腸内細菌叢代謝産物TMAO、心血管リスクの新たな予測因子に?/NEJM
トリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)は、食事中のホスファチジルコリンが腸内細菌叢により代謝されて生成し、血中や尿中のTMAO値の上昇は主要な有害心血管イベントの予測因子となる可能性があることが、米国・クリーブランドクリニックのW.H. Wilson Tang氏らの検討で示唆された。リン脂質であるホスファチジルコリン(レシチン)は食事由来の主要なコリン供給源で、コリンは脂質代謝や細胞膜形成のほか、神経伝達物質アセチルコリン合成の前駆体など、代謝に関わるさまざまな役割を担う。同氏らは最近、動物実験で、食事由来ホスファチジルコリンのコリン部分の腸内細菌代謝と冠動脈疾患の間には、アテローム性動脈硬化を促進する代謝産物であるTMAOの産生を介する機構的な関連があることを明らかにした。NEJM誌オンライン版2013年4月25日号掲載の報告。