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統合失調症患者における「多飲」その影響は?:奈良県立医大

 統合失調症において多飲傾向を認める患者は多い。多飲による過度な水分摂取は、低ナトリウム状態を誘発したり、水中毒につながることもある。奈良県立医科大学 永嶌 朋久氏らは、統合失調症患者の多飲と神経心理学的障害や脳の構造的変化との相関を検討した。BMC Psychiatry誌オンライン版2012年11月26日号の報告。

慢性腰痛治療のエビデンス、高周波神経切離術は良、神経ブロックは可~良

 腰椎椎間関節への治療介入の効果に関する最新知見について、米国・Mid Atlantic Spine & Pain PhysiciansのFrank J.E. Falco氏らによるシステマティックレビューの結果が発表された。従来法の高周波神経切離術の使用に関するエビデンスは良(good)、腰椎椎間関節の慢性疼痛治療のための神経ブロックのエビデンスは可~良(fair to good)であり、短期または長期に鎮静が得られ身体的機能の改善が認められたことが明らかになったという。

統合失調症に対するベンゾジアゼピン、最新レビュー知見

 統合失調症に対するベンゾジアゼピンの有効性と安全性について、システマティックレビューの結果、単独療法あるいは併用療法ともに投与に関する確実なエビデンスは現時点では確認できなかったことが、ドイツ・ミュンヘン工科大学付属病院Rechts der Isar ClinicのMarkus Dold氏らにより報告された。Cochrane Library 2012年11月14日の発表報告。

小児と成人の季節性インフルエンザワクチン有効率は解析因子で変化

 小児と成人(高齢者を除く)への季節性インフルエンザワクチンの有効性と、その有効性を規定する因子について検証した結果、有効率の推定は、ワクチンのタイプ(弱毒生、不活化)、接種年齢(小児、成人)、ワクチンとウイルス株の適合度、インフルエンザのタイプ、症例確認の手法といった因子次第で変わることが明らかにされた。

ロタウイルスワクチン予防接種プログラム、導入初年度から明らかなインパクト

 フィンランド国立健康福祉研究所(THL)のTuija Leino氏らは、同国で2010年に導入されたロタウイルスワクチン予防接種プログラムの初年度の影響について推定評価を行った。その結果、重症度、病院での治療、ロタウイルス胃腸炎の型について明らかに管理コントロールできたことを報告した。Vaccine誌オンライン版2010年11月1日号の掲載報告。

日本人女性の統合失調症発症に関連する遺伝子が明らかに

 日本人女性の統合失調症発症に、ITGA8遺伝子ミスセンス突然変異が関与している可能性があることが明らかにされた。神戸大学大学院のIrwan Supriyanto氏らが、京都の遺伝子データベース「KEGG」で報告された情報と統合失調症患者との関連を調べ報告した。Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatry誌オンライン版2012年11月12日号の掲載報告。

Hanifin & Rajka診断基準はゴールドスタンダードだがWilliams診断基準も非常に有用

 ポーランド・ワルシャワ医科大学皮膚科のZbigniew Samochocki氏らは、小児アトピー性皮膚炎の診断について、Hanifin & Rajka診断基準とWilliamsらによって簡略化修正された診断基準との比較を行った。その結果、Hanifin & Rajka診断基準がゴールドスタンダードであるが、Williams診断基準も4歳児以上では非常に有用であると報告した。小児アトピー性皮膚炎の診断をめぐっては多くの問題があり、Hanifin & Rajka診断基準は一般的に用いられているが、小児科医が日常診療で用いるのは難しいとされる。

認知症の進行予防にビタミンEは有効か?

 アルツハイマー型認知症(AD)および軽度認知障害(MCI)進行予防としてのビタミンEについて、ベネフィットがあるという確実なエビデンスはみつからなかったと、英国・サセックス大学のNicolas Farina氏らが報告した。結果を受けて著者は、「今後の試験では、ADにおけるビタミンEの評価をα‐トコフェロールに限定しないで行うべきかもしれない」と提言している。本研究は、ビタミンEにはフリーラジカルを消失する抗酸化作用があり、一方でフリーラジカルがADなど病理学的な認知障害プロセスに寄与するとのエビデンスがあることを踏まえて行われた。Cochrane database of systematic reviews 2012年11月14日掲載の報告。

MMRワクチン2回接種高率地域では、耳下腺炎流行を3回目の接種でコントロール可能

MMRワクチン2回接種率の高い地域では、耳下腺炎流行時に3回目の接種を行うことで、接種後すみやかに発生率の減少がみられ、流行のコントロールに有用である可能性が示された。米国CDCのIkechukwu U Ogbuanu氏らが、耳下腺炎流行コントロールに対するMMRワクチン3回目接種の影響を評価した初の試験結果として報告した。米国では2009~2010年に北東部の宗教コミュニティにおいて、MMRワクチン2回接種率が高率であったにもかかわらず耳下腺炎の大規模な流行が発生した。

HER1/EGFRSチロシンキナーゼ阻害剤タルセバ、米国で追加適応申請

 アステラス製薬は20日、米国子会社であるアステラス ファーマ US, Inc.とジェネンテック社が米国で共同販促をする HER1/EGFRチロシンキナーゼ阻害剤タルセバ(一般名:エルロチニブ)について、既承認の診断法で確認された EGFR 遺伝子変異を有する局所進行性又は転移性の非小細胞肺がんに対する一次治療の追加適応症について、米国食品医薬品局(FDA)に販売許可申請を提出したと発表した。

患者負担は本当に減るのか? 高額療養費制度見直しの真相

 東京大学医科学研究所 先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門 特任研究員 児玉 有子 2012年11月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 11月15日の日経新聞に「高額療養費に年間上限-自己負担減最大60万円 厚労省検討」という記事が掲載されました。

大腸がん閉塞に対する内視鏡的ステント留置術は外科的減圧術と死亡率の差はない

急性大腸がん閉塞には、従来、外科的減圧術が実施されているが、近年、閉塞の緩和に内視鏡的大腸ステント留置術が使用されている。これらを比較するためにメタアナリシスにより解析したところ、内視鏡的大腸ステント留置術はいくつかの治療成績(1次吻合、ストーマ形成、永久的ストーマ造設など)を改善する一方、死亡率と罹患率の改善は認められなかった。イタリアVincenzo Cennamo氏らによる報告(International journal of colorectal disease誌オンライン版2012年11月15日号掲載)。