ARDSの目標PaO2値、55~70mmHgの生存率/NEJM

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の患者に対し、動脈血酸素分圧(PaO2)の目標値を55~70mmHgに制限した酸素療法は、PaO2目標値を90~105mmHgにした酸素療法に比べ、28日生存率が上昇しないことが、フランス・フランシュ・コンテ大学のLoic Barrot氏らが行った多施設共同無作為化試験の結果、示された。ARDS患者に対する酸素療法のPaO2目標値は、55~80mmHgとすることを米国国立心肺血液研究所のARDSネットワークは推奨しているが、同閾値の妥当性を前向きに検証したデータは不足していた。研究グループは、同閾値の下限値目標がARDS患者のアウトカムを改善すると仮定して検証試験を行った。NEJM誌2020年3月12日号掲載の報告。