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- 2024/12/20
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胃腸障害に対する効果的な薬剤投与順とは?:DIAMOND試験
プライマリ・ケアにおける胃腸障害の管理では、制酸薬→H2受容体拮抗薬(H2RA)→プロトンポンプ阻害薬(PPI)の順に投与する治療戦略がその逆順で投与する戦略よりも費用効果に優れることが、オランダで実施されたDIAMOND試験によって明らかとなった。プライマリ・ケアでは、胃腸障害治療は医師の作業負担が大きく、医療コストもかさむことがわかっている。コンセンサスやガイドラインはあるものの、最も費用効果に優れる初期管理の戦略は依然として経験に基づくものだという。Radboud大学ナイメーヘン医療センターのCorine J van Marrewijk氏が、Lancet誌2009年1月17日号で報告した。
5歳未満児へ導入したPCV7ワクチンの髄膜炎予防効果は?
米国では2000年に、5歳未満児全員に7価小児用肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)の定期接種が導入されて以降、侵襲性肺炎球菌感染症の発症が小児および成人においても減少した。成人における減少はPCV7の集団免疫の効果による。一方で、同ワクチンの肺炎球菌性髄膜炎に関する効果は明らかになっていなかったことから、ピッツバーグ大学のHeather E. Hsu氏らが調査を行ったところ、発症率は低下しており全体的な効果は見られるものの、非PCV血清型髄膜炎の増加が見られ、懸念される結果も明らかとなった。NEJM誌2009年1月15日号より。
非定型抗精神病薬にも心突然死のリスク
抗精神病薬は定型・非定型ともに、心突然死のリスクが同等にあることが、米国テネシー州のメディケイド加入者を対象とする大規模な後ろ向きコホート研究の結果として報告された。米国ヴァンダービルト医科大学薬剤疫学・予防医学部門のWayne A. Ray氏らが行った試験で、NEJM誌2009年1月15日号で発表されている。定型薬に関する心突然死の大規模データは存在したが、非定型薬についての同リスクはほとんど明らかにされていなかった。
早期産児へのDHA投与、高濃度が女児の神経発達に効果
早期産児に対する誕生直後からの高濃度ドコサヘキサエン酸(DHA)の投与は、女児では神経発達に効果があるようだ。男児では、標準濃度DHAを投与した場合との格差は見られなかった。これは、オーストラリアWomen’s and Children’s Hospital and Flinders Medical CentreのMaria Makrides氏らが明らかにしたもので、JAMA誌2009年1月14日号で発表した。
末梢動脈疾患で間欠跛行の有無にかかわらず、トレッドミル運動訓練で運動機能が改善
末梢動脈疾患患者に対し、指導者がアドバイスしながらのトレッドミル運動訓練の実施は、間欠跛行の有無にかかわらず、運動機能改善効果があることが報告された。これまで同運動訓練の効果について、間欠歩行のない末梢動脈疾患に関しては明らかにされていなかった。訓練をした群はしていない群の人に比べ、6分間歩行や、トレッドミルの最大歩行時間などで、有意な改善が見られた。米国Northwestern大学のMary M. McDermott氏らが明らかにしたもので、JAMA誌2009年1月14日号で発表した。
慢性胃食道逆流症、腹腔鏡下フンドプリケーションで有意に改善
長期間の薬物療法を必要とする慢性胃食道逆流症(GORD)患者に対し、手術療法、特に腹腔鏡下フンドプリケーションを早期に行うことでQOLが有意に改善することが、英国で行われた他施設共同無作為化試験REFLUXの結果として報告された。アバディーン大学保健サービス部門のAdrian M Grant氏らによる同報告は2009年1月10日号(オンライン版2008年12月15日号)に掲載された。
10代女子サッカープレーヤーのための外傷予防プログラム
世界で最も人気があるスポーツ、サッカーは、女性プレーヤーが急増している。それに伴い、プレーヤーの外傷リスクが男女を問わず同等であることや、さらに重傷リスクについては女性のほうが高い(例:前十字靭帯外傷は女性のほうが3~5倍リスクが高い)といった報告が寄せられるようになり、男女を問わずプレーヤーの膝、足首損傷の予防プログラム開発が急務の課題となっている。これまで女性に関する外傷研究報告はわずかでプログラム開発も遅れていたが、オスロ・スポーツ外傷調査センター(ノルウェースポーツ科学校)のTorbjorn Soligard氏ら研究チームが、10代女子プレーヤーの外傷予防に有効とするウォームアップ・プログラム「The 11+」を開発したと、BMJ誌2008年1月10日号(オンライン版2008年12月9日号)で発表した。
高リスク早期子宮内膜癌に対する術後放射線外部照射にベネフィットはあるか?:ASTEC/EN.5試験
中等度~高リスクの早期子宮内膜癌では、生存率の改善を目的に術後放射線外部照射をルーチンに行う治療法は推奨されないことが、ASTEC試験およびEN.5試験の系統的レビューとメタ解析によって明らかとなった。ASTEC試験はイギリス医療審議会(MRC)が、EN.5試験はカナダ国立がん研究所(NCIC)が別個に実施した国際的な大規模臨床試験である。Lancet誌2009年1月10日号(オンライン版2008年12月13日号)掲載の報告。
系統的骨盤内リンパ節郭清術は早期子宮内膜癌の生存率を改善するか?:ASTEC試験
早期子宮内膜癌に対しては、標準治療に加えて系統的骨盤内リンパ節郭清術を施行しても生存率の改善効果は得られないことが、イギリスManchester大学のH Kitchener氏らが実施したASTEC試験で明らかとなった。イギリスでは毎年約6,400人が子宮内膜癌に罹患しており、EU全体では約8万1,500人、北米では約4万100人に達する。その90%以上が50歳以上、年齢中央値は63歳であり、イギリスに限ると高齢者で増加傾向にあるという。Lancet誌2009年1月10日号(オンライン版2008 年12月13日号)掲載の報告。
発症後期間を経ている2型糖尿病患者に対する強化血糖コントロール
コントロール不良の2型糖尿病患者に強化血糖コントロールを行っても、心血管イベント、死亡、細小血管合併症の発生率に有意な影響は認められなかったことが、米国退役軍人糖尿病研究(VADT)の結果として報告された。強化血糖コントロールの心血管イベントに及ぼす影響について、これまで2型糖尿病を発症してからの時間を経ている患者に関しては明らかにされていなかった。NEJM誌2009年1月8日号(オンライン版2008年12月17日号)より。
妊娠39週未満の選択的反復帝王切開の頻度は高いがリスクも増大
新生児の呼吸器合併症発生率が上昇することから、妊娠39週前の選択的帝王切開は胎児の肺熟成が確認されない限り推奨されていない。また反復帝王切開自体もリスクが高いが、正期産(37週以降)妊娠39週未満での選択的反復帝王切開はよく行われており、呼吸器合併症やその他の有害転帰の発生率と関連していることが、アラバマ大学(米国)産婦人科部門のAlan T.N. Tita氏らによって明らかにされた。NEJM誌2009年1月8日号より。
進行パーキンソン病への両側脳深部刺激療法、薬物治療よりも有効
進行パーキンソン病への両側脳深部刺激療法は、薬物治療よりも、6ヵ月後の運動機能や生活の質(QOL)の改善に効果があることが、70歳以上の被験者を含む試験で明らかにされた。これまでの研究の多くが、被験者に高齢の患者を含んでいなかった。ただし深刻な有害作用の発生率が、両側脳深部刺激療法のほうが高かったとも報告されている。これは、米国Hines VA HospitalのFrances M. Weaver氏らの研究で明らかになったもので、JAMA誌2009年1月7日号で発表された。
ビタミンE・Cの服用、男性の前立腺がんやがん全体の発症予防に効果みられず
ビタミンEやCの服用は、男性の前立腺がんやがん全体の発症リスクを減少することはないようだ。がんなどの慢性病予防の効果を期待してビタミンEやCを服用する人は少なくないが、そうした期待とは裏腹の大規模試験の結果が出た。これは、米ハーバード大学のJ. Michael Gaziano氏らが、約1万5千人の男性医師を対象に行った「Physicians’ Health Study II」の研究結果で、JAMA誌2009年1月7日号(オンライン版2008年12月9日号)で発表した。
「レッドツェッペリン病」?:やっぱりヘビメタは脳によくない
ヘッドバンギングはヘビーメタルやハードロック音楽の一般的なダンス形式で、ビートにあわせて頭部を激しく振る行為を繰り返す。そのテンポが激しいと頭頸部傷害のリスクが増大することが、オーストラリアNew South Wales大学Risk and Safety ScienceのDeclan Patton氏らの調査で明らかとなった。同氏は、この知見に基づいて、ヘビメタファンが普段ぼんやりしていたり、でたらめなことを口にする原因を説明できるとし、脳傷害のリスクを最小限にする対策を提言している。BMJ誌2008年12月20日号(クリスマス特集号)掲載(オンライン版2008年12月17日号)の報告。
都市伝説を検証する:ウェールズが全勝優勝するとローマ教皇が昇天?
ラグビーは長年にわたりウェールズ地方の人びとの熱烈な崇拝の的であり、「ウェールズ人の宗教」といわれるほど。イギリスでは近年、英国放送協会(BBC)の報道に端を発して、「ラグビーのウェールズチームがグランドスラム(全勝優勝)を果たした年はローマ教皇が亡くなる。特に好調だった1978年には2人の教皇が死亡している」との都市伝説がまことしやかに流布している。2008年、ウェールズは、ヨハネ・パウロ2世が死亡した2005年以来のグランドスラムを達成したため、現教皇ベネディクト16世の身を案じる声が上がっているという。University Hospital Wales(カーディフ市)のGareth C Payne氏らはこの説を検証し、BMJ誌2008年12月20日号(クリスマス特集号)掲載(オンライン版2008年12月17日号)で報告した。
EU加盟国間にも健康格差が
欧州連合(EU)加盟25ヵ国間には50歳時の健康生存年(HLY)に実質的な格差が存在することが、イギリスLeicester大学健康科学科のCarol Jagger氏らの調査で明らかとなった。この知見は、EU全体の健康状態が大幅に改善されなければ、すべての国で高齢者の就業率を向上させるのは困難なことを示唆するという。Lancet誌2008年12月20/27日号(オンライン版2008年11月17日号)掲載の報告。
頸動脈内膜剥離術では全身麻酔と局所麻酔のいずれを選択すべきか?
アテローム動脈硬化性の頸動脈狭窄に対する頸動脈内膜剥離術施行時の麻酔法として、全身麻酔と局所麻酔では周術期の脳卒中やその他の合併症の抑制効果に差はないことが、イギリスWestern General Hospital臨床神経科学科(エディンバラ市)のSteff C Lewis氏らが行ったGALA(General anaesthesia versus local anaesthesia for carotid surgery)試験の解析結果から明らかとなった。今後、いずれの麻酔法を選ぶかは、患者の好みや他の医学的な理由に委ねられることになりそうだ。Lancet誌2008年12月20/27日合併号(オンライン版2008年11月27日号)掲載の報告。
汚染ヘパリン問題を裏付ける全米疫学調査報告
全米で昨年大きな問題となったいわゆる汚染ヘパリン問題に関して、米国疾病対策予防センター(CDC)の感染情報サービスプログラムに所属するDavid B. Blossom氏らが行った疫学調査報告が、NEJM誌2008年12月18日号(オンライン版2008年12月3日号)で公表された。
RNA干渉とがん転帰との関連
遺伝子発現が、「RNA干渉」という細胞内機構で調節されていることが発見され、がん治療研究の最前線では、特異的な遺伝子を沈黙させるRNA干渉分子の研究が進んでいる。米テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターのWilliam M. Merritt氏らは、RNA干渉機構の酵素であるDicerとDroshaに着目し、細胞内でのこれらの発現レベルと卵巣がん転帰との関連を調べた。NEJM誌2008年12月18日号より。
2型糖尿病患者には、低グリセミック指数食療法を
2型糖尿病患者に対し、低グリセミック指数(GI)食療法を行うことで、高シリアル線維食療法に比べ、グリコヘモグロビン(HbA1c)値は減少し、高比重リポ蛋白(HDL)値は上昇することがわかった。これは、カナダSt Michael’s Hospital(トロント)のDavid J. A. Jenkins氏らの研究で明らかになったもので、JAMA誌2008年12月17日号で発表した。