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- 2024/12/20
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複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet
重症大動脈弁狭窄症(AS)に複雑冠動脈疾患(CAD)を併存する患者において、血流予備量比(FFR)ガイド下経皮的冠動脈インターベンション(PCI)+経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)は、外科的大動脈弁置換術(SAVR)+冠動脈バイパス術(CABG)に対して非劣性であることが示された。カナダ・マギル大学ヘルスセンターのElvin Kedhi氏らTCW study groupが、初となる経皮的治療と外科治療を比較した国際多施設共同前向き非盲検無作為化非劣性検証試験「TCW試験」の結果を報告した。重症AS患者では、閉塞性CADを併存していることが多い(~50%)。ESC/EACTSガイドラインでは、SAVR+CABGが推奨されている。一方、FFRガイド下PCIおよびTAVIが有効な治療選択肢となりうることも示されていた。Lancet誌オンライン版2024年12月4日号掲載の報告。
慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA
心血管系薬剤のリフィル処方を先延ばしにする患者にリマインダーのテキストメッセージを送っても、薬局の処方データに基づく服薬アドヒアランスの改善や、12ヵ月時の臨床イベントの減少は得られなかった。米国・Kaiser Permanente ColoradoのP. Michael Ho氏らが、プラグマティックな無作為化非盲検試験において示した。患者の行動変容にテキストメッセージが用いられるようになってきているが、これまで厳密な検証は行われていないことが多かった。著者は、「服薬アドヒアランスの不良には、複数の要因が関与していると考えられることから、今後の介入ではアドヒアランスに影響を与える複数の要因に対処するよう取り組む必要があるだろう」とまとめている。JAMA誌オンライン版2024年12月2日号掲載の報告。
経口SERDのimlunestrant、ER+/HER2-進行乳がんのPFSを改善(EMBER-3)/NEJM
エストロゲン受容体(ER)陽性HER2陰性(ER+/HER2-)進行乳がん患者において、ESR1(ERαをコードする遺伝子)変異陽性の患者では、imlunestrant単剤療法が標準内分泌療法よりも無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことが示され、被験者全集団では、imlunestrant+アベマシクリブ併用療法がimlunestrant単剤療法よりもPFSを有意に延長したことが示された。米国・メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターのKomal L. Jhaveri氏らEMBER-3 Study Groupが、第III相非盲検無作為化試験「EMBER-3試験」の結果を報告した。imlunestrantは次世代の脳内移行性の高い経口選択的ER分解薬(SERD)で、ESR1変異陽性乳がんにおいても持続的にERを阻害する。NEJM誌オンライン版2024年12月11日号掲載の報告。
慢性B型肝炎への低分子干渉RNA薬xalnesiran、抗原消失率は?/NEJM
ヌクレオシド/ヌクレオチドアナログ(NA)療法でウイルス学的抑制が得られている慢性B型肝炎ウイルス(HBV)感染患者において、xalnesiranと免疫調節薬の併用療法は高頻度に治療終了後24週時のHBV表面抗原(HBs抗原)の消失をもたらしたが、Grade3または4の有害事象が半数の患者に認められた。中国・南方医科大学のJinlin Hou氏らPiranga Study Groupが、海外第II相多施設共同無作為化非盲検アダプティブプラットフォーム試験「Piranga試験」の結果を報告した。xalnesiranは、HBVゲノムの保存領域を標的とし複数の転写産物を抑制する低分子干渉RNA薬で、免疫調節薬併用の有無にかかわらず慢性HBV感染患者に対する有効性が示されている。今回は、免疫調節薬として、肝臓で選択的に活性化されるToll様受容体7(TLR7)アゴニストのruzotolimod、またはペグインターフェロン アルファ-2a(PEG-IFNα-2a)とxalnesiranの併用、xalnesiran単剤の有効性と安全性が評価された。NEJM誌2024年12月5日号に掲載の報告。
転移を有する去勢抵抗性前立腺がん、放射線療法の追加は有効か/Lancet
低腫瘍量のde novo転移を有する去勢感受性前立腺がん(mCSPC)患者の治療において、標準治療+アビラテロンと比較して標準治療+アビラテロンに放射線療法を併用すると、画像上の無増悪生存期間(PFS)と去勢抵抗性前立腺がんのない生存期間(無去勢抵抗性生存期間)が有意に延長するが、全生存期間(OS)の改善は得られないことが、フランス・Institut Gustave RoussyのAlberto Bossi氏らが実施した「PEACE-1試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2024年11月23日号で報告された。
MSI-H/dMMRの進行大腸がん、ニボルマブ+イピリムマブが有効/NEJM
全身療法による前治療歴のない、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)を示す転移を有する大腸がん患者の治療において、化学療法と比較してニボルマブ+イピリムマブ療法は、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長し、Grade3以上の治療関連有害事象が少ないことが、フランス・ソルボンヌ大学のThierry Andre氏らCheckMate 8HW Investigatorsが実施した「CheckMate 8HW試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2024年11月28日号に掲載された。 CheckMate 8HW試験は、日本を含む23ヵ国121施設で実施した非盲検無作為化第III相試験であり、2019年8月~2023年4月に患者の無作為化を行った(Bristol Myers SquibbとOno Pharmaceuticalの助成を受けた)。
活動期クローン病の導入・維持療法、ミリキズマブが有効/Lancet
中等症~重症の活動期クローン病患者の導入療法および維持療法において、プラセボまたはウステキヌマブと比較してヒト化抗ヒトIL-23p19抗体ミリキズマブは、安全性は既知の良好なプロファイルと一致し、かつ有効性に関する2つの複合エンドポイントがいずれも有意に良好であることが、ベルギー・ルーベン大学病院のMarc Ferrante氏らが実施した「VIVID-1試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2024年11月21日号に掲載された。 VIVID-1試験は、中等症~重症の活動期クローン病におけるミリキズマブの有効性と安全性の評価を目的とするtreat-throughデザインを用いた第III相二重盲検ダブルダミー無作為化プラセボ/実薬対照比較試験であり、2019年7月~2023年8月に日本を含む33ヵ国の324施設で患者の無作為化を行った(Eli Lilly and Companyの助成を受けた)。
再発・難治性B細胞性ALLにobe-celが有効/NEJM
obecabtagene autoleuce(l以下obe-cel)は、自家41BB-ζ抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法であり、毒性作用を軽減してCAR-T細胞の生着と持続性を改善するために、CD19に対する親和性が中等度のCARを使用している。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのClaire Roddie氏らは「FELIX試験」において、再発または難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の成人患者の治療として、obe-celは高い割合で持続的奏効をもたらし、Grade3以上の免疫関連毒性作用の発現率が低いことを示した。研究の成果は、NEJM誌2024年12月12日号で報告された。
レナカパビル年2回投与、男性/ジェンダーダイバースのHIV曝露前予防に有効/NEJM
男性およびジェンダーダイバースのHIV感染発生率は、レナカパビルの年2回皮下投与により、バックグラウンドおよびエムトリシタビン/テノホビル・ジソプロキシルフマル酸塩(F/TDF)投与と比較して89~96%有意に低下した。米国・エモリー大学のColleen F. Kelley氏らPURPOSE 2 Study Teamが、米国、ブラジル、タイ、南アフリカ、ペルー、アルゼンチンおよびメキシコの計92施設で実施した第III相無作為化二重盲検実薬対照比較試験「PURPOSE 2試験」において示された。年2回のレナカパビル皮下投与は、シスジェンダー女性におけるHIV曝露前予防(PrEP)に有効であることが示されているが、シスジェンダー男性、トランスジェンダー女性、トランスジェンダー男性およびジェンダーノンバイナリーにおけるレナカパビルPrEPの有効性は不明であった。NEJM誌オンライン版2024年11月27日号掲載の報告。
重度母体合併症、その後の出産減少と関連/JAMA
最初の出産で重度の母体合併症(SMM)を発症した女性はその後の出産の可能性が低いことが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のEleni Tsamantioti氏らによるコホート研究の結果において示された。SMMを経験した女性は健康問題が長く続く可能性があり、SMMと将来の妊娠の可能性との関連性は不明であった。著者は、「SMMの既往歴がある女性には、適切な生殖カウンセリングと出産前ケアの強化が非常に重要である」とまとめている。JAMA誌オンライン版2024年11月25日号掲載の報告。 研究グループは、スウェーデンの出生登録(Medical Birth Register)および患者登録(National Patient Register)のデータを用い、コホート研究を実施した。
重症三尖弁逆流、T-TEER+薬物療法vs.薬物療法単独/JAMA
重症三尖弁逆流症患者において、至適薬物療法(OMT)に加えた三尖弁経カテーテルedge-to-edge修復術(T-TEER)の施行はOMT単独と比較して、三尖弁逆流症の重症度、および患者報告に基づく複合アウトカム(NYHA心機能分類クラス、患者全般評価[PGA])の改善が認められたことが、フランス・レンヌ大学のErwan Donal氏らTri-Fr Investigatorsによる無作為化試験「Tri.Fr試験」で示された。JAMA誌オンライン版2024年11月27日号掲載の報告。 Tri.Fr試験は、重症の症候性三尖弁逆流症患者におけるT-TEER+OMTとOMT単独の有効性を評価した研究者主導の前向き無作為化試験で、2021年3月18日~2023年3月13日に、フランスおよびベルギーの24施設で行われた。最終フォローアップは2024年4月。
ダークチョコレートで2型糖尿病リスク低減か/BMJ
ダークチョコレートの摂取量増加は2型糖尿病リスク低下と関連したが、ミルクチョコレートではそのような関連はみられなかった。ミルクチョコレートの摂取量増加は長期的な体重増加と関連したが、ダークチョコレートではそのような関連はみられなかった。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のBinkai Liu氏らが、米国の看護師および医療従事者を対象とした大規模前向きコホート研究のデータを用いて行った解析の結果を報告した。チョコレートにはフラバノールが多く含まれ、無作為化試験で心代謝へのベネフィットや2型糖尿病のリスクを軽減することが示されている。ただしチョコレートの摂取と2型糖尿病のリスクとの関連性は観察試験では一貫した結果が示されておらず、なお議論の的となっていた。研究グループは、ダークチョコレートとミルクチョコレートでは、カカオ含有量や砂糖、ミルクといった成分割合が異なり、2型糖尿病リスクとの関連性が異なる可能性があるとして、これまで行われていなかったチョコレートの種類(ダークチョコレート、ミルクチョコレート)との関連を調べた。BMJ誌2024年12月4日号掲載の報告。
急性脳梗塞の血栓除去術、バルーンガイドカテーテルは有用か/Lancet
前方循環の大血管閉塞による急性虚血性脳卒中患者に対する血管内血栓除去術において、従来のガイドカテーテルを使用した場合と比較してバルーンガイドカテーテルは、むしろ機能回復が不良であり、死亡率も高い傾向にあることが、中国・海軍軍医大学長海病院のJianmin Liu氏らが実施した「PROTECT-MT試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌2024年11月30日号に掲載された。 PROTECT-MT試験は、急性虚血性脳卒中の血管内血栓除去術におけるバルーンガイドカテーテルの有効性と安全性の評価を目的とする非盲検(エンドポイント評価は盲検下)無作為化対照比較試験であり、2023年2~11月に中国の28の病院で患者を登録した(中国国家自然科学基金などの助成を受けた)。
心筋梗塞へのコルヒチンは予後を改善するか/NEJM
急性心筋梗塞患者の治療において、発症後すぐに抗炎症薬コルヒチンの投与を開始し、3年間継続しても、プラセボと比較して心血管アウトカム(心血管系の原因による死亡、心筋梗塞の再発、脳卒中、虚血による冠動脈の予期せぬ血行再建術の複合)の発生率は減少せず、その一方で3ヵ月後には炎症マーカーが有意に低下することが、カナダ・マクマスター大学のSanjit S. Jolly氏らCLEAR Investigatorsが実施した「CLEAR試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2024年11月17日号で報告された。
新薬muvalaplin、心血管リスク患者のリポ蛋白(a)を大幅減少/JAMA
心血管イベントのリスクが高く、リポ蛋白(a)濃度が上昇した患者において、プラセボと比較して経口低分子リポ蛋白(a)阻害薬muvalaplinは、12週間の投与でリポ蛋白(a)を大幅に減少させ、忍容性も良好であることが、オーストラリア・モナシュ大学のStephen J. Nicholls氏らが実施した「KRAKEN試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年11月18日号で報告された。 KRAKEN試験は、リポ蛋白(a)濃度が上昇した患者におけるmuvalaplinのリポ蛋白(a)抑制効果の評価を目的とする二重盲検無作為化プラセボ対照第II相試験であり、2022年12月~2023年11月に日本を含む8ヵ国43施設で患者の無作為化を行った(Eli Lilly and Companyの助成を受けた)。
非急性硬膜下血腫、中硬膜動脈塞栓術は有効か/NEJM
症候性の非急性硬膜下血腫患者(多くが穿頭ドレナージを受けた)の治療において、通常治療と比較して中硬膜動脈塞栓術は、90日の時点での症状を伴う硬膜下血腫の再発または進行の発生率はほぼ同じだが、重篤な有害事象の頻度は有意に低いことが、中国・海軍軍医大学のJianmin Liu氏らMAGIC-MT Investigatorsが実施した「MAGIC-MT試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2024年11月21日号に掲載された。 MAGIC-MT試験は、中国の31施設で実施した医師主導の非盲検無作為化対照比較試験であり、2021年3月~2023年5月に患者を募集した(Shanghai Shenkang Hospital Development Centerなどの助成を受けた)。
子宮内膜症・子宮筋腫の既往、早期死亡リスクと関連/BMJ
子宮内膜症あるいは子宮筋腫の既往歴のある女性は、生殖可能年齢を超え70歳未満での早期死亡の長期的リスクが高まる可能性があり、主に婦人科系がんによる死亡リスクの増加とも関連し、子宮内膜症はがん以外の死亡リスクの増加とも関連していた。中国・上海交通大学のYi-Xin Wang氏らが、前向きコホート研究の結果を報告した。子宮内膜症と子宮筋腫は、慢性疾患の長期的リスクを高めることが示されているが、早期死亡リスクに及ぼす影響は不明であった。BMJ誌2024年11月20日号掲載の報告。 研究グループは、米国で1989年に開始された前向きコホート研究「Nurses’ Health Study II」に登録された25~42歳の女性看護師を対象とした。同研究では2019年までの30年以上にわたり、生殖特性、行動因子および健康状態に関して2年ごとに郵送または電子アンケート調査が行われている。
持続性AF、線状アブレーション+肺静脈隔離術は有益か?/JAMA
持続性心房細動(AF)患者の治療において、肺静脈隔離術(PVI)にマーシャル静脈内エタノール注入(EIVOM)を併用した線状アブレーションを追加することにより、PVI単独と比較して12ヵ月以内の心房性不整脈再発が有意に改善された。中国・Beijing Anzhen HospitalのCaihua Sang氏らPROMPT-AF investigatorsが、中国の3次医療機関12施設で実施した研究者主導の多施設共同無作為化非盲検試験「PROMPT-AF試験」の結果を報告した。これまでの無作為化試験では、PVI後に線状アブレーションを追加したときのPVI単独に対する優越性は検証されていなかった。EIVOMは僧帽弁輪峡部でのアブレーションを容易にし、線状アブレーション戦略の有効性を改善する可能性があるとされていた。JAMA誌オンライン版2024年11月18日号掲載の報告。
慢性硬膜下血腫、補助的中硬膜動脈塞栓術は有益か/NEJM
症候性の慢性硬膜下血腫患者において、補助的中硬膜動脈塞栓術と標準治療の併用は標準治療単独と比べて治療失敗リスクを低下させ、短期的には後遺症を伴う脳卒中や死亡の発生の増加には至らなかった。米国・Stony Brook MedicineのDavid Fiorella氏らSTEM Investigatorsが、国際多施設共同非盲検無作為化比較試験「STEM試験」の結果を報告した。慢性硬膜下血腫の治療を受けている患者は治療失敗のリスクが高い。同患者集団における補助的中硬膜動脈塞栓術の、治療失敗のリスクへの影響は明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2024年11月20日号掲載の報告。
世界の糖尿病罹患率、日本の女性が低下し世界最低群に/Lancet
英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのBin Zhou氏らNCD Risk Factor Collaboration(NCD-RisC)は、200の国と地域における1990~2022年の糖尿病の罹患率と治療動向を調べ、ほとんどの国、とくに低所得国と中所得国では、罹患率の上昇に比べて糖尿病治療率(糖尿病治療薬を使用している患者の割合)はまったく増えていないか、十分には増えていないことを示した。糖尿病はプライマリケアレベルでの検出が可能で、また効果的な治療により合併症リスクを低減できるが、糖尿病治療の実態と、それがどのように変化しているのかについて十分なデータはなかった。Lancet誌2024年11月23日号掲載の報告。