ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の予防において、複合的予防介入と地域のガイドラインに準拠した抗レトロウイルス療法(ART)の組み合わせは、標準治療に比べ新規HIV感染を有意に抑制するが、地域住民全員を対象とするARTは標準治療と差がないことが、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のRichard J. Hayes氏らが行ったHPTN 071(PopART)試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年7月18日号に掲載された。新規HIV感染を抑制するアプローチとして、地域住民全員を対象とする検査と治療は有効な戦略となる可能性が示唆されているが、これまでに行われた試験の結果は一貫していないという。