医療一般|page:538

新規製剤セクキヌマブ、中等症~重症尋常性乾癬で75%以上改善を達成

第II相無作為化二重盲検プラセボ対照用量反応試験の結果、中等度~重度の尋常性乾癬に対するセクキヌマブ(secukinumab)は、皮下注投与75mg/回×3回群と同150mg/回×3回群で、12週間の治療期間終了時点で75%以上改善(PASI 75)を達成し有効性が示されたことが、カナダ・Probity Medical ResearchのPapp KA氏らによって報告された。

疼痛治療「プラセボでも一定の効果が」臨床試験に課題も

 線維筋痛症(FMS)の症状軽減に対しプラセボ以上の治療効果が期待できる薬物療法は少なく、有害事象による脱落率が増加するといわれてきた。最近のシステマティックレビューによると、慢性疼痛の試験において、治療薬の有用性や副作用のかなりの割合は、プラセボに起因することが実証された。Winfried Häuser氏らはプラセボおよびノセボ反応(プラセボにより副作用が発現すること)の大きさを測定し、FMS適応承認のための医薬品の臨床試験においてそれらが薬の有用性に及ぼす影響を評価した。Clinical and experimental rheumatology誌オンライン版2012年11月8日号の報告。

ロタウイルスワクチン接種は、ローコストでハイリターン

 ロタウイルスワクチン接種は、わずかなコストにより、相当な疾患負担を減少することが、カナダ・トロント大学のDavid N Fisman氏らによる検討の結果、報告された。ロタウイルス胃腸炎は世界中の小児における罹患率と死亡率の要因となっており、カナダを含む高所得国では、高い罹患率とヘルスケア利用は大きな負担となっている。

医師に必要なコミュニケーション能力

 プラザ形成外科院長 Dr. ロバート クレ 2012年11月21日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 『コミュニケーションリーダーシップ』(佐藤玖美著、日本経済新聞出版社刊)という本が出た。副題に「考える技術 伝える技術」とあって、PRとかマーケティングコミュニケーションを超えて、最終的に人を動かすにはどうしたらいいかということ を、さまざまな事例を用いて解説したコミュニケーション戦略に関する著書であるが、アメリカ生活の長かった私の場合、「なるほど」と興味深く読ませていただいたが、一般の日本の読者にとってはかなり新鮮に受け止められる方も多いのではないだろうか?

ドパミンD3受容体拮抗薬、統合失調症治療薬としての可能性は?

ドパミンD3受容体拮抗作用に着目した統合失調症の陽性および陰性症状や認知症状治療の可能性は、前臨床試験や予備的臨床試験のデータに基づき再検討されている。ドイツ・Abbott Neuroscience ResearchのGerhard Gross氏らは、D3受容体拮抗作用が錐体外路症状を阻害可能であるといった事実に基づけば、依然として治療オプションとなりうるの見解を報告している。Naunyn-Schmiedeberg's Archives of Pharmacology誌オンライン版2012年11月6日号の報告。

ダーモスコピー、15の尺度で潰瘍を鑑別

基底細胞がんのダーモスコピー診断では、潰瘍が頻繁に認められる。外傷の既往を伴わない潰瘍、いわゆる非外傷性潰瘍は、最も頻度の高い皮膚がんである基底細胞がんの重大徴候であるが、そのような非外傷性潰瘍と良性病変は特徴が似通っており、鑑別は難しい。そこで米国・南イリノイ大学のSerkan Kefel氏らは、潰瘍の色とテクスチャーの特色で規定した15の尺度(9つのカラー尺度と6つのテクスチャー尺度)が、両者を識別するのに有用であるか評価を行った。

脊椎手術後の最大有害事象、外科医は死亡に10点、患者は脳卒中に9.2点と評価

脊椎手術後のさまざまな有害事象の影響について、患者と医師の認識の度合いを調査した結果、双方ともに項目間にはかなりのばらつきがあり、全体的には患者の方が医師よりも有害事象の影響を強く認識していることが明らかになった。脊椎手術後の有害事象はなお多く発生しているが、これまで患者中心のアウトカム評価ツールは開発されていない。

てんかん発作時の脳炎がPET画像診断活用で明らかに

PET画像診断により、てんかん発作時に関連する脳病変として脳炎が有意に認められることがラット試験において実証された。近年、てんかん治療のターゲットとして炎症カスケードが注目されている。本研究を行ったStefanie Dedeurwaerdere氏らは、「この結果は、てんかん発作時の脳炎の役割とてんかん発作に対する抗炎症薬の評価を、さらに長期的に進めていく後押しとなった」と報告している。EJNMMI Research誌オンライン版2012年11月8日号の掲載報告。

HIV 感染症を難病指定に

 神戸大学感染症内科 岩田 健太郎 2012年11月16日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 厚生労働省によると、これまで56しかなかった難病指定疾患を300以上に増やす予定だという。この難病にHIV感染症および後天性免疫不全症候群(エイズ)(以下、HIV感染症とまとめる)を含めるべきだ、というのが本論の主旨である。以下にその理由を示す。

インフルエンザの乳児、細菌性髄膜炎と菌血症のリスクは非常に低い

乳児のインフルエンザ罹患症状は重篤な細菌感染症と似通っており、腰椎穿刺のような侵襲的検査が行われる。しかし、インフルエンザが細菌性髄膜炎を併発するとのエビデンスは限られており、それでも腰椎穿刺が行われるのは、実施が考慮される時点でインフルエンザの診断が確立されていない場合がほとんどであるからとされる。

RA自己抗体陽性+喫煙歴+過体重、27ヵ月後の関節炎発症リスクは60%まで上昇

 喫煙および過体重は、関節リウマチ(RA)発症リスクを有する自己免疫陽性の集団において、関節炎の発症リスクを増大することが、オランダ・アムステルダム大学のMaria J H de Hair氏らによる前向き研究の結果、示された。RAの遺伝的素因、およびその発症に血清自己抗体の発現と環境因子が関与していることは知られているが、喫煙と過体重のRA発症への寄与については、これまで検討されておらず不明であった。

シスプラチンベースレジメンにおける静脈血栓塞栓症のリスクを検討

シスプラチンと血栓塞栓症リスク増加の関連を示唆する報告がいくつかあるが、シスプラチンベースの化学療法による静脈血栓塞栓症(VTEs)のリスクについての研究は十分ではない。米国のSonia Seng氏らは、無作為化比較試験の系統的レビューとメタアナリシスを行い、シスプラチンベースの化学療法が非シスプラチンベースの化学療法と比べて、進行固形がん患者の有意なVTEsリスクの増加と関連していることを報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2012年11月13日号に掲載。

乾癬治療薬ウステキヌマブの有効性、他の生物学的製剤と比較したメタ解析の結果は?

中等症~重症の尋常性乾癬に対するウステキヌマブ(商品名:ステラーラ)の有効性について、他の生物学的製剤とPASI(Psoriasis Area and Severity Index)スコア75%改善率達成について比較したメタ解析の結果、アダリムマブ(同:ヒュミラ)、アレファセプト(国内未承認)、エタネルセプト(国内では未適応)よりも達成に関するオッズ比が有意に高く、より有効であることが示された。

統合失調症のドパミンD2/3レセプター占有率治療域、高齢患者は若年患者よりも低値

若年統合失調症患者ではPET(陽電子断層撮影法)を用いた研究により、線条体ドパミンD2/3レセプター占有率を指標とした治療域は65~80%が適切であることが確認されている。慶應義塾大学の内田裕之氏らは、これまで検討されていなかった高齢統合失調症患者における同治療域の検討を行った。The American journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2012年10月31日号の掲載報告。

早期乳がんの乳房温存手術後に放射線療法を受けていない女性の要因とは?

 Stage I乳がんに対して、いくつかの無作為化試験で、乳房切除術による生存率と放射線療法を伴う乳房温存手術による生存率に差がないことが示されている。乳房温存手術においては、局所再発率と死亡率減少のために放射線療法の施行が推奨されている。  今回、米国のShayna L. Showalter氏らがStage I乳がんに対する治療の傾向を評価したところ、Stage I乳がんの治療における乳房温存手術は増加していた。また、乳房温存手術後に放射線療法を受けていない患者が一定の割合で存在し、放射線療法を受けないことが死亡率の増加に関連していた。

大腿骨頸部全置換術後、圧迫寒冷療法でアウトカム良好に

大腿骨頸部の関節形成術後に圧迫寒冷療法を行うことで、術後出血が減り、術後の鎮痛薬使用の減少および入院期間の短縮、創部の浸出液の減少、術後6週時点の疼痛もより小さい傾向がみられたことが報告された。オランダ・Spaarne HospitalのLeegwater氏らが、患者30例を対象とした無作為化試験の結果、報告したものである。

ロタウイルスワクチン、市販後の有効性モニタリングで大切なこと

スペインでは2006年に、2種の経口弱毒生ロタウイルスワクチンが、6ヵ月未満児のために認可された。そのワクチン有効性について最近のデータで、ばらつきがある可能性が示されたという。スペイン・カステロン公衆衛生センターのJuan B Bellido-Blasco JB氏らは、このことはロタウイルスワクチンの有効性に関する市販後モニタリングに重大な局面をもたらすものだとして、症例対照研究を行った。Vaccine誌オンライン版2012年10月25日号の掲載報告。

簡便かつ有効な8項目からなる乾癬重症度の自己評価PSI

乾癬重症度の自己評価によるアウトカム尺度PSI(Psoriasis Symptom inventory)について検証した結果、簡便性、有効性、再現性があり、変化に対する感度も良好で、乾癬の臨床試験で有用なPRO尺度となり得ることが示された。米国・Health Research Associates社のBushnell DM氏らが、8項目からなる同尺度について検証した結果、報告した。The Journal of dermatological treatment誌オンライン版10月24日号の掲載報告。