お知らせがあります
- 2024/12/20
-
年末年始の対応について(ポイント交換停止・カスタマーセンター休業)
お知らせがあります
高齢者介護施設での身体拘束、ガイドラインや行動理論による介入で減少
高齢者介護施設(nursing home)に対し、ガイドラインや行動理論による介入を行うことで、身体拘束を受ける入所者の割合が減少することが示された。ドイツLubeck大学のSascha Kopke氏らが、36ヵ所の高齢者介護施設について行った集団無作為化試験で明らかにしたもので、JAMA誌2012年5月23・30日合併号で発表した。ドイツでは、身体拘束は法的に規制されており、また身体拘束の有効性と安全性についてエビデンスがないにもかかわらず、多くの高齢者介護施設でいまなお行われている現状だという。また米国の高齢者介護施設では20%で身体拘束が行われているとの報告もあるという。
日中眠気を伴わない睡眠時無呼吸症候群に対する持続気道陽圧療法
持続的気道陽圧(CPAP)療法は症候性閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の第一選択治療だが、昼間に眠気を伴わない場合は同法を行っても、体高血圧症や心血管イベント発生リスクの減少にはつながらないことが明らかにされた。スペイン・Arnau de Vilanova大学病院のFerran Barbe氏らが、700人超について行った無作為化試験で明らかにしたもので、JAMA誌2012年5月23・30日合併号で発表した。これまでCPAP療法の有効性について、症状の有無により違いがあるかどうかは明らかでなかった。
妊婦への新型インフルエンザワクチン接種、胎児死亡との関連認められず
妊婦への不活化新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン接種に関して、胎児死亡リスク増大のエビデンスは見つからなかったことが、デンマーク・Statens Serum InstitutのBjorn Pasternak氏らによる約5.5万人の妊婦を被験者とするデンマーク全国登録コホート研究の結果、示された。2009パンデミック当時、新型インフルエンザに罹患した妊婦の罹病率、死亡率が増大し、妊娠アウトカムが不良となることが認められたことから、その後、多くの国で、新型インフルエンザワクチン接種キャンペーンのターゲットに妊婦を含んでいる。Pasternak氏らは、ワクチン接種が胎児死亡と関連しないかを国民ベースで検証した。BMJ誌2012年5月19日号(オンライン版2012年5月2日号)掲載報告より。
10代うつ病患者の治療はファンタジーゲームで?
うつ病の認知行動療法のパソコン用ソフトとして開発された「SPARX(Smart, Positive, Active, Realistic, X-factor thoughts)」は、ファンタジーゲーム様式が特徴で、4~7週間にわたって提供される7つのモジュールを克服していくというものである。その治療効果について、ニュージーランド・オークランド大学のSally N Merry氏らによる12~19歳のティーンエイジャーを対象とした多施設無作為化非劣性試験の結果、プライマリ・ケアにおいて対面カウンセリングといった通常ケアの代替療法となり得るものであることが示された。Merry氏らは、「治療が必要にもかかわらず介入が行われていない患者を対象に適用していくことができるだろう」とまとめている。これまでパソコンソフトを活用した認知行動療法は成人についてはその効果が認められていたが、ティーンエイジャーにおける効果は明らかではなかった。BMJ誌2012年4月19日号より。
低侵襲食道切除術、切除可能食道がんの術後合併症を低減
切除可能な食道がんの治療では、低侵襲食道切除術が開胸食道切除術に比べ術後の肺感染症の頻度が低く、短期的なベネフィットをもたらすことが、オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのSurya S A Y Biere氏らの検討で示された。切除可能な食道がんの唯一の根治的治療は食道切除術とされるが、開胸食道切除術では患者の半数以上に術後の呼吸器合併症の発現がみられる。胸腔鏡と腹腔鏡を用いた低侵襲食道切除術は、術後の肺感染症の合併が少ないため在院日数が短縮することが知られているが、これまで無作為化試験による評価は行われていなかったという。Lancet誌2012年5月19日号(オンライン版2012年5月1日号)掲載の報告。
パゾパニブ、転移性軟部肉腫の無増悪生存期間を有意に延長
マルチターゲットの経口チロシンキナーゼ阻害薬であるパゾパニブは、化学療法施行後に病態が進行した非脂肪細胞性の転移性軟部肉腫の新たな治療選択肢となることが、オランダ・Radboud大学医療センターのWinette T A van der Graaf氏らが実施したPALETTE試験で示された。軟部肉腫は成人のがんの1%ほどのまれな間葉腫瘍で、米国では年間約1万1,280人が罹患、約3,900人が死亡し、欧州では年間に10万人当たり5人の割合で発症しているという。パゾパニブは非脂肪細胞性の進行軟部肉腫に対する抗腫瘍効果が確認されている。Lancet誌2012年5月19日号(オンライン版2012年5月16日号)掲載の報告。
コーヒー摂取と原因別死亡との関連
米国立衛生研究所(NIH)のNeal D. Freedman氏らによる、50~71歳の男女約40万人を対象に、コーヒー摂取とその後の全死亡および死因別死亡との関連を調べた結果、逆相関の関連が認められたことが報告された。ただし、その結果がコーヒー摂取によるものなのかどうか、あるいはコーヒー摂取が関連しているのかどうかは今回のデータからは判然としなかったと補足しまとめている。コーヒーは広く消費されている飲料の1つであり、抗酸化作用や生理活性作用の源となる物質を豊富に含むことが知られているが、死亡リスクとの関連は明らかとなっていない。NEJM誌2012年5月17日号掲載報告より。
抗菌薬と心血管死リスクとの関連
抗菌薬と心血管死リスクとの関連について、米国・ヴァンダービルト医科大学のWayne A. Ray氏らによる検討の結果、治療1~5日目において、マクロライド系のアジスロマイシン(商品名:ジスロマック)使用患者は、ニューキノロン系のシプロフロキサシン(商品名:シプロキサンほか)より有意に増加したがレボフロキサシン(商品名:クラビットほか)とは有意差は認められなかったことが明らかにされた。Ray氏らは「5日間の治療中、アジスロマイシン服用者の心血管死亡の絶対数増加はわずかであるが、基線での心血管疾患リスクが高い患者では顕著に増加した」と結論している。NEJM誌2012年5月17日号掲載報告より。
バングラデシュ貧困地域の妊婦、妊娠早期からの微量栄養素補給で乳児死亡率などが大幅減少
バングラデシュの貧困地域に住む妊婦に対し、妊娠9週目からの複合微量栄養素補給(multiple micronutrient supplementation;MMS)をすることで、妊娠20週目からの栄養素補給に比べ、乳児死亡率や5歳未満死亡率が大幅に減少することが明らかにされた。スウェーデン・ウプサラ大学病院の、Lars Ake Persson氏らが、バングラデシュの貧困地域に住む約4,400人の妊婦を対象に行った試験の結果で、JAMA誌2012年5月16日号で発表した。
医師やケースマネジャーへの教育で、ACSのエビデンスに基づく治療実施率が増大
ブラジルの公立病院で、急性冠症候群(ACS)の治療に関し、医師向けの教育資料やケースマネジャーの訓練といった質改善プログラムの介入を行うことで、エビデンスに基づく治療を受ける患者の割合は、有意に増大することが明らかにされた。ブラジル・Research Institute HCorのOta’vio Berwanger氏らが行った、BRIDGE-ACS(Brazilian Intervention to Increase Evidence Usage in Acute Coronary Syndromes)試験の結果で、JAMA誌2012年5月16日号で発表した。先行研究から、ACSの患者は、特に低・中所得国の医療現場でエビデンスに基づく治療を受けていない現状が明らかになっていた。
1973~2009年の健康と雇用、経済動向との関連:英国一般世帯調査
1973~2009年の間の、健康と雇用、経済動向との関連をみた結果、男女とも、健康と雇用確保・維持との関連は強くなっていることが明らかとなった。英国・シェフィールド大学のJonathan William Minton氏らの調査結果による。社会階級と健康状態、経済活動との有害な関連については、1973~1993年の間の観察結果が1996年のBMJで発表されていた。Minton氏らは、その後の1994~2009年の間も、経済情勢や全国民の健康状態は改善しているが、有害な関連は続いていたかどうかを調査した。BMJ誌2012年5月12日号(オンライン版2012年5月4日号)掲載報告より。
バレニクリン、心血管重大有害イベントの有意な増大との関連認められず:メタ解析
米国・カリフォルニア大学のJudith J Prochaska氏らによるメタ解析の結果、禁煙補助薬バレニクリン(商品名:チャンピックス)服用による、心血管系の重大有害イベントの有意な増大は認められなかったとの報告が発表された。解析にはこれまで発表された全データが含まれ、服用中に起きたイベントに焦点を絞り、4つの要約推定値(summary estimates)を用いて行われた。バレニクリンをめぐっては、心血管系の深刻な有害事象リスクが議論になっているが、その解析手法が適切ではないのではとの指摘があり、米国FDAがさらなる解析を行うことを求めていた。BMJ誌2012年5月12日号(オンライン版2012年5月4日号)掲載報告より。
進行期のホジキンリンパ腫への6サイクルBEACOPP+放射線療法
進行期のホジキンリンパ腫の最も有望な治療法と目されている多剤併用化学療法のBEACOPPに関して、標準としてきた8サイクルと比べて、6サイクル+PET活用の放射線療法が、無治療失敗(FFTF)についてより効果があり、かつ8サイクルで懸念される毒性を低減することが示された。ドイツ・ケルン大学病院のAndreas Engert氏らによる無作為化オープンラベル非劣性試験の結果で、Engert氏は、「6サイクル+PET活用の放射線療法を、進行期ホジキンリンパ腫の治療選択肢の一つとすべきであろう」と結論した。また化学療法後のPET活用の有用性について、「追加的な放射線療法に欠かせないもの」とまとめている。Lancet誌2012年5月12日号(オンライン版2012年4月4日号)掲載報告より。
妊娠初期の中絶、ミソプロストール投与で術後合併症を有意に低下
妊娠初期の人工妊娠中絶について、プロスタグランジンアナログ製剤のミソプロストール(商品名:サイトテック、本邦では抗NSAID潰瘍剤としてのみ承認、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与禁忌)400μgの経膣投与により、吸引法単独と比べて合併症を低下することが明らかにされた。これまで、ミソプロストールを用いた人工妊娠中絶の合併症発生率については有用な情報がほとんどなかったが、世界保健機関(WHO)のOlav Meirik氏らが国際多施設共同無作為化試験を行い報告した。Lancet誌2012年5月12日号(オンライン版2012年3月8日号)掲載報告より。
生殖医療技術後の先天異常リスク増大に、母胎要因がどこまで関わっているのか
個々のレジストリ研究やメタ解析など研究成果から、体外受精(IVF)や卵細胞質内精子注入法(ICSI)は先天異常リスクを増大するというエビデンスは一貫して認められている。オーストラリア・アデレード大学のMichael J. Davies氏らは、これまで検討されていなかった、そうした生殖補助医療技術を受けた後に増大が認められる先天異常リスクが、親の特性とどこまで関連しているかについて調査した。NEJM誌2012年5月10日号(オンライン版2012年5月5日号)掲載報告より。
心臓外科がない病院のPCIアウトカム、ある病院に対し非劣性
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)のアウトカムは、心臓外科のある病院とない病院とで違いがあるのか。PCIは通常、心臓外科のある病院に限定されるが、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のThomas Aversano氏らは、両者を比較する無作為化試験を行った。結果、「心臓外科がない病院の、ある病院に対する非劣性が認められた」と結論する報告が発表された。NEJM誌2012年5月10日号(オンライン版2012年3月25日号)掲載報告より。
高齢心房細動患者、脳卒中発症リスクは女性が男性より高い
65歳以上の心房細動患者の脳卒中リスクについて男女差を調べた結果、女性が男性に比べて高いことが明らかにされた。カナダ・McGill University Health CenterのMeytal Avgil Tsadok氏らが、心房細動で入院した高齢者7万人超について行った地域住民ベースのコホート試験の結果で、JAMA誌2012年5月9日号で発表した。
推定GFRによる死亡や末期腎疾患予測、CKD-EPI式がMDRD式より正確に
推定糸球体濾過量(eGFR)による死亡や末期腎疾患発症の予測は、CKD-EPI(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration)式のほうがMDRD(Modification of Diet in Renal Disease)式より正確であることが示された。米国・Johns Hopkins大学のKunihiro Matsushita氏らが、45のコホート試験、被験者総数110万人について行ったメタ解析の結果で、JAMA誌2012年5月9日号で発表した。先行研究で、CKD-EPI式のほうがMDRD式より、GFR予測が正確であることはわかってきているが、腎疾患関連リスクとの関係については明らかではなかった。
妊娠中と産後の女性、DVTスクリーニングに単回の圧迫超音波検査が有効
深部静脈血栓症(DVT)が疑われる妊娠中および出産後の女性に対し、単回の圧迫超音波検査は、安全で合理的なスクリーニング法であることが示された。同スクリーニングで陰性でありながら、後にDVTの診断を受けた人の割合は1.1%と低かったという。フランス・Cavale Blanche大学のGregoire Le Gal氏らが、妊娠中・出産後の女性200人超について行った前向き試験で明らかにしたもので、BMJ誌2012年5月5日号(オンライン版2012年4月24日号)で発表した。妊娠はDVTのリスク因子であることが知られているが、一方で妊婦はDVTでなくても、それと似た症状を発症することが少なくないことも知られている。
単純性急性虫垂炎、一次治療の抗菌薬投与で合併症リスク3~4割低減
単純性急性虫垂炎への一次治療には、抗菌薬投与のほうが切除術に比べ、合併症リスクは3~4割低減することがあきらかにされた。英国・ノッティンガム大学病院のKrishna K Varadhan氏らによる、4つの無作為化比較試験の被験者900人を対象にしたメタ解析の結果で、BMJ誌2012年5月5日号(オンライン版2012年4月5日号)で発表した。