SRI抵抗性の慢性PTSD退役軍人に対するリスペリドンの有効性
セロトニン再取り込み阻害薬(SRI)抵抗性の、兵役に伴う心的外傷後ストレス障害(PTSD)が慢性的な退役軍人に対し、第二世代抗精神病薬(非定型抗精神病薬)リスペリドン(商品名:リスパダールほか)を投与しても、全般的症状やうつ症状などに改善は認められなかったことが報告された。米国・コネチカット州退役軍人ヘルスケアシステムのJohn H. Krystal氏らが、SRI抵抗性PTSDの300人弱の退役軍人について無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行い明らかにしたもので、JAMA誌2011年8月3日号で発表した。米国FDAがPTSD治療薬として認可しているのはSRIのみだが、SRIの有効性は女性よりも男性で、また急性PTSDよりも慢性PTSDでそれぞれ劣ることが知られ、退役軍人に対する臨床ではSRI抵抗性には第二世代抗精神病薬が一般に用いられるようになっているという。本試験は、その有効性をプラセボと比較検証した初の大規模試験。