスル大学のSarah Steven氏らによるDiabetes Care誌オンライン版2016年3月21日号掲載の報告。

アミロイドβ凝集を継時的に観察する方法

 全世界で4,600万人以上の方がアルツハイマー病に苦しんでいる。多くの治療法が提唱されており、その1つにアルツハイマー病の主な原因の1つであると考えられているアミロイドβペプチド(Aβ)凝集を阻害する治療がある。多くの場合、in vitro研究では、細胞や組織中のAβ凝集モニタリングに限界があることから、抗アミロイド薬のスクリーニングが制限される。スペイン・バルセロナ大学のAlba Espargaro氏らは、in vivoでアミロイド蓄積などのバクテリアを用いて、リアルタイムにin vivoでのAβ凝集を追跡するためのシンプルながらも強力な方法を開発した。Scientific reports誌2016年3月22日号の報告。

白内障手術は加齢黄斑変性と関連しているか

 白内障手術が加齢黄斑変性(AMD)の発症や進行と関連するという懸念が高まっているが、これまでの研究結果は一貫しておらず、臨床医を悩ませている。加えて、アジア人集団を対象として、超音波乳化吸引術時代にこの問題に取り組んでいるデータは十分ではないことから、韓国・ソウル大学盆唐病院のSang Jun Park氏らは、韓国国民栄養調査のデータを解析した。その結果、白内障手術とAMDとの関連は現在のところ明確ではないことを示した。左眼についてのみ後期AMDと関連が認められたが、著者は「偶然かもしれない」と述べている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年3月31日号の掲載報告。