1年間の減塩食、心不全の予後を改善するか/Lancet
心不全患者では、1年間の減塩食(ナトリウム目標値1,500mg未満/日)の摂取は塩分制限食に関する一般的な助言を含む通常治療と比較して、全死因死亡、心血管関連の入院、心血管関連の救急診療部受診から成る複合アウトカムの発生を減少させないものの、生活の質(QOL)やNYHA心機能分類の改善効果がわずかに良好であることが、カナダ・アルバータ大学のJustin A. Ezekowitz氏らが実施した「SODIUM-HF試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌2022年4月2日号で報告された。
本研究は、心不全患者への減塩食による食事療法は将来の臨床イベントの発生を抑制するかの検証を目的とする実践的な非盲検無作為化対照比較試験であり、2014年3月~2020年12月の期間に、6ヵ国(オーストラリア、カナダ、チリ、コロンビア、メキシコ、ニュージーランド)の26施設で参加者の登録が行われた(カナダ保健研究機構[CIHR]などの助成を受けた)。