2種利尿薬、大規模試験で心血管転帰を直接比較/NEJM
実臨床での一般的用量でサイアザイド系利尿薬のクロルタリドン(国内販売中止)とヒドロクロロチアジドを比較した大規模プラグマティック試験において、クロルタリドン投与を受けた患者はヒドロクロロチアジド投与を受けた患者と比べて、主要心血管アウトカムのイベントまたは非がん関連死の発生は低減しなかった。米国・ミネソタ大学のAreef Ishani氏らが、1万3,523例を対象に行った無作為化試験の結果を報告した。ガイドラインではクロルタリドンが1次治療の降圧薬として推奨されているが、実際の処方率はヒドロクロロチアジドが圧倒的に高い(米国メディケアの報告では150万例vs.1,150万例)。研究グループは、こうした乖離は、初期の試験ではクロルタリドンがヒドロクロロチアジドよりも優れることが示されていたが、最近の試験で、両者の効果は同程度であること、クロルタリドンの有害事象リスク増大との関連が示唆されたことと関係しているのではとして、リアルワールドにおける有効性の評価を行った。NEJM誌オンライン版2022年12月14日号掲載の報告。