HDLコレステロール(HDL-C)を増やすことが虚血性心疾患を予防する、とのエビデンスについてはなお論争が続いている。システマティックレビューの一部解析(2001年までに公表されたスタチン治療に焦点を当てた無作為化試験の解析)では、HDL-Cと患者アウトカムの相対リスク減とに有意な関連を見いだすことはできなかったが、McMaster大学(カナダ)臨床疫学・生物統計学部門のMatthias Briel氏らは、スタチンに限らずすべての脂質異常症の治療薬に関連した無作為化試験を対象に、HDL-C値と、全死亡、虚血性心疾患死および同イベント(虚血性心疾患死と非致死的心筋梗塞)との関連について、最新の系統的なシステマティックレビューとメタ回帰解析を行った。BMJ誌2009年2月28日号(オンライン版2009年2月16日号)より。